グローバル化の進行、AIの導入、IT分野の成長などによって社会や世界経済はこれまでにない勢いで急速に変化しています。
この変化に対応できる人材を育成するため、多くの企業で「コーチング」が導入されるようになりました。
また、働き方の見直しや人生を考えるという意味でも、個人的に社員や自営業の方がコーチをつけているケースも増えてきています。
上記のようなケースでコーチングを導入することは効果的なのですが、コーチングは、どんな場面でも、どんな相手にでも効果があるというわけではありません。
本当に必要としている人にコーチングを施すことでこそ大きな効果が期待できるのです。
今回はコーチングの必要性と共に、コーチングが必要な人、コーチングが必要ではない人の特徴をお伝えしていきます。
この記事の目次
1.なぜコーチングが必要なのか?
1-1. コーチが行うこと
コーチングはコーチングする側(コーチ)と、コーチングを受ける側(クライアント)に区別されます。
基本スタイルはコーチとクライアントによる1:1の対面型の会話方式です。
コーチングにおいては、コーチがクライアントに対して何かをアドバイスするわけではありません。
これは後で説明する「ティーチング」になるからです。
コーチは以下の方法により、クライアントが本当に達成したいことを「引き出し、行動に導く」という役割を果たします。
・質問:アドバイスではなく、クライアントに自分で考えるように質問をする
・承認:どんな感情や発言があっても、クライアントをあるがまま受け止める(存在承認)。クライアントの行動や結果についても承認する
そうすることで、クライアントはビジネスシーンだけではなく、プライベートシーンでも変化に柔軟に対応できるようになるのです。
それでは、コーチングにはどのような具体的な効果があるのでしょうか?
1-2. コーチングの効果
コーチングは「教える」ということはしないため、「本当の問題は何なのか」「どうすればその問題を解決することができるのか」ということをクライアント自身で考え、行動できるようになります。
コーチングによる傾聴でクライアントは自らと向き合い、質問によってその解決策を自ら考えるようになります。それにより、クライアントの内側で大きな変化が生まれます。
目をそらしたくなるような自分自身と向き合うことになるかもしれませんが、コーチングの承認によって勇気を持って立ち向かい、受け入れることができるようになるのです。
こうしてクライアントは自らの足で前進し、なりたい自分やかなえたい目標の達成に近づいていくことができます。
結果として、コーチングによって以下のような効果が生まれます。
- 問題点や目標と共に、何をすべきかが明確になる
- 自己解決能力が身につく
- 相手のモチベーションを高めるコミュニケーションのコツがわかる
- マネジメント能力やリーダーシップを高めることができる
自ら考え行動する力がつくことで、どのような変化であっても柔軟に効果的な対応がとれるようになるのです。まさにこれからの時代に必要とされる人材だといえるでしょう。
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2.コーチングが必要な人
では、コーチングは必要な人について見ていきましょう。
2-1.ティーチングでは効果がないケース
先ほどコーチングは「教える」ということはしない、とお伝えしました。これは「ティーチング」と呼ばれるものです。
コーチングがクライアントから「問題解決の方法を引き出す」のに対し、ティーチングは一方的に「問題解決の方法を与える」という真逆の対応になります(ティーチングは研修や学校の授業のようなイメージです)。
どちらがいいかは、扱う内容や相手の状態によって使い分ける必要があります。
それではティーチングでは効果がない(コーチングが必要)のはどのようなケースなのでしょうか?
例えば知識もあり、業務経験も豊富な中堅・ベテランなどが該当します。
彼らは問題の解決方法を本当は知っています。経験やキャリアがプライドを高くし、問題点を見えなくさせているのかもしれません。
日々同じことを繰り返し、マンネリ化しているために成長が実感できずにモチベーションが低下している可能性もあります。
この場合、一番大事なことは「気づき」です。
自分の本当の問題点に気づくことができれば、解決策を編み出す知識も経験もあるので飛躍は進むでしょう。
逆にそれに気づかない限り、いくら経験を積んでも知識を蓄えても問題は解決せず、目標は達成できないかもしれません。
一方的な説明やアドバイスではその気づきを生み出すのは難しいため、ティーチングよりもコーチングが効果を発揮します。
2-2.コーチングの効果が高い人
コーチングの効果が高い人には共通点があります。
以下のような人はコーチングを受ける価値は充分あるでしょう。
- 自分を絶対に変えたいという強い思いがある
- 達成したい目標を具体的に持っている
- 現在就いている職種の経験や知識を積んでいるが、まだ何か足りないという自覚がある
例えば、次のような場合は間違いなくコーチングが適しています。
まさにコーチングの効果が高い条件をすべてそろえ持っています。
実は自分の成果ばかりを追い求めているために、仲間への協調性が欠けているかもしれません。そうであれば、ひとりよがりでチームとして機能していないために、結局は成果を出すこともできなくなっているのが一番の問題です。
コーチングで自分の思いやこれまでの出来事を話し、改めてそんな自分自身を見つめることで問題や解決策が見えてきます。
なぜ良好な人間関係が築けないのか、その原因は幼い頃の失敗体験や思い出したくもないような経験というケースもあります。
自分ひとりではとても抱えきれない問題に直面する可能性もありますが、コーチに話しをすることで整理され、自分の弱さと向き合い受け止めることができるようになっていきます。
このように問題を解決する鍵は自分の内側にあるのです。
本気で目標を達成したいのであれば、コーチの協力によってその鍵を手にすることができます。
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3.コーチングが必要ない人
一方、コーチングが必要ない人はどのような場合でしょうか。
3-1.ティーチングの方が効果を発揮するケース
一方でコーチングよりもティーチングの方が効果を発揮する場面があります。
例えば何の知識も経験もない新人など、知識が必要な人に対してはまずは教えることが必要となります。
これをコーチングで引き出そうとしても、もともと知らないのですから見つかることはないでしょう。
新人全員を集めて一方的に伝えた方が効率も良いのは間違いありません。
いくら人生経験が豊かでも業務の知識がなければコーチングしても仕事のスキルは上達しません。
このように「答えを持っていない相手」にコーチングをしても意味がありません。
コーチングで成果を出すためには、まずはティーチングによって手法を伝え、実際に経験を積ませて成功体験や失敗体験をしてからです。
つまり一定のレベルまで引き上げるためにはティーチングが必要となり、そこから突出した存在に成長するためにコーチングが必要だと考えればわかりやすいでしょう。
また期限がとても短く、とにかく短期間で最低限の成果を出さなければならない場合もコーチングよりティーチングが効果を発揮するでしょう。
それは、コーチングは目先の課題を解決するというよりも、中長期的に達成したい目標について扱うからです。
ただし、ティーチングを続けていくと受け身で仕事をする意識がどんどん強まり、自分で変化に対応したり、新しい問題を解決しようとする力は衰えていきます。
ですから早い段階でティーチングを受ける状態から卒業し、コーチングを受ける段階へ進むことが成長のためには重要なのです。
3-2.コーチングの効果が低い人
経験や知識があってもコーチングの効果が低い人がおり、ここにも共通点があります。以下のような人は、コーチングは機能しないでしょう。
- 現状に満足しており、まったく変化を求めていない
- ただ生活するために働いているだけで、将来の目標がない
- 他力本願で依存心が強い
例えば、会社の指示で半年間のコーチングを受けることになったが、仕方なく受けるだけであって、できれば時間を費やしたくない。特に目標があるわけでもなく、向上心もない。
また、きっとコーチングを受ければ、コーチが何か提案してくれて、特に自分が努力しなくても自然に何かが変わるんだろうと考えているような場合、自分と本気で向き合う気持ちがありませんから何の気づきも生まれません。
本音でコーチと話しをしようとすることもなく、表面上の差し障りのない会話をするだけで時間が過ぎていきます。
それでいて何も変わらないとクレームをつけたり、批判したりするケースもありますが、自分自身が変化を望んでいないのであれば変わることはできないのです。
「自分はどうなりたいのか」「どんな目標を達成したいのか」「どんな問題を解決したいのか」それを具体的にしておくとコーチングは効果を発揮します。
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まとめ
目指すべき目標があり、どうしてもその目標を達成したいが、どうしてもそのために何が必要なのかわからないという人はたくさんいます。そしていつの間にかその目標を諦めてしまうのです。
こういった状況を打開するためにコーチングはあります。「成長したい」「変わりたい」という気持ちがあるのならば、コーチングは必要です。
ぜひ信用できるコーチを探して、コーチングを受けてみてください。良い方向に自分が変われば、必ず成果も、未来も変わってきます。