2018年4月段階では、安倍内閣主導のもと、厚生労働省が中心となって、「働き方改革」を実現する動きが加速化しています。これによって労働環境は大きく見直されるようになってきましたね。
注目されている労働環境のひとつが、「労働時間」です。
「営業で成果をあげる」ことや「素晴らしい製品を作る」という目標を達成するためには、残業を伴う長時間労働が容認されてきたのが、これまでの日本の文化です。
一方で、長時間労働の弊害が大きな社会問題になっています。
欧米では、「ワークライフバランス」を重視しているために、残業するのは仕事ができない人の証という価値観があります。このような考え方は、日本のビジネスシーンにも浸透しつつあります。
時間管理のテクニックは、今やビジネスパーソンにとって必須のスキルとなってきました。これが「タイムマネジメント」です。
今後の日本では、タイムマネジメントを上達させ、今までよりも短い時間で成果をあげていくことが求められていくでしょう。
もし現在、様々な業務に追われ大切な業務が中途半端になってしまったり、締め切りを守れなかったりといった問題を抱えているのであれば、今回の記事は役に立つでしょう。
効果的な方法を繰り返すことで、きっとタイムマネジメントを身につけることができます。
この記事の目次
1.タイムマネジメントができると人生が充実する
タイムマネジメントができることで
- 残業時間が減る
- 健全な体調を維持することができる
- プライベートの時間が増える
- スキルアップの時間を確保できる
といった多くのメリットがあり、結果的にはあなたの人生が充実したものになります。
うまくタイムマネジメントをすれば残業時間が減ります。そして、無理のない労働時間で働くことは、健全な体調を維持することにもつながります。
また、自分の時間を持つことができるのでプライベートでの自由な時間が増えることになります。習い事をしたり、趣味の時間に当てたり、心身ともにリフレッシュする時間を確保することができるわけです。
しかし、残業時間が少なくなった分だけ成果や生産性が落ちてしまったのでは、会社の業績は下がっていきますし、あなた自身のキャリアアップも難しくなるでしょう。
そのため、短くなった労働時間をいかに有効的に活用していくべきなのかを考え、実践していくことも大切です。
そこで、スケジュールを見直し、さらにスキルアップに努めるようになります。こういった努力が生まれるのも、タイムマネジメントのメリットです。
結果として、個人個人がビジネスパーソンとしてレベルアップすることで、チームや会社全体も成長を遂げることができます。
単純に法律に照らし合わせて労働時間を遵守することだけが、タイムマネジメントではありません。
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2.タイムマネジメントが下手な人の特徴
この記事を見ている人の中にはタイムマネジメントが苦手だと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そもそもタイムマネジメントが苦手(下手)だということは、仕事の効率が悪いということになります。そうなると成果をあげることが難しくなりますし、上司や会社からの評価も厳しくなるでしょう。さらにそのような姿勢では、後輩の指導もままなりません。
タイムマネジメントが下手な人に共通する特徴は、「時間にルーズである」という点です。
例えば、
- メールの確認ばかりに時間を割いてしまう
- 重要種類の提出の締め切りに遅れてしまう
- 睡眠不足で出勤時間に遅刻します
こうした傾向にあるのではないでしょうか?
逆に時間を気にせずに、しかも優先順位を考慮せず、ひとつの業務を際限なく取り組み続けるケースもあります。残業も苦にしないタイプですね。他の業務が滞り、やはり周囲に迷惑をかけることになります。
これは、ひとつひとつのタスクにどのくらいの時間がかかるのか把握できておらず、スケジューリングが曖昧で、効果的に取り組もうという意識が低い傾向があります。
また、余裕のないスケジューリングをして、突発的な業務が入って予定が狂ってしまい、重要なタスクが完了できないといった人も同様です。
タイムマネジメントが下手な人はこうした傾向にあります。次に、タイムマネジメントを上手に行うための方法について解説していきます。
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3.タイムマネジメントの方法・コツ
ここからは具体的にタイムマネジメントの方法をお伝えします。
3-1.タスクを細分化する
まずは、やるべき仕事を「細分化」していきます。
例えば、いついつまでに企画書を作成しなければならなかったとします。やるべきことは、この企画書作成を細かいタスクに分けていきます。
考えるべきことは、
- どのような手順で企画書を作成するのか
- ひとつひとつにどのくらいの時間を割くか
といったことを検討するようにしましょう。
そうすると、以下のようにやるべきタスクについてどれくらい時間がかかるかががわかります。
- アイディアを練る時間
- 過去に実際に取り組まれた企画を確認する時間
- アイディアを実現するために何が必要なのか調べる時間
- 相手に伝えるために文章化する時間
- 上司や先輩に相談する時間
といった感じです。これらを実際に落とし込むと以下のようなかたちになります。
ポイントになるのが、それぞれのタスクを完璧にこなすことを考えすぎないことです。
余裕を見て多めの時間をとるかもしれませんが、時間をかけ過ぎて締め切りに間に合わなかったら意味がありません。可能な限り短い時間で行うように設定しましょう。
時間制限をタイトにすることで、より集中力を発揮しなければならない環境になります。日頃から、自分の能力であれば、そのタスクを完了するのに、どのくらいの時間がかかるのか記録しておくのが有効的です。
3-2.入念なスケジューリングを行う
タスクを細分化したら、それをいつ取り組むのかというスケジューリングを行います。
タイムマネジメントが下手な人は、先送りにしたがる傾向がありますので、「いつ、何をやるか」といったことをスケジューリングをすることで、先送りを予防することができます。
その際、急に振られる業務も予想してスケジューリングをしましょう。
全体の労働時間の半分は何をするのか決めておきますが、残り半分は予備に当てます。突発的な業務が無い場合は、前倒しをして仕事を終わらせていくことも可能です。
そして、前日の夜には改めてスケジュールを見直しましょう。もし前倒ししたタスクがあるのであれば、修正が必要です。
前日にスケジュールを見直すことで、翌日の業務のイメージが湧きます。そして、当日はやるべきことの心構えができているので、朝から集中でき、行動しやすくなります。
タイムマネジメントのポイントのひとつが、この「朝の時間の使い方」です。脳が活性化されるのが午後よりも午前(朝)になるからです。タイムマネジメントが上手な人の特徴に、「朝型である」というのがあります。
そのため、重要な会議や書類の作成は、集中力の高まる午前中に予定しておけば素早く書類することができます。間違ってもだらだらメールの返信をしたり、お喋りに夢中になったりしないことです。
そして、早いうちに片付けておくことで、午後から急に仕事を振られても対応できます。
効率良くパフォーマンスを発揮するには、午前中の使い方が大切だということを知っておきましょう。
3-3.優先順位をつけてスケジューリングをする
やるべきタスクについてダラダラとこなしていくのはよくありません。
スケジューリングをする際には、「優先順位」を考慮することが重要です。前日の夜には、翌日の最も重要となる業務を認識しておきましょう。
スケジューリングの際の優先順位は以下の順番にしましょう。
- 最優先→緊急性が高く、重要性も高いもの
- 次に優先→緊急性は低いが、重要性が高いもの
- その次に優先→緊急性は高いが、重要性が低いもの
- 優先度が最も低い→緊急性も、重要性も低いもの
これはアメリカの有名経済コンサルタントであるスティーブ・R・コヴィーが、著書の「7つの習慣」で定義づけた時間管理のマトリックスです。
※7つの習慣(スティーブ・R・コヴィー)より引用
緊急性が高く、重要度も高いものは、「危機」や「問題」とも呼ばれ、クレーム処理といったトラブルの解決が多いため、なるべく緊急性が高まる前に対応しておきたい内容になります。
一番ウェイトを占めたいのが、「緊急性は低いが、重要性が高いもの」で、準備・計画や自己啓発の勉強などがまさにここに当てはまります。
これは、仕事をただこなすのではなく、より人生の充実感を高めてくれる部分なので、ここにかける時間を増やしていくのが理想的です。
そして、その日の中で仕事をこなす順番を考えることも重要です。
1日のスタートには、すぐに完了するようなタスクをもってくるのが有効的です。
やや気分がのらない日であっても、このような工夫をすることで、エンジンが少しずつかかっていきます。
優先順位の高いタスクに時間と集中力を割くことになりますから、ある程度他人に任せることができるタスクは、頼れる人に振っていきましょう。
自分が取り組んだ場合の成果の80%は達成できると思う人には、積極的に振っていきます。
さらに、タイムマネジメントが上手な人は、断ることも上手です。
優先順位を考えて、依頼されても断るべきタスクは断っていきます。一日のスケジューリングと、自分の能力を考慮しながら、決めるべきです。
何でもかんでも引き受けることは、重要度の高いタスクを確実に仕上げる障害にもなりかねません。
どうしても引き受ける必要があるのであれば、5分以内で完了できる見通しが立つのであればすぐに行動しましょう。時間がかかるようだと翌日以降に回して、改めてスケジューリングする必要があります。
3-4.PDCAで、タイムマネジメントは上達する
タイムマネジメントに限ったことではないのですが、成長し、スキルアップするためには以下のように「PDCA」を回すことがポイントになります。
- P→Plan「計画・スケジューリング」
- D→Do「すべき行動」
- C→Check「評価・振り返り」
- A→Action「反省を活かした後の行動」
入念に計画を立て、その通りに行動しても、上手くいかない点や予想外の結果が起こります。そこをしっかり振り返り、反省をして、次の行動に繋げることが重要です。
PDCA自体は知っている人も多いかと思いますが、タイムマネジメントを上達させるためには、このPDCAを日々愚直に繰り返していくことが大切なのです。そうすることで、スケジューリングのコツがわかってきます。
PDCAを回すことで失敗を成功に繋げていく習慣も身についていくでしょう。何より、「時間に対する見方や価値観」が変わってくるのです。
そして時間にも心にも余裕が生まれてきます。自分の人生に意義を感じる分野に時間を割くことができるようにもなってくるでしょう。より良い人間関係を構築時間や、自分の能力を高める勉強をする時間も捻出することができるのです。
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まとめ
このようにタイムマネジメントとは単純な時間管理ではありません。
日々の自分の行動を見つめ直し、改善点を探し、さらに充実して有意義なものにするためにあるのです。
アメリカでは、成果をあげるビジネスパーソンほど、ひとつひとつのタスクに費やす時間は短い傾向にあります。さらに、責任ある地位・役職者ほど、効率性を求め、しっかりと休暇を満喫します。
働き方改革によって労働環境に注目が集まっている今こそ、より効率よく、より成果のあがる働き方を追求していくべきです。
タイムマネジメントによって、日々のモチベーションは確実に高まります。ビジネスシーンでのグローバル化が目まぐるしい今日において、他国に負けないビジネススキルやマインドを身につけていきたいですね。