あなたはつい他人と自分を比べてしまう傾向があるのではないでしょうか?
- 他の会社のほうが楽しそうに見える
- 報酬が良いので羨ましく思える
- 他人の恋愛や家庭の方が幸せそうに見える
といった経験を持った人が多いかと思います。
人間社会で暮らしている以上、周囲とのバランスを取るために、人と自分を比べることは自然な行為ではあります。成功している人を見習うことも、負けたくないという気持ちで奮い立つことも悪いことではありません。
ただし、常に自分と周囲を比べる癖がついてしまうと、必要以上に自分を追い込み、自分を不孝の殻に閉じ込めてしまう可能性があります。
隣の芝生が青く見えるのは、実は表面的なものしか見ずに判断していることが多いのです。
それに対して激しく嫉妬したり、自己否定してネガティブになるのは、あなたの人生にとってマイナスしか生み出しません。
大切なことは、表面的な部分を比べるのではなく、自分自身を見つめることです。
今回は、人と比べる癖を直したいと感じている方にはぜひ読んでいただきたい内容になっています。人と比べる癖は、視点や考え方を変えることで、大人になってからでも直すことはできるからです。
この記事の目次
1.周囲の人と自分を比べてしまう心理(なぜあなたは人と比べてしまうのか)
1-1. 優越感によって自信を持ちたい心理
常に周囲と自分を比べてしまう人は、「自分に自信がない」傾向があります。
自分のやり方や自分の状況に対し、「これで本当にいいのだろうか?」と、常に不安を感じているのです。
この不安を払拭するために、周囲の人と自分を比べます。比較し、自分が優位な位置にいることを確認できて、初めて安心できるわけです。
つまり、自分に自信がないタイプは、優越感を得ることで自信を得ることができるといえます。
そのため、逆に自分が劣っていることを知ると、極端に落ち込みやすい特徴もあります。周囲と比較して、劣等感を抱きやすいのです。
人にはそれぞれ長所と短所があります。優れている部分とまだまだ未熟な部分があるのです。
他人の長所や優れている部分ばかりをうらやんで、自分の短所や未熟な部分ばかりを気にして比較していたのでは、とても苦しい人生を過ごすことになります。
そして、自分の本当の価値に気づかず、自分はダメな人間だと思い込むようになってしまいます。
このネガティブな心理状態は、「何の価値もない自分が成功することなどないだろうし、どうせ必ず失敗するだろう」という、新しい挑戦を阻害する要因にもなるのです。
1-2. 成長するための競争心理
人も生物である以上、生存競争に勝とうとすることは、なかば本能的なものだといえます。
競争相手を見つけ出し、その言動や成果を意識することは自然なことかもしれません。これが、他人と自分を比較する心理に繋がっていきます。
しかし、他人と自分を比較することが、常にマイナスに作用するわけではありません。ライバルから刺激を受けることで、さらに自分を高めようというプラスの方向に作用することもあるからです。
つまり「競争することで、自分を成長させる」といったポジティブな効果も期待できます。負けたことが引き金となって、どうすれば勝つことができるのか考えるきっかけになります。
もちろんこのような努力は大切です。
ただし、相手に勝つためだけの努力は、一時の優越感しか生まず、比較対象がどんどん広がっていき、やがて努力することに疲れ果て、努力することを否定するようになる危険性もあるのです。
人が成長するために、競争は大切な要素となりますが、競争相手が常に「他人」だと、つまらない優越感と劣等感しか育まないことになります。
健全に自分を成長させていくためには、競争相手の選択は重要です。競争は他人が相手でなくても成立するからです。
1-3. 目に見えるものを比べてしまう心理
人は、他人と自分をどんなことで比較するのでしょうか。この辺りをもっと掘り下げてみましょう。
NLP(神経言語プログラミング)では、人が無意識で行っている物事の捉え方を6段階に分けています(これを「ニューロロジカルレベル」といいます)。
その内、他人と自分を比べやすいレベルが下の3段階にあたる「能力」「行動」「環境」です。
つまり、人と比べる傾向にある人は
- 相手が何ができるのか、何ができないのかといった「能力」
- どんな仕事をし、どんな成果を出しているのかといった「行動」
- どんな学歴で、どんな役職で、どのくらいの年収なのかといった「環境」
こうしたことを比較することになります。
つまり、人は目に見える内容で、他人と自分を比べているわけです。そして、優越感を持ったり、劣等感に陥ったりします。
逆に、
- 相手がどんな「信念」を持っているのか
- どんな「使命感」で行動しているのか
- どんな「価値観」で判断しているのか
といったものは、他人からは見えにくいものです。目に見えないものは比較するのが困難になります。
「能力」や「行動」など、目に見えるものが本当に幸せに結びついているのでしょうか?
年収の高さや低さで、幸せは決まるのでしょうか。どんな仕事をしていて、どんな役職かで、幸せは決まるのでしょうか。学歴が高ければ幸せになれるのでしょうか。
目に見えるもので比較してしまう人は、こうしたことをよく考えなければなりません。
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2.人と自分を比べる癖を直す方法
2-1.自分自身を見つめよう
先ほど説明した「能力」「行動」「環境」という目に見えるもので他人と自分を比べる癖がついていると、どのようなデメリットがあるのかを考えていきましょう。
自分に自信がないため不安になり他人と比べたがるわけですが、この結果によって強いコンプレックスが生まれます。
学歴のある人は幸せになり、学歴のない自分は幸せになれない
年収の高い人は幸せになるが、年収の低い自分は幸せになれない
こうしたネガティブな発想が、事態をさらに悪化させることになります。
他人と比べて自分の欠点ばかりに注目してしまう人は、うつ病になりやすいという傾向もあります。
人と自分を比較することが習慣化されている人は、少しずつ自分の思考や視点を変えていく必要があります。
それにはまず、他人と自分を比べる以上に、「自分の現状に対する感謝の気持ちを持つ」ことです。
自分の長所や優れている部分に目を向けましょう。小さなことでも構いませんし、短所を別な視点から見て、ポジティブに受け止める「リフレーミング」してみることも効果的です。
例えば、「他人の目をすぐに気にする」という短所は、「視野が広い」、「感受性が豊か」、「客観的に自分を見つめられる」という側面もあります。このように肯定的に自分を受け止めるのが、リフレーミングです。
以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
そして、自分を支えてくれている存在に目を向けます。
いろいろなことを話できる友人や、あなたのことを大切に思ってくれている家族、そしてあなたの価値を認めてくれているパートナーといった、恵まれた環境に感謝する気持ちを持ち続けることです。
このような内容を書き出してリストアップすることで、ポジティブな気持を維持することができ、他人よりも自分自身に目を向けることができるようになります。
つまり、人と自分を比べる癖を直す最大のポイントは、「人は人、自分は自分という割り切った考え方」ができるかどうかなのです。
本当に目を向けるべき対象は、他人ではなく、自分自身です。
競争は確かに人を成長させることに欠かせない要素です。しかし、競争相手は「他人」でなければならないわけではありません。
昨日までの自分、過去の自分を競争相手にすることもできます。そして、失敗を焦らずに反省し、成功に結び付けていきます。
今の自分を受け入れ、自分の成功にもしっかり注目することで、人と比べることで得られる幸せではなく、自分の幸せを見つけることができ、他人の成功を嫉妬することなく、祝福することができるようになるのです。
2-2.目に見えないものに価値を見つけよう
1-3でもお伝えしましたが、「能力」や「行動」など、目に見えるものは、どうしても人と自分を比べがちになります。
だからこそ、自分自身に目を向ける際には、目に見えない部分に注目するのです。それが「信念」や「使命感」、「価値観」などになります。
企業にはそれぞれ企業理念やモットーなどがありますが、それとは別のものです。
自分の「人生の意義」であり、「志」になります。これは人と比べられるものではありません。また、自分だけが感じられるものであり、人から強制されるべきものでもありません。
そんな自分自身を充実させるための目標に対して、現状の自分はどうなのか、どんな努力が必要で、どんなチャンレンジをしていくべきなのかを考えられるようになると、人と自分を比べる癖は直っていくでしょう。
そして自分自身への評価は高まっていき、周囲と比較しなければ不安になるという気持ちも解消されていきます。自信を持つことに、人と比べて感じる優越感など必要なくなるのです。
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【動画で解説】人と比べてしまうあなたへ
ここまで人と比べない方法について紹介しましたが、最後に動画でも詳しく解説しているものを紹介します。
さらに深堀りして紹介しているので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
隣の芝生が青く見えるのは、表面的な部分しか見えていないからです。
いくら幸せそうに見える恋人同士も家族も、あなたの知らない悩みを抱えていたりします。完璧な人生を送っている人など誰もいません。
表面的なもので人と自分を比べて、勝ち負けを判断する人生の結末に幸せはありません。本当の幸せは、人と比べて生まれる優越感や劣等感とは別なものだからです。
ぜひ、今の自分をしっかり見つめていきましょう。人と自分を比べる性格も受け入れてあげます。失敗しても責める必要などありません。じっくりでいいのです。あなたの信念や志がまっとうできる人生を、前向きに進んでいけば、それで必ず幸せを感じることができます。