「すぐにカッとなってしまう…」
「怒りに任せて失敗してしまった。。」
このように、怒りっぽい自分を変えたいと思っている人も多いのではないでしょうか?
こういう経験がある人なら、アンガーマネジメントを身につけることで、これらの問題を克服できるようになります。
怒りを上手にコントロールできるようになれば人間関係が良好になるので、ぜひ身に付けたいスキルです。
ここでは、アンガーマネジメントのやり方を詳しく解説します。ぜひ参考にして起こりっぽい自分とおさらばしてください。
この記事の目次
1.そもそもアンガーマネジメントってなに?
アンガーマネジメントは、怒りの感情とうまく付き合うための方法です。
誤解されがちですが、感情を全く出さないための手法ではありません。
そもそも、怒りは物事を進めるために使われる表現の1つ。実際には、怒らなくても物事を進めることはできるはずですが、怒った方が効果的だと無意識に判断しているため、怒ってしまうのです。
例えば、上司は部下に怒ることでミスを減らすように求め、恋人はパートナーに怒ることで自分の思い通りの状況を作っています。
「でも、ついカッとなってしまうことがある。。」と思うかもしれませんが、それも自分が意図的に作り上げているんです。
怒りについて深く知るために、怒りのメカニズムを見ていきましょう。
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2.怒りのメカニズムについて
2-1.怒りが発生するまでの流れ
怒りは、突然出てくるイメージがあるかもしれません。しかし、実は怒りは「いきなり」発生することはありえないのです。
怒りが発生するまでには、次のようなステップがあります。
1.出来事に遭遇
2.出来事の意味づけ
3.怒りの発生
とくに大切なのは、「2.出来事の意味づけ」です。
意味づけとは、「出来事が自分にとって、どのような意味があるのか」を自分で決めることです。同じ出来事でも、どのように意味づけをするかで怒ったり怒らなかったりするのです。
例えば、子供があなたのスマートフォンにジュースをこぼしたとしましょう。
もし、家でこぼされたら「どうしてそんなことするの!」と怒ってしまうかもしれません。
しかし、同じ出来事でも、目の前にあなたが大好きな歌手がいる場合はどうでしょうか。相手に怒っている自分を見せたくないと思ったり、些細なことではないと考えたりして、怒らないのではないでしょうか。
つまり、怒りの感情とは、自分が怒ることで有利になると思ったときに「使っている感情」なのです。
少し専門的な話をすると、怒りは目的に応じて使われる「第二感情」と言われています。
2-2.怒りは「第二感情」
ここでは怒りを知るためにとても大切なことをお伝えしていきます。
心理学では、ある出来事に遭遇したときに
・最初に感じる感情を「第一感情」
・次に感じる感情を「第二感情」
と言います。
例えば、子どもの帰りが遅くなった親は、最初は子どもが「大丈夫かな?」と、心配になりますが、次第に「なんで、いうことを聞かないんだ」と怒りを覚えます。
この場合、最初に感じた不安や心配は自分の正直な気持ちで「第一感情」です。しかし、時間が経つにつれて、「相手を思い通りにさせたい」という「第二感情」が生まれます。
怒りはこのようには、自分の不安や心配などの第一感情を取り除くために使われる手段なので、背景には必ず第一感情があります。
アンガーマネジメントでは、その「第一感情」を自分で理解することによって、怒りをコントロールできるようにする手法なのです。
ここからは、アンガーマネジメントのやり方について解説していきます。まずは、準備編としてあなたの怒りのタイプを知るところから始めましょう。
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3.まずは自分の怒りのタイプを知るのが大切
怒り感情と上手に付き合うためには、自分の怒りタイプを知っておくのが大切です。
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の無料アンガーマネジメント診断では、自分の怒りタイプを知ることができますで、ぜひあなたのタイプをチェックしてみてください。
以下のような形式のものに全部で12個回答していきます。
診断結果として、次の6つのうちいずれかのタイプに分類されます。
- 公明正大タイプ
- 博学多才タイプ
- 威風堂々タイプ
- 天真爛漫タイプ
- 外柔内剛タイプ
- 用心堅固タイプ
アンガーマネジメントを実践する上で、自分がどのようなときに怒りやすいのかを知ることはとても重要なので、まずは診断を行って自分のタイプを確かめてみてください。
ここでは簡単に、6つのタイプについて解説します。該当したタイプについて見てみてください。
公明正大タイプ
ルール違反やマナー違反を許せないと感じる人に多いのが、公明正大タイプです。使命感が強いため、正しくない行いを見ると我慢できません。
公明正大タイプの人は、正しさにこだわりすぎず、「人には変えられないことやできないこともある」と自分の中で割り切ることで、怒りのコントロールがしやすくなります。
博学多才タイプ
向上心が強く完璧主義に多いのが、博学多才タイプです。何事も白黒をはっきりつけたいと思っており、他人の考えを受け入れられない傾向にあります。
意見が対立しそうなときは、熱くなる前に第三者視点で考えるようにしましょう。これができるようになれば、怒りをコントロールできます。
威風堂々タイプ
前向きなリーダーに多いのが、威風堂々タイプです。自分に自信はありますが、他人の評価を意識しがち。軽んじられたり、自分の思い通りにならないとイライラします。
相手に何か要求するときは、してほしい「欲求」なのか、できる「権利」なのか、すべき「義理」なのか、自覚しておきましょう。
天真爛漫タイプ
自分の考えで素直に行動するタイプは天真爛漫です。他人に合わせることが苦手で、言いたいことを言わない人にイライラする傾向にあります。
思ったことをすぐに発言すると、トラブルになりやすいので一度考えてから発言する癖をつけると物事がうまくいくようになります。
外柔内剛タイプ
自分の価値観を大切にするのが外柔内剛タイプです。他人からお願いされやすいため、やりたくないことが増えてストレスになります。
我慢して溜めむと、爆発してしまうことがあるので、少しずつ自分の考えを周りに理解してもらうように努めるのが大切です。
用心堅固タイプ
慎重な人に多いのが用心堅固タイプ。ネガティブ思考が強く、簡単に他人を信じないため人間関係でストレスを感じやすい傾向にあります。
ネガティブな思考に陥る前に、視点を変えたりいつもと違うことをしたりすると、怒りにつながりにくくなります。
怒るポイントをできるだけ詳しく知ることが重要!
ここでは怒りタイプを簡単に解説しました。
アンガーマネジメントは「自分が怒りを感じそうなシーンを見つけ出し、爆発する前に予防する方法」です。
このとき、自分の怒りタイプが大まかにわかっていれば、改善がスムーズになります。
だからこそ、どのようなときに怒りを感じやすいのかを診断をしておくのが重要なのです。
以下では、具体的なアンガーマネジメントのやり方について解説します。
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4.アンガーマネジメントを行う4つのステップ
アンガーマネジメントは次の4つのステップで行います。
STEP1.6秒やり過ごす
STEP2.記録をつける
STEP3.許せるラインを決める
STEP4.私は~と伝えることを意識する
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
STEP1.6秒やり過ごす
怒りは6秒待つことで鎮まると言われています。
実際には、完全にイライラがなくなるわけではなく、爆発を防ぐことができる程度ですが、その場の感情に任せて怒らないことが大切なのです。
そのためには、怒りが爆発しそうになったら、次のような方法で怒りを鎮めてください。
・深呼吸
・水を飲む
・人やモノを観察する
・自分の夢について考える
・その場を離れる
とにかく怒り感情に目を向けないことが重要です。そのためには、他のものに意識を向けるのが手っ取り早いでしょう。
STEP2.記録をつける
次に、毎日怒りの記録をつけるようにしてください。
・どのような時にイライラしたのか
・なぜ、イライラしたのか
ほとんどの場合、怒りたいと思った背景には「こうあるべきだ」という「べき」や、第一感情が隠れています。
記録することで客観的に自分の怒りパターンを分析できるようになります。
怒りのパターンを分析することで、「自分はこういう場合によく怒る」「次はこういうことに気をつけよう」というように、次に向けて対処することができるようになります。
自分の怒りを客観的に見るということはとても大切なことです。
STEP3.許せるラインを決める
どのようなときに、なぜ怒るのか、自分にとって許せない「べき」が何か分かれば、次に許せるラインを決めましょう。
・遅刻は5分までは許す
・同じ注意は3回まで許す
このように基準を作ることで、これまでは怒っていたような場面でも怒りの感情を鎮めることができるようになります。
また、「許せる」「許せない」のボーダーラインを決めておくことで、あなたの気分によって怒るということもなくなり、余計なトラブルを防ぐことにも役立ちます。
STEP4.私は~と伝えることを意識する
最後に、相手に怒り感情の原因があるときは、それをi(アイ)メッセージで伝えましょう。
i(アイ)メッセージとは、「私は〜する」という自分が主語の伝え方です。
例えば、「(あなたは)なんでこんなこともできないのだ!」と叱責するのではなく、「(私は)あなたに期待していたので残念です」と伝えるようにします。
怒りは目的を達成するために使われる第二感情だと説明しました。しかし本当に大切なのは、あなたの本心である第一感情を伝えることです。
第一感情を伝えることができれば、あなたは怒りに任せる必要がなくなります。また、相手も「そうゆう気持ちだったのか、申し訳ない」と受け入れやすくなります。
i(アイ)メッセージを使えば、第一感情を伝えることができるようになるので、何か伝えるときは必ず使ってください。
怒りたくなったときは、ここまでで解説した4つの流れを実践してください。最初は怒ってしまうかもしれませんが、なんども続けると怒りをコントロールできるようになります。
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5.どうしても怒る必要があるときの3つの注意点
いくら怒りを抑えられても、ときには怒る必要があるあるでしょう。
最後に、どうしても相手を怒らければならないときに、注意すべき3つのポイントを紹介します。
このポイントを守らないで、怒りに任せてしまうと、相手があなたのことを尊敬しなくなってしまいます。
ですので、次の3つには必ず注意してください。
1.人を傷つけない
2.人によって怒り方を変えない
3.関係ないことを持ち出さない
以下で詳しく見ていきます。
人を傷つけない
「お前はダメなやつだ」と人格否定された人は、それを言った人に対して良い感情を持ちません。
その結果、どんどん言うことを聞かなくなる可能性もあります。
相手のミスを改善させたいときは
「優秀なあなたが、こんなミスをしたのが(私は)残念だ。。」
と言うようにi(アイ)メッセージを使うようにしましょう。
そうすることであなたの本当の気持ち(第一感情)を伝えることができます。
人によって怒り方を変えない
同じミスをした時に、Aさんには「しっかり反省しろ!」と叱責するのに、Bさんには「まあいつも頑張ってるからな」と甘やかす。そのように人によって怒り方を変えるのはやめましょう。
もし、あなたがAさんだったら「私だって頑張ってるのに贔屓しやがって」と恨めしく思うはずです。
そのような事態を防ぐためにも、同じ重大なミスならAさんにもBさんにも「いつも頑張ってるのはわかるけど、このミスは大事に至ることもあるからね」と同じように怒るようにしてください。
関係ないことを持ち出さない
例えば、プリントの枚数を間違えて印刷したときに「そういえば、メールの文章もおかしかった」と付け加えて叱るのは避けましょう。
今問題となっていることと関係ないことで叱られると「それはわかってるけど、今は関係ない!怒りに任せて何でもかんでも言わないで!」と思われてしまいます。
そのため、1つの問題で叱る必要があるときはその問題だけを取り扱うようにしましょう。
怒っているときに冷静さを保つのは難しいでしょう。なので、理想としてはアンガーマネジメントをしっかり身につけて怒らないようにすることです。
どうしても怒りたくなったときは、最低限この3つだけは注意するようにしてください。
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まとめ
ここではアンガーマネジメントのやり方を解説しました。
アンガーマネジメントができるようになれば、怒りに頼らず自分の希望を表現できるようになります。
そのために必要なのは、自分がどのようなときにイライラを感じるのか、その背景にはどのような価値観が隠れているのかを知ることです。
なかなか難しいかもしれませんが、身につけると人間関係もスムーズになりとても心強い味方になるので、悩んでいる人は今日からぜひ取り組んでください。