自己実現とは、マズローの欲求階段で提唱された欲求の1つです。
よく、「自己実現=成長すること」と誤解されますが、正しい意味はそうではありません。
この記事では、自己実現とは何かを詳しく解説します。
少しややこしいかもしれませんが、あなたが本当に自己実現をしたいのであれば必ず目を通してください。
その上で、自己実現するために必要なことを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
1.自己実現の正しい意味とは?
自己実現は、「自分の夢を叶えるための自己成長」のような意味で使われることがあります。
例えば、「〇〇のようになる!△△できるようになる」などの今の自分とは違う何かになろうとすることです。「自己実現できる仕事がしたい!」という言い方もよく聞きますね。
しかし、これは全くの誤用です。
自己実現は、ありのままの「状態」であることをいいます。
以下では、もう少し詳しく自己実現について見ていきましょう。
自己実現(Self-Actualization)は、人間性心理学であるアブラハム・マズローの欲求階層よって提唱された言葉です。
マズローによると、人間はすべての欲求を満たすことで「人間本来のありのままの姿」になるとしました。この人間本来の姿になっていることを「自己実現」と言います。
そこで問題になるのが、「人間本来の姿」とはどのような状態かですが、マズローによると次のような状態だとされています。
- 先入観がなくありのままに物事を捉えることができる
- 客観的で判断力があり、感情的にならない
- 超然としていて不運に悩まない
- 他人を助けることに幸福を感じる
- 他人と自分を尊重できる
- 勇気があり失敗を恐れない
- 周りの意見に流されず、自分で意思決定ができる
つまり、マズローが言う人間本来の姿とは「自分のしたいこと=社会貢献」になっている状態だと解釈できます。
わかりやすい例で言うと、マザーテレサや聖ペテロなど「聖人」と呼ばれるような人たちが「自己実現」していると言えます。彼ら彼女らは、自分の好きなことが社会貢献につながっています。そして、他人を助けることに幸せを感じていますよね。
このように、「自分に偽りなく好きなことをしていて、かつ、それが社会貢献になっているような状態」を自己実現と言います。
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2.自己実現のメリットとデメリット
「自己実現=社会貢献」というととても高尚で理想的な姿だと思われたかもしれません。しかし、自己実現にはメリットだけでなくデメリットも存在します。
自己実現をするメリットは、情熱的でモチベーションが落ちないことです。やはり、自分の好きなことをしているからこそ毎日が充実しますので情熱やモチベーションは維持することができます。
一方、見落としがちですが自己実現をすることによって、自分らしく生きるからこそ貧乏になったる苦悩するといったデメリットも存在します。
例えば、偉大な音楽家の中には、自分の好きな絵をひたすら書き続け、健康を損ねたり、飢餓に苦しんだりした人が多くいます。
彼らの場合、「自分のしたいこと=社会貢献」にはなっています。そのため、本人が幸せを感じていれば、自己実現できていると言えるでしょう。
しかし、今の私たちから見て幸せだとは言えませんよね。
自己実現はあくまで「自分視点」なので、他人から見て不幸に見えるかは関係ありません。ただ、自己実現を達成することで貧困になったり、周りの人から遠い目で見られることはあります。
このように、自己実現にはメリットもあればデメリットも存在することを知っておかなければなりません。
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3.自己実現のために取り組む2つのこと
自己実現とは、何度も言うように「夢を達成すること」ではなく、「自分のしたいこと=社会貢献」している「状態」です。
自己実現している状態になりたい人は、次の2つに取り組むと良いでしょう。
- 下位欲求を順番にクリアしていく
- とにかく自分の気持ちに正直に生きる
以下で詳しく解説します。
3-1.下位欲求を順番にクリアしていく
先ほど解説したように、自己実現は「このような人になりたい!」という達成目標ではありません。ありのままの正直な自分の「したいこと=社会貢献」になれば自己実現できている状態だと言えます。
つまり、自己実現とは目指してなるものではないということです。
ただ、自分の「こうなりたい」と思った欲求を全て満たしていく過程で、気がつけば自然と自己実現している状態になる可能性があります。
上の図は、「マズローの欲求5段階説」を表したものです。
マズローは、人間の欲求にはいくつかの階層があり、「食欲、性欲、睡眠欲」といった基本的な生存欲求が満たされると、次に「安全、安心でありたい」という安全欲求が生まれると考えました。
そして、安全欲求が満たされると、次のレベルの「集団に属したい」「仲間が欲しい」という親和欲求を求め…というようにステップ・アップしていくとしました。
そして、最後に自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなどの自己実現(自己超越)欲求が生まれます。
そのため、自己実現をするためには下位欲求を順番に満たしていくことが重要です。
2層:安全欲求(安全に暮らしたい)
3層:社会的欲求(仲間と仲良くしたい)
4層:尊厳欲求(認められたい)
5層:自己実現(貢献)
例えば、「美味しい物をたくさん食べたい!」と思っている人は、好きなものを食べれるようになりましょう。「誰かから認められたい」と思っている人は、認められるように努力をしましょう。
そして「認められたい!」という欲求を満たすことでようやく自己実現に近づきます。
このように、下位欲求を順に満たしていくことで、いつの間にか自己実現につながるのです。
3-2.とにかく自分の気持ちに正直に生きる
次に自己実現のために大切なのは、 「自分の気持ちに正直に生きること」です。
何度も言いますが、自己実現とは「自分の好きなこと=社会貢献」になっている状態です。これを達成するためには、自分の好きや嫌いなどの気持ちと正直に向き合うことが大切です。
具体的には
- やりたいと思ったことはする
- やりたくないと思ったことはしない
シンプルですが、まずはこの2つを行ってみてください。
例えば、「毎日ランニングする」や「資格の勉強をする」など、自分がやって見たいと思うことに取り組んでみるよ良いでしょう。
このとき、やりたいことは社会貢献につながらなくても大丈夫です。
社会貢献というと「ボランティアに参加しよう!」とか「NPOに携わろう!」という考えを持つ人もいるかと思いますが、むしろ、そのような 自己実現しようと思って取り組む社会貢献活動は、ありのままの自分としてやっているわけではないので、自分の気持ちとは矛盾してしまいます。
イメージとしては、やりたいことをひたすらやっているうちに「やりたいこと=社会貢献」になっていればラッキーという感じです。
また、自己実現のためには自分に素直な気持ちになることが大切なので、やりたくないと思うことはしないという判断も必要です。
例えば、「あの人とはもう連絡をしたくない」「これは自分にとって楽しくないからやめよう」と思っているのであればやらないようにします。
最初は難しいかもしれません。しかし、自己実現は自分の素直な気持ちと行動が一致して初めて達成できるものなので、まずは素直な気持ちに従って行動する訓練をしましょう。
「やりたいこと=社会貢献」になれば自己実現は近い
あなたがやりたいことを突き詰めていったとしても、自分のやりたいことが100%社会のためになるとは限りません。
例えば、極端な話、人を馬鹿にするのが好きだからと言って、それだけをしてももちろん社会貢献にはなりません。
「自分の好きなこと=社会のためになること」になるかは、そのときの環境や運など自分ではコントロールできないものもあります。
本来自己実現とは、「〜になりたい」と目指すものではなく、「自己実現できていた」と後から気がつくもの。
難しく考えず、まずは自分の素直な気持ちに従って生きるようにしてください。
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動画で自己実現についてもっと知りたい方はこちら!
自己実現をするためには、何より自分の気持ちに素直に生きることが大切です。
そのためには、聖人が通ってきたように様々な困難があるでしょう。
しかし、それらを乗り越えることで自己実現は達成します。
自己実現は一朝一夕にできることではありませんので、まずは自分の素直な気持ちに従って生きることから始めて見てください。
また動画では別の視点で詳しく紹介していますので、「自己実現についてもっと詳しく知りたい!」という人はこちらもチェックしてみてください。
※自己実現に興味がある方は、以下の記事もきっと役に立ちますので合わせてご覧ください。