「このままの自分ではダメだ。何としても自分を変えたい!」
そうは思うものの、「実際の行動に移せない」「変わりたいけど変われない」という悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
人はどうして簡単に変わることができないのでしょうか?
そして、どうすれば変わることができるのでしょうか?
実は人はそう簡単に変わることができません。むしろ変わらないということは普通のことなのです。
この問題を解決するためには、「自分の潜在意識とどう向き合うのか」がポイントになります。
今回は変わりたいけど変われない理由と、絶対に変わるための方法について詳しくお伝えしていきます。
この記事の目次
1.あなたが変わりたいけど変われない理由
1-1.実は本気で変わりたいと思っていない
変わりたいけど変われないはずばり、「実は本気で変わりたいと思ってない」からです。
そう聞くと「そんなことはない。変わらないといけないと思っている!」と反論する声が聞こえてきそうです。
どんな自分を変えたいのか、いくつか例を挙げてみましょう。
- 粘り強さがなく、すぐに諦めがち
- 自分の意思を貫けなく、周囲にすぐ流される
- 自制心が弱く、目先の欲求にすぐ負けてしまう
- 率先して意見を述べたり、周囲を引っ張っていくのが苦手
- すぐにネガティブな思考になってしまい、意欲的にチャレンジできない
- 他人と自分をすぐに比較してしまい、落ち込む
もちろん他にもいろいろなケースがありますが、問題なのはそんな自分でもこれまでなんとかなってきたという事実です。
目標を達成できていなかったり、成果が思うように出なかったり、ストレスを感じることがあったり、自分自身に不満を感じることはあったでしょう。
しかし、生存の危機までは感じていなかったのではないでしょうか。
つまり、本気で変わらないといけない状況には追い込まれていなかったということです。
そうであれば、変わりたいと思っていても、心の奥底にある潜在意識では「変わりたいと思っていない」可能性が高いのです。
ではなぜ「変わりたい」と思っていても潜在意識では「変わりたいと思っていない」のでしょうか?
1-2. 潜在意識は現状維持を優先してしまうから変われない
潜在意識とは「無意識」とも呼ばれ、無意識的に行ってしまう行動や思考のことをいいます。
潜在意識は過去の記憶や癖、思考習慣が積み重なってできているものであり、人は気づかないうちに潜在意識の影響を受けています。
こうした潜在意識は意識できない部分なので、自分自身では気付くことができません。
実に私たちの脳の9割以上がこの潜在意識によって働いています。
そのため、いくら「こうなりたい!」と1割の意識だけで思ったとしても、潜在意識によって今の自分を変えることはできないのです。
これは「無意識90名 対 意識10名」で綱引きをやっているようなもので、無意識が圧倒的な勢力を持っているため、結果的に引っ張られてしまうのです。
変われない理由を聞いて、「生存の危機?そんな大げさな!」と思った方もいるかもしれませんが、潜在意識は安全と安定を求める結果、現状維持を優先しようとするのです。
私たちの祖先が過酷な生存競争の中を生き抜いてこられた要因に、リスクをイメージすることができた点が挙げられます。
見知らぬ暗く深い森に入れば、道に迷うかもしれませんし、どこから襲われるかわかりません。
つまり、リスクを冒すよりも、安全な場所にとどまっていた方が生き残れる確率が高いのです。
これは私たちの本能であり、潜在意識に深く刻み込まれています。
ですのでよほどのことがない限り、潜在意識が変化を求めることはありません。これは人間として仕方のないことなのです。
むしろ次のような理由をつけて、今の自分が変わることを阻止しようとするでしょう。
- もうこんな年齢だから無理だろう。
- 今は体調が悪いからやめておこう。
- 余計なストレスが増えるかもしれない
- それよりも目先のタスクを片付けなければならない。
潜在意識の影響を自然と受け、このような理由づけをして、結局これまでの自分を変えられずに過ごしていくことになるのです。
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2.変われなくても自分を責めない
このように潜在意識では変わりたいとは思っていないわけですから、簡単に自分を変えることはできません。
しかし、なかなか行動に移せない自分や、理想通りには変われない自分自身に対し、じれったさを感じることもあるでしょう。しかし、そんな自分を責めてはいけません。
「やっぱりだめだ」「どうして変われないんだ」といったネガティブなセルフトーク(自分自身への声がけ)を繰り返していくと、セルフイメージ(自己評価)は自然と下がってしまいます。
すると、チャレンジする前から「自分には無理だ」と判断してしまう癖がついてしまうのです。自分で自分の可能性を潰してしまいます。
例え現状が、理想のような状況ではなかったり、多少の不満やストレスを感じる状況であったとしても、慣れてしまえば潜在意識はそこを安全で安定した環境だと判断しています。
それが人間にとってごく自然な反応なのです。
そこで自分の潜在意識を無視したり、突き放したりせずに、向き合って受け止め、付き合っていく心がけが大切になります。
焦ってしまうとどうしてもセルフイメージが低下してしまうことに繋がり、悪循環に陥りますので、自分を変えていくには、「辛抱強く」「じっくりと」が合言葉です。
潜在意識が安定を求めるからといって、自分を変えられないわけではありませんし、諦める必要はないのです。
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3.変わりたいけど変わるための具体的な方法
ここまでの話を踏まえ、「変われないんだったら仕方ない」ではなく、「どうやったら自分を変えることができるのか」を詳しく紹介していきます。
3-1.コンフォートゾーンから出るための工夫が必要
自分を変えるためには、まずはあなたが「コンフォートゾーン」から出なければなりません。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、「コンフォートゾーン」とは居心地のよい安全で安定した領域のことです。
変わりたくても変われない人は、結局今の居心地がよくて変われないでいます。
ですので、今悩みがあるものの、それほど大きな失敗もなく自分の現状の能力で対応できるため、不安なく日々を過ごすことができるのです。
まさにこれは潜在意識が求めている領域であり、何も変わらない今の自分がいる領域です。
このコンフォートゾーンの外側には「ラーニングゾーン」というものが広がっていますが、変わるためにはこの領域に踏み出さなくてはいけません。
ここには、現状の能力で対処できない問題があります。
これまで成功してきたやり方を変えることにもなるでしょうし、失敗するというリスクも高くなります。
ただし、このラーニングゾーンに身を置くことで、新しい環境に適応していくことで、成長することができ、自分が変われるという大きなメリットがあります。
「本当に自分を変えたい!」と望むのであればこの領域(ラーニングゾーン)を目指していかなければなりません。
では、どうすればコンフォートゾーンから出て、ラーニングゾーンに踏み込むことができるのでしょうか?
3-2.習慣を変え成功体験を積む
自分を変えていくために大切なことは、習慣を変え、少しずつ成功体験を積んでいきコンフォートゾーンから脱出していくことです。
あなたは一気に自分を変えようとして挫折してしまった経験はないですか?
急に習慣を変えようとしても潜在意識が安全な状態に戻ろうとして、結局元の自分に戻ってしまいます。
今までの習慣を少しだけでも変えることで、「自分を変えても問題ない」「新しい環境に踏み込んでも心配ない」と潜在意識 に認識させていくのです。
自分を変えるための習慣として次のようなものがあります。
- 毎日朝晩ストレッチなどの準備運動をする。
- 夕食以降には間食しない。
- 会った人には自分から先に挨拶する。
- 寝る前に感謝した出来事を日記に書く。
- 自分の長所にも目を向け、ポジティブなセルフトークを意識する。
成功体験といっても大きなものではなく、このような小さなことで構いません。
少しずつ取り組むことで、新しい習慣にも慣れていきますし、変わっていく自分を実感することができ、自信もついてきます。それが大きな変化につながっていくのです。
ただし、無理なことをしてしまうと、ラーニングゾーンのさらに外側に広がる「パニックゾーン」まで飛び出してしまいます。
ここは自分の能力では遠く及ばない問題ばかりになるので、精神的な負担が激しく、絶望や失望のため精神的な疾患に陥ってしまう危険性があるので注意が必要です。
3-3.環境を変える
環境を変えることで、これまでのマンネリ化した状態も変えることができます。
こうすることでコンフォートゾーンの外に出ることに強制力をかけることができます。
環境の変え方としては例えば、
- 他の部署の人の仕事を手伝ってみる。
- セミナーなどに参加してみる。
- ポジティブな考え方、生き方をしている人と親交を深める。
- 引越しをして新しい場所で暮らす
- 転職をする
といった方法があります。
環境を変えるとあなた自身も変わらなくてはならなくなるため、非常に強力な方法といえます。
ただし、これについてもあまりにも無理をしているなと感じたら、見直しは必要でしょう。
3-4.コーチングを受ける
「今の自分を変えるための効果的な習慣を身に付けたい」「生活に支障がない範囲で環境を変えたい」「どうしても自分を変えることができない」というのであれば、コーチングを受けてみるという方法もおすすめです。
もちろんお金がかかり、ある程度期間も必要になりますが
- 自分がどう変わりたいのか
- なぜ変われないのか
- 変わるためには何が必要か
といった具体的な内容についてコーチのサポートを受けることができるので、早く確実に変わることが期待できます。
コーチングとは、質問と傾聴によって、クライアントに気づきを与え解決策を見出すものです。基本的にコーチはアドバイスはしません。解決法を考えるのもクライアント自身です。
「そのために今からやるべきことは何でしょうか?」
「あなたの行動を妨げているものはなんでしょうか?」
こうした質問を行っていくことで、クライアントは内側に向き合うことができ、自分の持つ可能性に気づくことができるのです。
やってみるとわかりますが、自分で自分に質問するのと他人から質問されるのとでは出てくる答えは全く違ってきます。
コーチングを受けることでクライアントは自然と自主性を高めていくことができ、自発的に考え、動けるようになります。
そして、モチベーションも高まり、どんどん自分を変えていくことができるのです。
コーチングによって「なぜこれまで変わりたくても自分は変われなかったのか」に気づくことができるでしょう。
一般的には目標を立てて、そこに向けて自分を変えようと決意するものですが、実は現実的な目標は「今のままの自分でも、頑張れば達成できる」となりがちです。
これでは自分を変えようという働きかけにはなりません。
コーチングでは「とにかくやりたいこと」「達成の道のりはまったくわからないような大きな目標」をゴールに設定します。これが自分を変える大きな動機になるのです。
コーチングについては【図解付き】コーチングとは何か?その全てをわかりやすく解説しますで詳しく解説していますのでこちらもご覧ください。
3-5.揺れ戻し現象を乗り越えるアファメーションを行う
実際に自分が変わり始めると、「本当に変わって大丈夫なのか」という不安に襲われたり、「そこまでして変わる必要があるのか」という身近な人の声がけによって気持ちが揺らぐ瞬間があります。
これは潜在意識が変わることのリスクを心配し、元に戻ろうとしているのです。これを「揺れ戻し」と呼びます。
これを乗り越えるためには、自分自身の変化をどこまで信じられるかが重要です。
こうした場合では「アファメーション」を行うことが効果的です。
アファメーションとは、自分への肯定的な宣言のことをいいます。
願いや希望をイメージするだけでなく、実際に言葉に表すことで、自分の無意識に働きかけることができます。
例えば
「私は誰にでも優しく接することができる」
「私は困難なことにチャレンジすることができる」
というようなポジティブな宣言を自分に対して行うことで、潜在意識に順調で不安はないということを刻み込んでいくのです。
先に述べたように、人の脳の情報処理は90%が潜在意識によって行われます。
潜在意識は私たちが幼いころの経験によって積み重ねてきた非常に根深い意識であるため、そう簡単に意識を変えることはできません。
ですので、自分を変えるための習慣として、アファメーションを採り入れていくことは潜在意識を書き換えることができ、非常に効果的な方法です。
「本当に効果あるの?」と思われる方もいるかもしれませんが(実際に私たちのクライアンとにもそういう方がいましたが)、イチロー選手や本田選手をはじめとしたスポーツ選手や、ビジネスで成功を納めた人など何かを成し遂げた人は当然のように行っています。
もちろん一朝一夕で効果が出るものではありません。まずは朝晩毎日1ヶ月からやってみましょう。
きっとあなたの意識に大きな変化が起こるはずです。
アファメーションの具体的な方法についてはアファメーションで願いを実現させる方法と実践するときの注意点もぜひご覧ください。
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まとめ
このように自分を変えるためには、遠回りに思えても少しずつ取り組んでいく感覚が大切になります。すると潜在意識の不安を解消しながら前に進んでいくことができるのです。
小さな工夫や努力の積み重ねによって確実に自分を変えることはできます。
ただしやみくもに「とにかく今の自分を変えたい」というのは、ゴールが設定されていないので変えることは難しくなるでしょう。この場合は、コーチングを受けて適切なゴールを設定するのがおすすめです。外部の協力も上手く活用していってください。
反発するのではなく、自分の潜在意識を上手く受け止めながら、じっくりと理想の自分に向けて自分を変えていきましょう。