部下をダメにする叱り方・やる気にさせる正しい叱り方

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最近は「叱る」という行為がとても難しい時代になってきています。

これは子供たちを指導する立場にある教師にとっても難しい課題です。上手く叱ることのできない教師も増えてきているのです。
ですので職場で上司が部下をどうやって叱ったらいいのかわからないというのは、ごく普通の悩みなのかもしれません。

特に最近では、叱り方によってパワハラと受け止められる危険性もあります。
こうなると叱られた側よりも、叱った側の方が問題視されることになるのです。

とはいえ、パワハラのリスクばかり考えて叱らないのでは部下はなかなか育ちません。

しかし、実際には感情に任せて間違えた叱り方をしている方が多いのも事実です。本当に部下の成長を願うのならば、「正しい叱り方」を身に付けていかなければならないのです。

今回は、正しい叱り方を知りたい人にぜひ読んでいただきたい内容になっています。
ポイントを押さえて、部下を上手に育成できる上司を目指してください。


1.正しく叱ることの重要性

そもそも、なぜ正しく叱ることが重要なのでしょうか?人は叱られないと、どうなってしまうのでしょうか?

例えば、社会人で叱られるケースは以下のようなものが上げられます。

  • 遅刻など時間や期限にルーズ
  • 同じミスを繰り返す
  • 指示を聞いていない
  • 会社の信用を失うような対応をしている

一般的には、叱られるのは、社会人としてのマナーが身に付いていないことが要因に挙げられるのです。そうなると、新入社員を含めた経年数の若い社員が叱られることが多くなります。

もし、ここで誰も叱らなかったら、この社員は自分の行為が間違えていることに気が付かないかもしれません。

気が付かなければ、同じことを繰り返すことになります。これは本人にとっても大きな損失ですし、会社にとってもよくないでしょう。

「だったら、別に叱らなくても、優しく指摘するだけでいいのでは?」という意見もあります。

確かに指摘するだけで、相手は自分のミスに気付くことはできるでしょう。

しかし、社会人になって叱られるほどの失態をしているのです。
もしかしたらこれは習慣化している可能性があります。本人が本気で変わろうとしない限り、改善されないかもしれません。

つまり相手を本気で変わらせようとするためには、それを指摘する側も本気で臨む必要があるのです。

強い口調にもなるでしょう。それが叱るということで、相手の将来を思えばこそ叱るのです。

叱るという行為には「相手を本気で自分自身の問題と向き合わせる効果」があります。

上司が叱ることをおろそかにすると、部下は多少手を抜いても問題ないと勘違いし始めるかもしれません。
もしかすると、自分の成長に対して上司は無関心なのではないかと疑心暗鬼になる部下も出てくるかもしれません。

正しく叱るということは、相手を健全な方向に導く大切な指導です。

正しく叱られることで、人は自分の問題を本気で解決しようと考えます。
自分の成長に本気で係わってくれている人の存在に気づき、感謝する気持ちも生まれてきます。

「叱ると嫌われるかもしれないから叱れない」と考えているのならば、それはまだ本気で部下の成長を願っているわけではないのかもしれません。

部下の顔色ばかりをうかがっていても、部下はいつまでたっても一人前にはなれません。あなたも上司としての役割をまっとうできていないことになります。

部下を本気で成長させたいのであれば、正しく叱る必要があるのです。

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2.人格を否定する叱り方はやってはいけない

よく聞く言葉に「叱ると怒るは違う」というものがあります。
相手を成長させるためには、「怒るのではなくて、叱ることが大切」ともいいます。

一般的には、「感情をむき出しに叱る=怒っている」と言われています。

では、なぜ感情をむき出しで叱ることがNGなのでしょうか?

叱っている側がとても感情的になっていると、部下の立場や考えなど気にせずに一方的に批判する感じになります。
これでは逆効果になる危険性があるのです。

怒りをそのまま相手にぶつけてしまうと、相手の人格を否定するような発言になってしまいがちです。

  • 何度言ったらお前はわかるんだ!
  • だからお前はダメなんだ!

といった内容です。

あなたはこのような叱り方をしていないでしょうか?

これだと「行動がダメ」だったということ以上に、「自分がダメ」なんだというように受け取られてしまいます。

自分の人格を否定されているわけですから、当然のように上司への不信感が募るでしょう。行動を反省するきっかけではなく、上司と部下の信頼関係を壊すだけになってしまいます。

同様の理由で「他者と比較して叱る」こともNGです。

「彼はできているのに、なぜお前はできないんだ!」という内容もやはり人格の否定に繋がるからです。

間違った叱り方を何度繰り返しても、意図した結果には結びつけられません。

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3.部下のやる気にさせる正しい叱り方

それでは正しい叱り方というのは、どのようなものになるのでしょうか?

まず根底にあるのは、「相手の成長のために叱る」ということです。叱るという行為が、部下への愛情の延長線上になければ、伝えたいことも伝わりません。

頭ごなしに怒鳴ったり叱りつけるのではなく、「相手の意思を尊重する」ことは忘れてはいけません。

叱る目的は部下に「自分の言動が間違っていたと気づかせて、自主的に改善していくように促す」ことです。

叱っている中で、原因と対処法は部下に考えさせ明確にしましょう。
そのためにも「質問」することは効果的です。

  • なぜそうなったのか
  • 今後はどうすればこの問題を解決できるのか

こうした質問を問いかけることで、部下は今後ミスを犯さないための行動を考えるようになります。

ただし、どのような展開であっても、叱られている側はやはりネガティブな気持ちになります。

いくら冷静に叱られても、その後すぐに切り替えて「よし前向きに頑張ろう」とはなかなかなりませんよね?

そこで、叱りつつも「褒める」という要素も盛り込みます。

叱っているのに褒めて効果があるのか?と疑問を持たれると思いますが、伝え方としては以下のような感じです。

この大事な時期に遅刻し、周囲に迷惑をかけたことは大いに反省すべきだ。
しかし、お前が今回のプロジェクトに向けて誰よりも頑張っていたことは、私はとても感謝している

ポイントは、改善すべき点をはっきり伝えながら、ここまでの努力も認めてあげることです。

そうすることで部下は改善しつつ、次も頑張ろうという気持ちになります。やる気を大きく低下させることはありません。

また、他者と比較しながら叱ることはNGですが、部下が目指している人物像と照らし合わせて叱ることは問題ありません。

「なりたい自分と比較してどうなのか」という問いかけも、改善しなくてはいけないという気持ちを強く持たせることができます。

最近の若い人は自己成長意欲が強い傾向にあり、その話が自分の成長に繋がると実感してもらえれば、反発せずに受け入れてくれます。

感情的になることなく部下の成長に繋がるような叱り方を意識しましょう。

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4.叱るときも褒めるときも「意識レベル」に目を向ける

ここまで色々お伝えしましたが、叱るときも褒めるときも「意識レベル」に目を向けると基本的には良いでしょう。

NLP(神経言語プログラミング)という言葉を聞いたことがある人は少ないかもしれませんが、この中で「ニューロ・ロジカル・レベル」とよばれる意識モデルがあります。

ニューロ・ロジカル・レベル、人の意識は高いレベルから「自己認識」「信念・価値観」「能力」「行動」「環境」と5段階の階層になっています。

ニューロロジカルレベル

部下を叱ることや褒めることは、これらの中のどこに向けて発せられているかによって、効果が異なります。

2で部下を叱る時に人格を否定することはNGだとお伝えしました。

これはその人の「自己認識」「信念・価値観」「能力」という上位の概念について否定してしまっており、意識の深い部分に影響を与えてしまうことになります。

例えば、仕事の中に発注のミスを繰り返して叱る場面があったとします。

ここでは

「能力」の面に注目して叱る→そんなこともできないのか!
「信念・価値観」の面に注目して叱る→お前は考え方は本当にダメだな
「自己認識」の面に注目して叱る→お前は本当にダメな奴だ!

というように部下の人格を否定するような言い方になります。

これらの面を強い口調で責められると、やったミスに対してではなく、「部下自身」を否定してしまっているので精神的に病んでしまうこともあります。
パワハラといった問題も発生してくるかもしれませんし、部下が会社を辞めてしまうこともあります。

叱る際には、「行動」と「環境」に向けるようにします。

「行動」の面に注目して叱る→ミスが続いているから気をつけなさい
「環境」の面に注目して叱る→机が汚いから綺麗にしなさい

となります。

先ほどと比べてどちらが聞き入れたくなりますか?

叱られても、精神的なダメージは致命的なものにはならないので、「どうすればミスを減らせるか?」という方向に意識を向けることができるようになるのです。

ちなみに褒める際には、「自己認識」「信念・価値観」「能力」を褒めていくと効果的です。
それにより、自分自身の深い部分が評価されていると感じるからです。

  • 君は本当に素晴らしい(自己認識)
  • 君の考え方はとてもいいよ(信念・価値観)
  • 君は〇〇で素晴らしい素質があるよ(能力)

逆に行動や環境の面を褒めてもそれほどは心には響きません。
それは、自分以外の外側であったり、表面的な評価であるとわかるからです。

  • あの時の君の行動はよかったよ(行動)
  • いつも机の周りを綺麗にしてすばらしいね(環境)

これらを比べて、どちらが褒められる側として嬉しいでしょうか?

叱る時と褒める時は注目する面が変わってくるということを知っておくと良いでしょう。

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まとめ

このように、「正しい叱り方」とは「相手にいかに自分の間違いに気づかせ、改善しようという気持ちにさせるか」です。

そのためにも、相手のどこの部分に向けて叱るのか、どのような話し方をするのか、そしてどんな気持ちで話をするのかが大切になります。

叱ることが、部下にプラスに働き、成長できるように働きかけることが上司にとってとても重要な役割になります。

これまで今後の人間関係やチームワークが不安でなかなか叱れなかったのであれば、これを機会に正しい叱り方を実践して、より深い信頼関係を構築していってください。見て見ぬふりは誰のためにもなりません。

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