日本人は他の国に比べて、自分に自信がない傾向にあると言われています。
内閣府が29歳までの若い人に行った調査によると、
- 自分自身に満足している
- 自分には長所がある
- 自分について誇りを持っているもの
という項目についていずれも諸外国に比べて低いという結果になっていました。
これは、自己肯定感の低い人の割合が低く、自分に誇りを持っている人の割合も低いことが意味します。
日本人は謙遜することが美徳とされ、協調性が必要だという社会に生きてきた、という背景があるでしょう。
自ら主張するよりも、相手に合わせることが重要だという傾向にあります。
また、教育においても、点数が悪いと叱られますよね。
基本的には、「失敗すると叱る文化」であるため、子供も「自分はダメだ」となりがちです。
人の思考は環境に左右されます。
私たちは幼いころから自信を持つには難しい環境の中で育ってきました。
もちろん日本人の良さとされている部分はあるものの、やはり自信を持って行動したいと思うのではないでしょうか?
行動することができれば、自信にもつながり良いサイクルになるはずです。
「会議で発言するとバカにされるかも」
「できれば目立ちたくない」
「憧れの仕事がある。でも私にできるか不安」
自信がないとこのように、仕事やプライベートでも消極的になってしまいます。
しかし、本当はチャレンジしたいことがあるのに、自分から道をあきらめてしまうのは、とてももったいないことです。自信を持てれば、自分の好きな道を進むことができます。
もちろん、一朝一夕で自信をつけることは無理ですが、継続的に意識することであなたも自信を身につけることができます。
この記事では自信を持つ方法についてご紹介します
すぐ実践できる具体的で分かりやすい方法です。ぜひ参考にして、実践してみてください。
この記事の目次
0.自信がないと負のスパイラルに入る
あなたが本気で自信がない自分を変えたいを思うのであれば、自信がないままだとどうなってしまうのかを知ってください。
以下の図をご覧ください。
これは、自信がなくて行動することができず、結果的に自己否定をしてしまい、ますます自信がなくなる、という悪いサイクルを表しています。
私たちは、よく「行動することが何よりも大切」だと言っているのですが、それはやはり行動をしなければ望むものは手に入らないからなのです。
もしあなたが本気で「自信をつけたい!」と考えるのであれば何かしたの行動を起こしてみることが大切です。
そうすると、以下のような良いサイクルが生まれてきます。
とはいえ、「そもそも行動するための自信がない…」という方も多いかと思います。
そこで、以下では自信をつけるためにはどうすればいいのか、について詳しくお伝えしていきます。
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1.自信を作るのは、成功体験と思い込み
結論からお伝えすると、自信を作るのは、成功体験と思い込みです。
「できた!」という成功体験を積み重ねていけば、「自分はできる!」と思い込み、自信を作ることができます。
ただし、覚えておかなくてはいけないのは、「時間がかかる」ということ。
いわば、「自信のなさ」は、何をするときでも「失敗するかもしれない…」と考えてしまうクセがついてしまっている状態です。そのため今の生活や習慣、考え方をコツコツと変えていかなくては、クセは直せません。
問題は、自信を作る方法を知っているかどうかです。すぐに自信を持てるようにするには、実践しやすい方法を試していくのが一番。
ここからは、自信を作る方法を具体的に説明していきます。
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2.あなたが自信を持つための8つの方法
あなたがこれからの人生で自信を持つためには、以下の8つを行うようにしてください。
- 自動思考に気づく
- 「メタ認知」をできるようにする
- 筋トレをしてみる
- 自分をネガティブにさせるものから離れる
- 他人と自分を比較するのをやめる
- コンプレックスは人に話す
- 小さな成功体験を積み重ねて、ノートに記録する
- 「今は、準備をしているときだ!」と言い聞かせる
どれも簡単に行えることです。それぞれ具体的に見ていきましょう。
自動思考に気づく
自信がない原因は様々ですが、多くの場合、「自動思考」によって自己評価が低くなり自信がなくなっていきます。
起こったできごとの受け取り方のことを「認知」といいますが、何かの出来事があったときに瞬間的にうかぶ考えが「自動思考」と呼ばれています。
例えば、友人にメールをして、返信がなかったとします。
このときに、人によって次の2つのパターンに考えが分かれます。
メールの返信がなかった
↓
「きっと忙しくメールを見れていないのだろう」と思う
メールの返信がなかった
↓
「返信が来ないのは嫌われているからだ」と思う
どちらも起こっている出来事は同じです。
しかし、自動思考の違いによって、実際に湧いてくる感情が違ってくるのです。
Bさんのように「嫌われている」という自動思考であれば、”悲しみ”や”不安”といった感情が湧き出します。
一方、Aさんの「忙しいんだな」という自動思考であれば、”諦め”(しかたないかな)という感情になるでしょう。
あなたはどちらのパターンでしょうか?
こうした、「私はあの人に嫌われている」といった”思い込み”となって、あなたの行動を制限してしまいます。
ここで大事なことは「自動思考のゆがみ=ゆがみ思考」を発見してチェックすることです。
代表的な例は以下の通りです。
「全てが完璧にできないとダメな人間だ」というように
物事を全て白か黒で極端にわけようとする考え方
●悲観的:「うまくいくはずがない」など未来のことを悲観的に考える
●「相手はこう考えている」と決めつけてしまう
●〜しなければならない(〜すべき):
「もっとちゃんとしなければならない」というような
「〜すべき」と考えて、できない自分を責める
●ラベリング:「自分はつまらない人間だ」というように
自分や身近な人にネガティブな偏見を持つ
●過小評価:「自分はいつだって人とうまく話せない」と、
うまくいかないことばかりに注目する。成功したことは忘れている。
このような思い込みが出てきたときは以下のような質問を問いかけてみましょう。
2)本当にそうだとすると、どうなるのか?(結果について考える)
3)他の見方はないだろうか?(代わりの考えを探す)
4)どの見方が、私の役に立つか?(元気が出る考えを選ぶ)
例えばあなたが何か行動をしようとしたときに「きっと自分には無理だ」と思ったとしましょう。
↓
なぜそう思うのだろう?過去に1回失敗したからだ
↓
本当に1回の失敗で無理なのだろうか?
↓
そこでの失敗を生かせばいいじゃないか。
これまでも挑戦してみて成功したことはある。
このようなステップで考えることで、歪んだ認知について気づくことができます。
実際に実践することで気持ちが変わることを感じるはずです。
アメリカの著名な思想家、ブライアント・トレーシー氏は
「あなたの人生は、あなたの思考の現われである。
思考が変わると人生も変化する」
と述べています。
ぜひあなたの思考を変え、人生が変わることを実感してみてください。
自動思考については【思考の癖】自動思考を変える方法をステップごとに詳しく解説でも詳しく解説しています。
3-2.「メタ認知」をできるようにする
落ち着いた自分を手に入れて自信を持つためには、「メタ認知」が効果的です。
「メタ認知」とは、もう一人の自分を出現させることで、自分をまるで他人のように客観的に見ることです。
メタ認知ができるようになれば、固まった思考や主観的な考え方から離れることができます。その結果、困ったときや焦ったときでも落ち着いていられる「自信を持った人」になれるのです。
メタ認知を上手に使いこなすためには、「生身の自分」ではない、もう一人の自分を出現させましょう。これは独り言とは、少し違います。
もう一人の自分が、生身の自分をスクリーン越しに見ているような感覚です。イメージでいうと幽体離脱を思い出してください。
例えば、電車やカフェで知らない人たちが相談しているのを聞いて、
こうすればいいのにな。何で分からないんだろう?
なんて思ったことはありませんか?
人は他人ごとで考えると、すんなり解決策が浮かぶものです。
このように、客観的に物事を考えられるようになると、「あ、また(自分は)仕事中に部長の自慢話聞かされてる。生返事だけで済ましとけば、話しかけられなくなるのに」と冷静に見ることができ問題への解決策や対処法が浮かんできます。
自分を他人のように見て話しかけるようにすることで、「もう方法がない」「しょうがない」と思考回路が狭くなりそうな事態に陥っても落ち着いていられる「自信を持った人」になれます。
ちなみに、野球選手のイチローや芸能人のタモリ氏、仏教のお坊さんも修行でメタ認知を行っていることは有名な話です。
メタ認知については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
3-3.筋トレや運動で体を動かす
自信をつけるには、筋トレ運動で体を動かすことも重要です。
「自信がない」と悩んでいる人の中には普段から体を動かす機会が少ない方も多いのではないでしょうか?
また、スポーツをしている人は自信がある人が多い気がしませんか?
実際に、身体を動かすことは脳から前向きな気持ちになれるホルモンが分泌されるのです。
例えば、テストステロンが分泌されることでやる気や決断力がアップし、ドーパミンやエンドルフィンなど、別名「幸福ホルモン」と呼ばれるホルモンも分泌され、ポジティブで前向きな気持ちになります。
ランニングやジョギングなどの有酸素運動でも効果は期待できますが、そのほかにもより負荷を与える「腕立てふせ」や「スクワット」などの筋トレも効果的です。
また「週2回、5kmランニングする」「1日合計100回スクワットをする」など計画を立てて実行すれば、「自分で目標決めて、達成できたぞ!」と成功体験にもつながります。
体型に自信がない人はトレーニングをすることで見た目も変わってくることで、どんどん自信を持てるようになります。
3-4.他人と比較するのをやめる
自信を持つためには、他人と自分を比べるのはやめることも必要です。
自身のない人は「あの人はすごいなぁ。それに比べて自分は…」と他人と自分を比べて自信をなくしていく傾向にあります。
しかし、いくら比較しても、あなたはあなたです。他の人になることはできません。自分自身でコントロールできるものでなければ、変えることはできないですし、考えても意味がありません。
もし思わず他人と自分を比較してしまいそうになったら、「今、自分にできること」に意識を集中させましょう。そうすることで、今の自分を変えることができます。
「あの人はパソコンに詳しいのに、私は全然わからない…」と比べてしまうのであれば、「休みの日にパソコン教室へ通ってみよう」「プログラミングを勉強してみようかな?」と意識の中心を自分に動かしましょう。
他人と比べるのがクセになっているとこのように考えることはなかなか難しいですが、続けていくと習慣にすることができます。
自分中心でものごとを考えられるようになれば、自分を変えようと行動するものです。
そして、知らず知らずのうちに達成できることが増えて、自信につながっていくのです。
自信がない人は、他人を見ずに、自分を見るようにしましょう。
どうしても人と比べてしまって自信をなくしている方は以下の記事をぜひお読みください。
3-5.コンプレックスを人に話してしまう
自信を持つためには、思い切って自分のコンプレックスを人に話すことも効果的です。
コンプレックスは、あなたの中で考え続け、隠すほどどんどんとそれが膨らみ続け、大きくなってしまいます。
しかし、誰かに打ち明けることで、自分の中のモヤモヤが晴れていきコンプレックスは小さくしぼみます。
そして、自信を持てない原因だったコンプレックスがなくなることで、自分に自信を持てるようになります。
例えば、「どんなにダイエットしても、丸顔だから太って見られちゃうんだ」「会議のとき、意見はあるけど声に出して言えないんだ」と劣等感があることをオープンにします。
「こんなこと話したら、変に思われるんじゃないかな?」と心配する方もいるかもしれませんが、大丈夫です。
思い切って話してみたら、「そんな風に思ったことないよ?」「あるある!自分もだよ!」と案外周りの人は受け入れてくれるものです。
また、人は自分にしか興味がないので、他人のコンプレックスについてそこまで興味がありません。あなたがコンプレックスを打ち明けても、すぐに忘れてしまいます。
そうすると「今まで悩んでいたのはなんだったんだろう」と感じるはずです。
多くの場合、コンプレックスを一人で抱えることは徒労に終わります。一人で悩む苦しみから解放されて、自信を持ちましょう。
3-6.自分をネガティブにさせるものから離れる
自信を持つためには自分をネガティブにさせるものからは、できるだけ離れることも大切です。
人はとても環境に影響を受けやすいものです。ネガティブな環境は、接するだけで自信を失いやすくなります。
例えば、次のような人からは距離を置くようにしましょう。
- 一緒にいるだけで疲れる
- 会話がいつも愚痴や悪口ばかり
- 何かと優位になりたがる
私たちは思っているよりも他人の影響を受けます。自信がないと悩んでいる方はこうした人が周りにいませんか?
そうした人たちといてもいいことはありません。自分のためにも距離を置くべきです。
また、人だけでなく、自分をネガティブにさせるものを見ないようにすることも大切です。
例えば、営業成績が悪くて自信を喪失している場合、自分のデスクから営業成績が見えないように、好きな写真をデスクに置くなど、周りの環境を変える工夫をすることも効果的です。
これは「セルフイメージ」を高めるためにも大切なことなのです。セルフイメージについては以下の記事をお読みいただくことをおすすめします。
3-7.小さな成功体験を積み重ねて、ノートに記録する
自信を身につけるためには、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
できれば、普段の成功体験をノートに記録しておくようにしましょう。
人は忘れやすい生き物です。小さな感動は、すぐに忘れてしまいます。
そのため、ノートに記録しておくと、多くの実績が目に見えて「私、こんなに頑張ったんだ!」と成功体験を実感しやすいのです。
「成功体験なんてないよ…」と不安になる人も多いのですが、そんな大それたものである必要はありません。
小さな成功体験は、「今日は休日だったけど、いつもと同じ時間に起きられた」「苦手な人に自分から話しかけることができた」というように、本当にささいなものでかまいません。
成功体験をもっと早く実感したい人は、「休日も、3食しっかり食べる」「1日1回、ありがとうと伝える」など自分との約束を先にノートに書いておいてもいいでしょう。目標が達成できたら、日にちと一緒に印をつけておきます。
ただし、運動が好きではないのに「毎日10km走る」「食事の前にスクワットを100回やる」のように、自分にとってハードルが高い約束にしてしまうと挫折してしまうこともあるので注意が必要です。
- 理想の自分はどんな人なのか
- 近づくためには何が必要なのか
この2つを考えて、「これなら守れそう!」と思う小さな目標を設定し、実行したらノートに記していきましょう。
実行できたことが目に見える形で積み重なると、「自分もやればできるじゃん!」という「自信の基礎」ができます。
3-8.「今は、準備をしているときだ!」と言い聞かせる
もし、「何だかうまくいかないな」と感じたときは、「今は準備期間なんだ」と自分に言い聞かせましょう。
うまくいかないときに「何とかしなきゃ…!」と焦ってしまうと、逆に空回りしてしまいます。ネガティブに考えてしまうクセがついていると「自分は何をやってるんだろう?」「何のためにがんばってるんだろう?」と、やる気や自信を失うことにつながります。
例えば、営業でうまく契約がとれないときは「自分はまだセールストークの幅が少ない。今は前より良い契約をとるために、トークや観察力の勉強期間なんだ」と言い聞かせます。
大切なのは、「成功する」という目標のためにどれだけ準備に集中できるかです。
今やれることに集中し、「ちゃんと準備できた!」と思うことが、自信の基礎につながっていくのです。
以上が自信を持つための方法です。どれも即効性のあるものではありません。しかし、続けて習慣にすることで、必ず自信を持つことができます。
大切なのは、自分と向き合うこと。
「どうせ私なんか…」「しょうがない。」という考え方は、自分と向き合わないことがクセになっているのです。一歩踏み出すことができれば、必ず新しい自分に変わることができます。
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まとめ
自信を持つ方法について説明してきました。
自信とは、いわばポジティブな思い込み。ポジティブな思い込みは、成功体験を重ねればできるようになります。そのため、すぐ自信を持つ方法はありません。
考え方や習慣を変えるために、今できることを始めることが、結果として早く自信をつけるのです。
まずは小さな成功を意識して、「これができた!」「あれもできた!」という達成感を自分の中に積み重ねてください。身近なことや小さなことからチャレンジしてみましょう。
そうすることで、きっと知らずのうちに自信を持つことができるでしょう。
※自信を持つ方法は本当に様々です。自己肯定感や自己効力感を高めたり、アファメーションをしたりする方法もあります。
興味がある方はそれぞれの記事をご覧いただき、自信を身につけてください。
● 自己肯定感が低い自分を受け入れポジティブな自分にする方法
● 成果を出すために必要な自己効力感の意味と高め方を詳しく解説
● アファメーションで願いを実現させる方法と実践するときの注意点