仕事をする上でも、プライベートでも人間関係はとても重要ですよね。
しかし、職場などに苦手な上司や嫌いな同僚がいて、いつも顔を合わせなければならなかったり、一緒に仕事をしなければならないのは大きなストレスでしょう。
その結果、悩みを抱えることになり、ストレスを抱え、やる気を大きくそがれてしまいます。
特に職場だと、気の合う人や一緒にいて楽しい人とだけ関わりたいと思うものです。
「あの人が変わってくれればいいのに…」
「異動してくれないかな…」
というように感じることもあるでしょう。
私も苦手な上司や同僚がいたときはよく思っていました。
しかし、他人をどうにかすることはできません。変えられるのは自分だけということをまずは知っておかなければいけません。。
とはいえ、ただ我慢しているだけでは精神的健康を損なうことになってしまいます。
だからこそ、苦手な人との接し方や苦手な人に対する考え方を工夫することでストレスや悩みを軽減していかなければなりません。
今回は「苦手な人との付き合い方」についてお伝えしていきますので、職場や周りに苦手な人がいる方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
1. 苦手な人というのは必ずいる
まず大前提として、「苦手な人はいて当然!」という認識を持ちましょう。
生まれ育った環境が異なれば様々な考え方の人がいます。
その中に自分の苦手な人や、嫌いに感じる人がいるのは当たり前のことです。
威圧的に接してくる人もいるかもしれませんし、自慢話ばかりをする人もいるかもしれません。
自分は努力することが大切だと思っていても、とにかく成果だけに注目する人や、結果だけで評価する人もいるでしょう。
そんな人を無理に好きになろうとして、毎日自分の本音を押し殺していては自己否定することになりますのでストレスは蓄積していきます。
苦手な人がいるということは問題ありません。その気持ちを偽る必要はありません。
もしかしたら苦手と感じる相手が、周囲から信頼を集めている人気者だったとすると、そんな相手を嫌悪する自分に後ろめたさを感じるかもしれません。
だからといって自分を否定するのはやめましょう。
苦手な相手は人それぞれです。自分の感情を素直に受け止め、それから打開策を考えていくべきです。
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2.他人は変えられない
苦手な人との付き合い方を考えていくうえで、他人は変えられないということを知っておくことは重要です。
私たちはつい、
「あの人の~という性格が変わってくれればいいのに」
「どうして~という癖を治せないんだろう」
と相手が変わることを期待してしまいがちです。
しかし、それでは状況は改善しません。
カナダの精神科医エリック・バーンは
他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる
と述べています。
そう、変えることができるのは「自分」と「未来」だけなのです。
当たり前ですが、忘れがちですよね。
自分が変わることで、相手に与える影響も変わります。そのことで人間関係の悪化を防いだり、良好な関係を築くことができることもあります。
自分が源泉であると考えれば、苦手な人との付き合い方の解決策も見えてきます。
社会に出て、苦手な人と付き合っていくことは避けられないことです。
そんな苦手な相手とも共に仕事ができるようになることが、人として大きな成長に繋がっていきます。
そのためにも苦手な人に対する自分の言動や考え方を見つめ直してみましょう。
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3. 苦手な人との付き合い方について
他人を変えられないのであれば、やるべきことは何でしょうか?
ここからは苦手な人との付き合い方について紹介していきます。
3-1.普通に接すること
苦手な人にはなるべく会いたくないでしょうし、会ったとしても話もしたくないですよね。
それが自然な反応ではありますが、そういったネガティブな雰囲気は必ず相手にも伝わります。
そうするとさらに人間関係は悪化します。
直接的に文句をぶつけてくるかもしれませんし、知らない場所で陰口を叩かれる可能性も高まります。
そのため、苦手な人との付き合い方の基本は普通に接することです。
不自然な態度をとらずに、他の人に接する態度と同じにします。
それで信頼関係が生まれるわけではないですし、苦手な気持が払拭されるわけではありません。しかし、少なくとも関係が悪化することは防ぐことができます。
笑顔で挨拶できる習慣がつくのが望ましいのですが、そこまで無理をしなくても、普通の表情で「おはようございます」「お疲れ様です」といった挨拶や関わり方については自分から自然に行うのが望ましいでしょう。
3-2.反論や否定、共感をしない
一緒に仕事をする機会があれば、苦手な相手とも話をする機会もあるはずです。
飲み会の場で隣の席になるかもしれません。もちろん挨拶はすべきですし、話をすることになれば無視するわけにはいきません。
ここでポイントになるのは、相手を刺激するようなことを言わないことです。そのひとつが反論や否定です。
苦手な人とは考え方が合わないことも多いです。
そのため、つい、「いや、それは違うと思います。私は~だと思います」と言ってしまいがちです。
しかし、そういったリアクションをすると、相手のプライドを傷つけたりして攻撃モードのスイッチを入れてしまいます。
議論を交わす場で自分の意見を話すことは大切ですが、苦手な人の意見に対して否定するようなことは関係悪化の原因となります。できるだけ避けた方がいいでしょう。
逆に、無理に相手に合せて「私もそう思います」といった共感の姿勢だと、「この人なら自分を受け入れてもらえる」と勘違いされ、常に話しかけられるようなことになります。
苦手な人と会話する際は、「否定しない、ただし共感もしない」というスタンスがベストです。
自慢話や誰かの悪口、会社への文句など聞きたくない話はすべて聞き流すだけで充分でしょう。
3-3.苦手な理由を明確にする
「あの人苦手だな…」と感じるとき、自分が必要以上に苦手意識を持ちすぎている可能性もあります。
特に頭の中だけでモヤモヤと考えていると、どんどん苦手意識が膨らんできてしまい、さらに苦手になってしまいます。
こうした事態を避けるためにも、「何が苦手なのか」を明確にすることが重要です。
例えば、以下のように苦手な原因を書き出してみるのです。
- いつも表情が怖い。睨みつけられる。
- 話し方が冷たい。話し方が厳しい。
- 服装がだらしない。清潔感がない。
- 何をするにもルーズ。
- プライドが高く、自慢話ばかり。
このように、相手に対する自分の見方や考え方を見直すだけでも大きな前進になるのです。
確かに苦手意識を持っても仕方がないところですが、それで相手の存在すべてが嫌いというのは飛躍しすぎているかもしれません。
苦手に感じる部分がクローズアップされすぎていて、相手の良い部分が見えなくなり、それが苦手な気持ちを増幅させているのではないでしょうか?
それに気が付くだけでも苦手意識は軽減されます。
3-4.相手の長所を探してみる
長所は短所、短所は長所という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
苦手だと感じる相手の言動や性格を以下のように、別な角度から見ることで長所と捉えることができるようになります。
・話し方が冷たい → 冷静沈着である
・清潔感がない → 他人の目を気にしない。自分の価値観を大切にできる
・ルーズ → プレッシャーのかかる場面でも、マイペースで取り組むことができる
・プライドが高い → 責任感が強い
苦手な人の短所を真逆に見てみて長所と捉えられないかを考えることがポイントです。
どのような人でもいいところは必ずあります。
その長所が実はチームを支えていたり、成果に繋がっている可能性もあります。
無理に相手を受け入れるようとして、精神的に不安定になってしまいます。
そうではなく、相手の良さをひとつでも理解できるようになると、苦手意識は軽減され、接し方もポジティブになります。
ちなみに、別の視点から相手を見て評価することを「リフレ―ミング」(味方のフレームを変える)と呼びます。
リフレーミングを使ってあなたの人生をもっとポジティブにする方法ではもっと詳しく効果や方法を紹介していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
3-5.相手の言動の原因を考えてみる
長所を見つけようとしても、どうしても納得できない言動や許せない態度というものはあるかもしれません。
それを受け入れる必要はありませんが、はっきりと指摘すると余計に泥沼化する危険性もあります。
そのような相手にあなたの貴重な時間や労力を費やすのはもったいない話です。
このような場合は客観的に相手を観察し、その原因を推測して菩薩のような広い心で許してあげるという対応もあります。
例えば、相手に攻撃的で批判的な意見を口にし、成功したら大袈裟に誇張し、ミスをしたらすぐ他人のせいにする、という人がいるとします。
この場合、その人の長所を探そうとするのは難しいかもしれません。
そうしたらそのような態度を取る原因を推測してみましょう。
相手を批判するのも、自慢したがるのも、ミスを怖れるのも劣等感が原因だと考えられます。
もしくは自信がないことの現れでもあります。
もしかすると子供の頃に強く劣等感を覚える出来事があったのかもしれませんし、そのような境遇で育ってきたから自信がないのかもしれません。
「そんな境遇で生活してきて可哀想に」
こう思えれば、少しだけでも許してあげる気持ちになれるのではないでしょうか?
「だから仕方ない」と割り切って、もうその人のことをあれこれ考えるのをやめにしましょう。
3-6.必要以上に接点を持たないこと
心理学において「単純接触効果」という言葉がありますが、接点回数が増えることでお互い分かり合えたり、信頼関係が築かれる可能性もあります。
営業マンが何度も訪問することで信頼関係を築くのはこのためです。
しかし、どうしても受け止められないような相手であれば、接点は最小限に抑えれば良いでしょう。
職場であれば、挨拶、報告、これだけで充分でしょう。
休憩時間や飲み会の場で無理に話をする必要はありません。
逃げ回れということではなく、本当にどうしても必要な時だけ接点を持つ、そうすれば仕事で支障をきたすこともありませんし、ストレスを感じる機会も減っていきます。
いろいろ考えても改善されないのであれば、思い切ってもう気にしないと割り切ってしまっていいでしょう。
3-7.自分の短所を投影していないか考える
どうしても受け止められない理由として、自分の認めたくない短所が反映されている場合があります。
例えば、ルーズな相手がどうしても許せないとすると、実は自分が時間を守れなかったことで大失敗し、コンプレックスに感じて必要以上に時間に厳しくなっているのが原因だったりします。
だからこそ平然と遅刻する相手は許せないわけです。
こういった心理機能を「投影」と呼びます。
自分が苛立っていたのは、相手のルーズさではなく、必要以上に時間を気にして生きている自分自身に対してかもしれません。
このことに気が付くことができれば、失敗を引きずって敏感になりすぎている自分を労わる気持ちになれるだけでなく、これまで強く引っかかっていた部分が緩和され、苦手意識が軽減されます。
これを「投影の引き戻し」と呼び、自分自身を見つめ直し、成長するきっかけになるのです。
ぜひ、苦手に感じる原因を考えてみて、自分の短所を投影していないか考えてみてください。
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まとめ
大切なことは、苦手な人を変えることはできないということです。
ポイントは以下の7つです。
- 普通に接すること
- 反論や否定、共感をしない
- 苦手な理由を明確にする
- 相手の長所を探してみる
- 相手の言動の原因を考えてみる
- 必要以上に接点を持たないこと
- 自分の短所を投影していないか考える
職場や身の回りに苦手な人がいることで自己否定的になる必要はまったくありません。
見方を変えたり、考え方を変えることで、苦手意識も変わってきます。工夫することでストレスや悩みを軽減することができるのです。
ただし、どうしても受け止められないような相手もいます。その場合は、最低限の接点は持ちつつ、そういう人を相手にするのも仕事のひとつと割り切ってしまいましょう。
気にしないことで、苦手な人がいてもパフォーマンスを発揮できるようになっていきます。