営業で本当に使える心理学と活用するときの注意点について

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営業において圧倒的な成果を上げている人は、営業に心理学を取り入れていることをご存知でしょうか?

一方、多くの営業マンがやりがちな、単に商品の説明やそのメリットだけを一方的に(熱心に)話をしても成果を出すことが難しくなってきています。

一昔前はこうした営業方法で結果は出ていましたが、最近はネットなどを利用して比較検討して決めることがほとんどであるため、お客様から「あなたから買いたい」と思ってもらうことが重要になります。
(いくら良い商品であっても信用できない人からは購入することはないのではないでしょうか?)

そのため、営業力には商品知識や説明スキル以上に、相手のことを理解したり、あなたが信頼できる人間であるように見せることが重要となります。

心理学を活用することで、このような効果が期待できるのです。
営業で今まで以上に成果を出したいのであれば、心理学について学ぶことはとても重要な取り組みだといえるでしょう。

1.営業で使える心理学テクニックの紹介

営業で使える心理学テクニックは相当数ありますが、ここでは重要なものを取り上げてご紹介します。

1-1.説得力をアップする「メラビアンの法則」

営業をするうえでは、「メラビアンの法則」を欠かすことはできません。
メラビアンの法則は非常に有名なのでご存知の方も多いでしょう。

メラビアンの法則とは、アメリカの心理学者で、カリフォルニア大学の心理学名誉教授であるアルバート・メラビアン氏が提唱したものです。

私たちは

  • 言語化情報…「言葉」に発することで得られる情報
  • 非言語化情報…声のトーンといった「聴覚」や表情などの「視覚」から得られる情報

この2つから情報を得ています。
要は人は相手の「話す内容」と「声」「見た目」で情報を受け取っているというわけですね。

これらの情報が異なる意味を持っている場合(例えば、口では良いことを言っているのに、顔は無表情といった場合)、人は圧倒的に非言語化情報(つまり見た目)を優先する、というのがメラビアンの法則です。

このメラビアンの法則は本来はこうした前提条件があるものであり、ビジネスの現場では「とにかく見た目が大切!」というように拡大解釈されています。

では、本来の法則の意図を生かすのであれば、どうすればいいのでしょうか?

それは、話す内容と見た目や話し方をきちんと統一すればいいのです。

つまり、商品のメリットを正確に説明する際に、声のトーンも明るく聞き取りやすく、表情は笑顔で清潔だと印象が良くします。
これは話す内容と見た目や話し方に矛盾なく相手に伝えることができます。

一方、商品のデメリットを説明するときは、声のトーンを落とし、残念そうな表情を浮かべることでより伝わりやすくなります。

人は見た目が全てとは言いませんが、こうしたことを意識することで説得力が増し、信頼が大きく高まります。
これは取引先へのプレゼンテーションなどでも同じ事が当てはまります。

営業の時にはつい自社の商品が素晴らしいかを伝えたくなってしまいますが、声のトーンや表情、服装などといった非言語の重要性は高いです。
これまで意識したことがなければ(もくしは忘れていたのであれば)、表情や声において好印象になっているのかどうかチェックしてみましょう。

2-2.話す順序が大切となる「ドア・イン・ザ・フェイス」

営業のテクニックでは「ドア・イン・ザ・フェイス」も有名です。

ドア・イン・ザ・フェイスは、お客様に対し、まずは断られることは承知でいきなり大きな要求をし、その後小さな要求にすると承諾されやすくなる、というものです。

アメリカの社会心理学者で、アリゾナ州立大学で評議員教授を務めているロバート・B・チャルディーニ氏も実験でその効果を証明しています。

ドア・イン・ザ・フェイスの使用例を見てみましょう。

あなたが営業マンに「1年間の定期コースを申し込んで欲しい」とお願いされたらどう思いますか?
きっと、「1年はちょっと長いな…」と感じることでしょう。

次に、断られた営業マンは「それでは、1ヶ月だけのお試しコースから始められるのはいかがでしょう?」と持ちかけてきたらどうでしょうか?
おそらく「1ヶ月だけならまぁいいかな」という気持ちになるかと思います。

営業マンとしては1ヶ月のお試し契約が取れただけでも定期コースの契約の可能性が大きく高まるはずです。
また、お客様にとっては、「譲歩されたために、自分自身も譲歩しなければならない」という気持ちになります。これは「返報性の原理」の応用です。

営業で成果を出すことを考えれば、断られることも計算に入れて、話す順序も考えることが大切です。
これが逆に、小さな要求から始めて、断られたら大きな要求にすると逆効果になってしまいます。

大きな要求をして断らせてから、譲歩して小さな要求に変えるという点がポイントです。

2-3.類似性があると感じさせる「ミラーリング」

ビジネスや恋愛でよく用いられるテクニックに「ミラーリング」があります。
ミラーリングとは、鏡のように相手の表情や動作を真似るというものです。

たとえば
・姿勢
・座り方
・身振り、手振り
・表情

こういったものを相手に合わせます。

ミラーリング

相手が腕を組んで話をしているのであれば、同じように腕を組んで話を聞きますし、足を開いているのであれば、足を開いて話を聞くのです。

真似をすることでいったいどんな効果があるのか不思議に思うかもしれませんが、人には「自分に似た相手に好感を抱いたり、共感する」という「類似性の法則」というものがあるのです。

例えば、飲み会などで出身地が同じというだけで「この人は良い人に違いない」と思ったことはないでしょうか?
もちろん出身地が同じなだけで性格がわかるわけはないのですが、人は自分と似ている人と話すと無意識にポジティブに接するのです。

類似性の法則については、テキサス大学のバーン氏・ネルソン氏の研究などで証明されています。

営業のときは特に「嬉しい」「楽しい」といったポジティブな感情をミラーリングすると成果を出しやすくなるといわれています。といった感情です。

つまり、顧客が笑顔になったタイミングが最大のチャンスになります。
相手が笑顔になったタイミングでミラーリングをして、こちらも笑顔になることで類似性が高まり、積極的な方向に話が進みやすくなります。

もちろん暗い表情の相手にミラーリングしても類似性は高まりますが、ネガティブな状況が続くだけで、結局は何も購入せずに終了してしまいますので、商品を購入した後の未来をイメージさせワクワクさせるなどしてポジティブな気持ちにさせてからミラーリングを行うことが効果的です。

ただしミラーリングは相手の潜在意識に訴える手法ですので、真似していることがバレてしまうと意味がありません。さりげなく似たような言動を行うことがポイントです。

2-4.好感度を高める「ザイオンス効果」

営業をしていてもなかなか成果を出せないのは、「ザイオンス効果」について知らないからかもしれません。
これはアメリカの社会心理学者で、スタンフォード大学名誉教授となったロバート・ボレスワフ・ザイアス氏が提唱した単純接触効果のことで、聞いたことがある方も多いかもしれません。

ザイオンス効果は、「人は何度も繰り返し接触していると、対象への好感度が高まっていく」というものです。

TVのCMがその一例で、繰り返し見ていると最初は何も感じていなかったにも関わらず、いつの間にかその商品を購入したくなったり、登場している俳優さんに好感を持つようになっていきます。

好感度を高めるポイントは、「会って話をする時間の長さではなく、会う回数」です。

一度や二度顧客に会って商品の説明を長々としてしまいがちです。
しかし、まずは挨拶やこれまで購入していただいた商品の具合を確認するなどの接触回数を増やしていったほうが、好感度は増し、結果としてその後のセールスが成功する可能性は高まります。

忙しくて直接会う時間が取れないのであれば、メールや手紙でも構いません。
好感度を高める頻度としては10回がピークとされていますので、接触回数が少ないのに成果が出ないと悩んでいるのであれば、まずはその点を改善したほうがよいでしょう。

2-5. 頼度を高める「両面提示」

両面提示とは、商品の説明の際にメリットだけでなく、デメリットもしっかりと伝えるというものです。
逆に、一方のメリットだけ伝えることを「片面提示」といいます。

営業マンA:「こちらの商品は機能が非常に優れております。」
営業マンB:「こちらの商品は少しお高いですが、機能が非常に優れております。」

どちらの営業マンのほうが信頼できそうでしょうか?

なるべくだったら商品やサービスの良い面だけを伝えて、デメリットについては何も触れたくはありませんよね。
しかし、デメリットについて触れないのは、お客様に「本当は何かあるんじゃないの?」と思われ、実はとてもリスクの高い方法です。

特に初めての顧客や、まだ信頼関係を構築できていない顧客に対しては、しっかりとデメリットも伝えておくことで、「この人は正直に話をする」と印象づけができ、逆に信頼感を高めることができます。

また、両面提示については、話の順序に気をつけなければならないことがあります。

それは商品やサービスなどを顧客に説明する際に、「メリットを先に伝えるべきか、デメリットを先に伝えるべきか」という点です。

パターンA:「こちらの商品は少しお高いですが、機能が非常に優れております。」
パターンB:「こちらの商品は機能が非常に優れております。だだし、料金が少しお高くなります。」

言っていることは同じですが、Aのほうが買いたくなるのではないでしょうか?

人には「後に聞いた話が記憶に残りやすい」という「新近効果」がありますので、「デメリットを先、メリットは後に強調する」ことが大切です。

「この製品は他のメーカーの製品よりも高いですが、その分だけ耐久力があり壊れにくく長く使えるんです」といったようにメリットを後にして強調しましょう。

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3. 心理学を営業に応用する際の注意点

営業に心理学を応用する場合、注意しなければならないことがあります。
それは心理学を応用したテクニックは、あくまでも顧客や取り引き先との信頼関係を土台にする必要があるということです。

営業とはコミュニケーションですが、コミュニケーションは信頼関係がベースにあって初めて成立するものです。
この信頼関係がないといくらテクニックを活用しても契約を取ることが難しくなります。

ですから、「商品を売る」という意気込みも大切ですが、まずは「顧客との信頼関係を構築する」ということを優先し、そのために何をすべきかを考えるべきです。

※信頼関係を構築する方法については以下の記事がきっと役に立つはずです。
ラポールとはコミュニケーションを行う上で最も基本かつ重要なことである
良好な人間関係を構築する「傾聴力」の重要性と高めるための正しい方法

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心理学活用のまとめ

今回ご紹介した方法は以下の5つです。

・メラビアンの法則
・ドア・イン・ザ・フェイス
・ミラーリング
・ザイオンス効果
・両面提示

これらを活用することで、きっと営業の成績に貢献するでしょう。

しかし、お伝えしたように、テクニックはあくまでテクニックです。
心理学を活用するのも大切ですが、しっかりと信頼関係を築くことが重要です。

この取り組みが人の心にどのような影響を与えるのかということをしっかりと認識し、ひとつひとつを丁寧に行っていけば必ず営業の成果は上がります。

自分は営業に向いていないからと諦めることなく、まずはできることを確実に取り組んでいくことが大切です。

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