あなたは学んだことをちゃんとアウトプットしていますか?
本を読んでも約9割の人が「読んで終わり」で知識として定着していないと言われます。
また、セミナーに参加しても、1万人参加したら、やるのは100人、続けるのは1人と言われるくらい実際に学んだことをやる人というのは少ないのです。
本などでインプットをして学んでいる人は多いかと思いますが、結果を出しているのは圧倒的にアプトプットしている人なのです。
ここではアプトプットの重要性と、実際にアウトプットの方法について苦手な人でもできるよう詳しく解説します。
「学んでいるのに結果が出ない」という人はこの記事を穴があくほど読んでいただき行動に移してください。
この記事の目次
1.アウトプットなくして成長なし
私たちの脳はアプトプットすることで知識として定着するようになっています。
受験勉強で英単語を覚えるときに実際に声を出したり書き出したりして暗記したという経験がある方も多いのではないでしょうか?
実はこれは非常に学びとして良い方法なのです。
しかし、会社員になると、コミュニケーションの方法や営業のコツ、仕事で成果を出す方法などを学ぶ必要が出てきて自己啓発本やセミナー、研修などで学んでも一向に結果が出ないという人が多いのも事実です。
いくら本を100冊よんでもアプトプットをしていなければ知識として定着していません。
試しにこれまで読んだ本を1冊手に取ってみて、どんな内容だったか考えてみてください。
もし思い出せないようであれば記憶に残っておらず、何の役にも立っていないということです。
私たちの人生を変えるのはいかにアプトプットをするかなのです。
100の知識も使わなければ現実の世界は変わりません。もし本当に自分を変えたいのであれば、学んだことをアプトプットしていかなければならないのです。
アウトプットとは?
アウトプットが大事だと言っても具体的にはどういうことを言うのでしょうか?
ここでいうアウトプットとは
- 書くこと
- 話す・教えること
- 行動すること
のことです。
これらはいずれも「運動神経」と「筋肉」を使っており、運動神経を使った記憶は「手続き記憶」と呼ばれます。
手続き記憶は一度覚えると、期間が空いてしまってもほとんど忘れることはないという特徴があります。
例えば、数年ぶりに自転車に乗ろうとしても問題なく乗ることができたり、水泳を習っていた人は久しぶりに泳いでも泳くことができます(いわゆる身体が覚えているという感覚ですね)。
これは行動することで脳の大脳連合野という部分に情報が蓄積されているためです。そのため、このような行動による記憶というのは一度覚えたら忘れにくいという記憶があるのです
「書く」「話す・教える」「行動する」こうしたアウトプットはこうしたことから記憶に残りやすく、ずっと使える知識となり、あなたの成長につながるという訳なのです。
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2.結果に結びつくアウトプットの方法
ここからは今すぐできるアウトプットの方法について解説していきます。
2-1.学んだことを書く
1で英単語を書いて覚えるという話をしましたが、「書く」という行動は脳幹網様体賦活系(RAS)が刺激されるため記憶に残りやすくなります。
私たちの脳は1秒間に4000億ビットというすさまじい情報量を受け取っています。しかし、このRASというフィルターにより2000ビットまで絞り込まれており、必要な情報のみを処理しているのです。
例えば、あなたが「犬を飼いたい」と思っているとしましょう。そうすると人混みを歩いていたとしても犬を連れている人に注意がいくはずです。
しかし、犬を飼いたいと思っていなければ、そもそも犬を連れている人がいたかどうかも思い出せないでしょう。
このように脳幹網様体賦活系(RAS)により、google検索のように入ってきた情報を絞り込むことで重要な情報に注意を向けるという働きがあるのです。
「書く」という行為はこのRASを活性化させるため、「今書いているものは重要なことだ!」という注意を向けることになり、記憶に残りやすくなるのです。
パソコンでのタイピングでも効果はある?
書くことが大切と言うと、「パソコンで書いてもいいのでは?」と思われる人も多いかと思います。
最近は仕事でも手書きで資料を作るということはほとんどないので、パソコンやスマホで文字を入力することがほとんどでしょう。
マルセイユ大学とノルウェイのスタヴァンゲル大学では以下のような共同研究が行われました。
大人の被験者を「キーボード」および「手書き」のグループに分け、20文字のアルファベットの文字列を暗記してもらった。そして、3週間後と6週間後に、どれだけの文字列を覚えていたかをテスト。
結果、手書きのほうが記憶に残りやすいということがわかった。
研究からも手書きのほうが記憶に残りやすいことがわかりますが、それだけでなく、MRIで手書きとタイピング中の脳の動きをスキャンすると、手書きのときにはブローカ野という言語処理に関わる部分が活性化していることも明らかになりました。
このように、手書きのほうがより記憶に残りやすいということが明らかになっているので、効果的な学びを得たいのであればぜひ紙に書いてアウトプットしてみましょう。
2-2学んだことを話す・教える
人に話すことで自分の理解が深まった、という経験がある人も多いのではないでしょうか?
アメリカ国立訓練研究所の研究で、学習定着率を示す「ラーニング・ピラミッド」というものがあります。
これによると、「講義」や「読む」といった多くの人が行うインプットは記憶率が5〜10%と非常に低く、「人に教える」ことは90%と最も効果が高いとされています。
つまり、能動的な行動ほど記憶の定着率が高くなるということがわかります。
そもそも人に教えるには自分が理解していなければできません。
また、教えることで自分が理解していないことが明確になってきます。
学びをより理解するためには人に教えることをやってみましょう。
2-3.学んだことを行動する
学んだことを行動する、成長のためにこれほど大切なことはことはないでしょう。
ここでは、2-1、2-2であげた「書く・話す・教える」以外を行動することとします。
例えば、
- ビジネス書を読んで営業に取り入れる
- 自己啓発書を読んで明日からの行動を変える
- 栄養に関する本を読んで料理にこだわってみる
- 筋トレの本を読んで家で筋トレを始める
などいろいろあります。
まさに、「この記事を読んだあなたは明日からきちんとアウトプットする」これも行動ですね。
いくらアウトプットの方法を知っていても、実際に仕事や私生活でアウトプットをしなければ(行動しなければ)何も変わりませんし成長はしないでしょう。
もちろん、「知識」としてはあなたの頭の中にインプットされているでしょうが、あなたの現実の世界は何も変わりません。
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3.アウトプットを続けるための方法
アウトプットで難しいのは実は「続けること」です。
冒頭にも書きましたが、セミナーに1万人参加した場合、やるのは100人、続けるのは1人と言われます。それほどまでに物事を続けることは難しいのです。
これまで運動や英語の勉強を始めたものの三日坊主で終わったという人は山ほどいるでしょう。
私たちが行動を続けられないのは、人間に備わっている「ホメオスタシス(恒常性)」が原因です。
ホメオスタシスとは、アメリカの生理学者「W.キャノン」提唱した言葉で、人間は不安定な状態にさらされると安定した状態に戻ろうとする特性のことです。
つまり、アウトプットをしている自分はいつもの自分とは違うので、違和感を感じ元の自分(アウトプットしない状態)に戻ってしまうのです。
つい「自分は続けることはできない…」と落ち込みがちですが、これは人間の特性上仕方のないことです。
では、こうした特性を踏まえた上でどのようにアウトプットを続けていけないいのでしょうか?
3-1.達成のハードルを下げる
自己啓発本を読んで「行動量が大切だからテレアポを1日100件しよう!」とか、ダイエット本を読んで「1日3km走ろう!」というように、私たちは最初はものすごいエネルギーで行動を始める傾向にあります。
しかし、先ほどお伝えしたように、ほとんどの方が続けることができません。
それは、達成のハードルが高すぎることに原因があります。
「1日100本テレアポしよう」「1日3km走ろう」というのは、これまでほとんど何もしていなかった人からすると達成するのには非常にハードルが高いことです。
多くの場合、2〜3日は続くでしょうが、すぐに挫折してしまい、「やっぱり自分はダメだ…」と自己批判してしまうことになります。
ですので、例えば
- 1日10本テレアポをする
- ランニングウェアを着る
といったものだときっと達成することはできるでしょう。
これを見て「そんなので効果があるの?」と感じるかもしれませんね。
確かに、1日10本のテレアポは少なすぎるし、ランニングウェアを着るだけで痩せるはずはありませんね。
しかし、こんな経験はないでしょうか?
大して面白いドラマじゃないけれど最後まで見てしまう
これは「一貫性の原理」といって、私たちは一度始めたことに対して最後まで一貫性を持って行動しようとする心理状態なのです。
ですので、
10本テレアポできたからもう少しやってみようかな
ランニングウェアを着たからストレッチしてみようかな
というように、一度やり始めた行動に対して最後までやろうとする心理が働くのです。
これが習慣化されればきっと当初思い描いていた目標も徐々に達成できるようになるはずです。
なので最初から張り切り過ぎるのではなく、簡単にできるような目標を立てることで続けることをみてください。
3-2.結果を出したらご褒美を与える
「仕事で頑張ったから自分にご褒美をあげる」という人も多いかもしれませんね。
実際に目標を達成したり自分にご褒美をあげることは脳内の「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質が分泌され、さらにモチベーションが高まります。
3-1で達成のハードルを下げましょうとお伝えしましたが、このような小さな目標でも達成することでドーパミンが分泌されます。
より大きな目標を達成したときにはご褒美もぜいたくなものにするなど工夫すればやる気も持続します。
例えば
- 1日10分勉強できたらお菓子を食べる
- 問題集が1冊終わったら映画を見に行く
- 試験に合格したら海外旅行に行く
というようなイメージです。
ドーパミンが不足するとやる気が低下し無気力な状態になります。こうしたご褒美を用意してあげることでモチベーションを維持することができ、アウトプットを継続することにつながるのです。
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4.成長のためには行動の振り返りもしよう
ここまで紹介した方法を実践してみても「結果が出ない」というケースもあります。
それは、もしかしたら間違ったアウトプットをしているかもしれません。
結果を出すためには圧倒的な行動量が必要となりますが、行動しているのに結果が出ない場合は「結果に直結している行動をしているか」を振り返ってみましょう。
例えば、
- 毎日3km走っているのに痩せない
- 1日5時間勉強しているのに成績が上がらない
- 自己啓発書で学んだことを取り入れているのに契約が取れない
といった悩みが出るかもしれません(というか、うまくいくことのほうが少ないでしょう)。
ですので、アウトプットを続けても結果がでないときは以下のような振り返りが必要です。
- 行動の見直し
- 目標の見直し
シンプルですが、結果が出ないときはこれらのいずれかに原因があるので、どちらがうまくいかない原因なのか見直すようにしましょう。
うまくいかないのに進めていっても成長にはつながりません。定期的に行動の振り返りはするようにしましょう。
目標設定の方法については間違った目標設定では達成はできない:目標達成に必要な4つのことで詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
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5.まとめ
これまで学んできたのに結果が出ないのは、アウトプットをしていないからに他なりません。
もしアウトプットをしても結果が出ないのであれば、行動や目標を見直すようにしましょう。
正しい方法で行動し続けていればきっと結果はついてきます。それまでは粘り強くやってみるしかありません。