人は願い事をした時に、どのような行動をとるでしょうか?
きっと目標を決め、その実現にむけて努力することでしょう。周囲に宣言して覚悟を決めたり、協力を求めたりすることもあります。
古来より日本には「言霊」という信仰があります。「言葉には力が宿っている」というものです。
現代でも、言葉には「引き寄せの力」があると考えられています。
願いや希望をイメージするだけでなく、ポジティブな言葉で表すことによって幸運を引き寄せるのです。
逆にネガティブな言葉を用いることによって、不運が舞い込みます。
これは、言葉に表すことによって、自分の潜在意識(無意識)に働きかけているのです。
潜在意識に働きかけることでマインドや行動が変化し、結果的に願いを実現しやすい環境を自ら作り上げることができます。
アファメーションはこのように「自分に対して肯定的な言葉をかける」ことで、あなたの夢を叶えてくための方法になるのです。
- 何を願っても、自分には叶えることはできない
- 自分は不運の星の下に生まれてきたのだから仕方がない
このように、願いを諦めたりしていませんか?
もしかすると、あなたは自分自身で、願いを叶えることにブレーキをかけているのかもしれません。
それはとてももったいないことです。アファメーションは効果的に活用することで、あなたの可能性を手にすることができます。
しかし、やり方を間違えると効果がないばかりか、「やっぱり無理だ」と自己否定してしまう結果となってしまうので正しく行う必要があります。
今回は、「アファメーション」によって、願いを実現させる方法と注意点についてお伝えしていきます。
アファメーションによって、自分自身にかけているブレーキをはずしていきましょう。
この記事の目次
1.アファメーションの意味とその大きな効果について
1-1.アファメーションとは肯定的な宣言による自己暗示
アファメーション(affirmation)とは、「肯定的な宣言」という意味です。
否定的な宣言は、アファメーションには含まれません。
例えば、
「私は充実した毎日を過ごしている!」
といったものになります。
こうした肯定的な宣言を習慣化することで、「自分はそうなんだ」と認識させるわけです。
これは意識面だけでなく、潜在意識にも強い影響を与えていきます。
つまりアファメーションとは、強力な自己暗示なのです。
なぜこのような自己暗示が重要なのでしょうか?
例えば、「人生はポジティブな方が上手くいく」と頭でわかっていても、心の中はネガテイブな人は多いのではないでしょうか?
これは、いくら頭の中で思っていても潜在意識が納得していないから起こるものです。
潜在意識は過去に経験したことや考え方などが蓄積されていて、私たちが意識せずとも常に動いています(ちなみに、私たちが普段意識している「顕在意識」は全体の意識の10%に過ぎないのです!)。
ですので、これまであなたがネガティブな思考していたのであれば、潜在意識の中にネガティブな思考が刻まれているので、いくら「ポジティブになろう!」と思っても難しいのです。
心からポジティブな言動などできません。
表面的な理解だけでは、自分の心を動かすことはできないのです。
願い事はビジネスのことかもしれませんし、恋愛についてかもしれません。
いずれにせよ、アファメーションを行うことは願い事を実現させるための確かな歩みとなるのです。
1-2.夢を実現させたイチローの作文
アファメーションの実例として挙げられるのが、プロ野球で活躍するイチロー選手や、プロサッカーで活躍する本田選手です。
現状でもアファメーションを意識したコメントを発表されていますが、注目すべきなのは子供の頃の発言です。
イチロー選手が小学6年生の頃に書いた作文「僕の夢」は、とても有名ですね。教育の現場でもよく引用されています。
内容としては、
「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです」
から始まり、
「そのためには中学・高校と全国大会で活躍する」
「3年生の頃からは365日中、360日は厳しい練習をしているのだから、必ずプロ野球選手になれる」
「中日ドラゴンズか西武ライオンズに、契約金1億円でドラフト入団する」
「一流選手になったらお世話になった人たちを試合に招待して応援してもらうことも夢」
と宣言しています。
おそらくイチロー選手は、作文としてクラスのみんなに公表するだけでなく、何度も自分の夢を自分自身に語りかけてきたことでしょう。
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2.アファメーションの方法とポイント
2-1.まずは目標を紙に書き出す
まずは紙に目標を書き出しましょう。
そもそも紙に目標を書き出すのは、目標を忘れないようにするためです。
ある調査によると「8割の人は年始に立てた目標を、二ヶ月後には忘れている」という調査結果があります。
私たちは頭で考えているだけでは、毎日忙しい日々を送っていたり、他の緊急の用事が発生してしまうとすぐに忘れてしまうのです。
また、実際に言語化するということで達成した目標のイメージがリアルに頭に描かれます。
目標の実現をより確実なものにするためには、心がワクワクするものである必要があります。
そのためには頭の中に目標を達成した自分が鮮明に浮かぶということが重要です。
そしてそのイメージは「待ちきれない」という強い期待の感情が不可欠です。そのような期待感がなければ目標の実現は難しくなります。
2-2.書き出した目標を短い言葉にまとめる
実際に書いた目標を読み上げるため、目標が長すぎると大変です。なので、短い目標にすることが効果的です。
できれば1文か2文程度の長さであれば視覚化も容易で、潜在意識に強く刷り込みを行うことができるでしょう。
例えば、職場の人間関係の改善を目標としているのであれば、
といった目標とすることができます。
他にも会社員にあれば、
「私は最年少で昇進し、年収1000万円を稼ぐ道に向って歩んでいる」
独立・起業を目指しているであれば、
「私は教育事業を立ち上げ、一人でも多くの目標の実現を支援する」
といったものでも良いでしょう。
いずれの場合も、読み上げるために完結にまとめることがポイントです。
2-3.実際に目標を読み上げる
アファメーションは実際に書いた目標を読み上げていくのですが、効果を出すためには以下の3つのポイントを抑えることが重要です。
①肯定的な言葉を使う
②願望ではなく、現在形を使う
③「私は」と一人称を使う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①肯定的な言葉を使う
目標は何を望まないのかではなく、「何を望むか」を書くようにします。
やりがちなのが
というものです。
「お金に困らない」というのは、裏を返せば「今お金に困っている」と現在の自分を否定してしまっています。
これではますます「自分はお金に困っている人間である」という認識を植え付けてしまうのです。
この場合、
というように肯定的な言葉を使うようにしましょう。
また、あなたが「私は他人にきつくあたってしまうのをやめたい」という問題を抱えていたとしましょう。
「やめたい」というのは否定語です。そうした場合、「きつくあたってしまうのをやめたら、どんな感じだろう?」と自分に問いかけてみましょう。
そうすると、
というような目標が出てくるでしょう。
私たちは想像以上に自分自身の話す言葉の影響を受けます。
このため、どのような目標にせよ、自分の望むポジティブなイメージを喚起するために肯定的な言葉を使うことが重要です。
②願望ではなく、現在形を使う
目標というと、「健康的で充実した人生を送りたい」「素晴らしいキャリアを送りたい」「稼げるようになりたい」という願望めいたものを掲げる人も多いです。
このような「〜したい」といった願望めいた目標は、先ほどと同様に「今その目標が実現していない」というネガティブな状態を再度脳で認識してしまいます。
ですので、もしあなたが1000万円稼げるようになりたいのであれば、
「私は1000万円を稼げる自分に向って歩んでいる」
また、良い人間関係を築きたいのであれば
「私は、誰にでも優しく接することができる」
というように、「肯定形」かつ「現在形」で行うのがポイントです。
③「私は」と一人称を使う
すべての目標は、「私は」と自分を中心にして書き出してください。
「みんなから慕われるようになりたい」
こうした他人に関することを目標にしても実現することは難しいでしょう。
なぜなら、あなたがいくら願っても他人を変えることは不可能だからです。
もし上記のような願いを実現させたいのであれば
「私は外交的で皆から慕われる存在である」
このように自分が主体で書くようにしてください。
あなたの人生を変えられるのはあなただけです。
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3.効果が出ない時や注意点
3-1.イメージが伴わないバーチャルな願いになっていないか
アファメーションすれば何でも願いが叶うというわけではありません。
例えば次のようなアファメーションはどうでしょう?
20兆円というあまりに非現実なものはイメージが伴わないでしょう。
20兆円といえば、日本の国家予算の25%もの金額です。世界トップの資産家を遥かに上回っています。
このように、あまりにもギャップがあるようなイメージが伴わない願いはアファメーションすることは難しいのです。
なぜならリアル感がないためです。
現状の自分とのギャップによって、潜在意識がそのアファメーションを拒絶してしまうのです。
リアル感を出すためには、願いを考えるときに
- 何が見えるのか
- 何を感じるのか
- 何が聞こえるのか
をイメージしてみましょう。
とはいっても、その願い事が叶うまでの道のりを細かくイメージする必要はありません。
お金持ちになりたいという願いがあるのに、それを叶える道のりを細かくイメージしていくと、「もっと努力する必要がある」、「もっと苦労する必要がある」、「もっと一生懸命働く必要がある」という思考に行きついてしまいます。
そうすると「だったら難しいな」というように、自分にブレーキをかけてしまうのです。この場合は、お金に対してのブレーキでもあります。
このブレーキを外すのが、アファメーションの目的でもあるので、イメージできる範囲であれば、やや抽象的な表現でも問題はないのです。
3-2.ネガティブな単語の使用をしていないか
ポイントでもお伝えしましたが、アファメーションは「肯定的」な表現をしなければなりません。
ですが、人は一日の生活時間の80%ほど、ネガティブな思考をしているといわれています。
普段からネガティブな思考をしていると潜在意識に刷り込まれてしまうため、ついアファメーションの時にもネガティブな言葉を口にしてしまいがちです。
しかし、特にアファメーションは、ネガティブな単語や表現を使っている限り効果は発揮されませんので注意してください。
ですから、アファメーションを行うときには積極的にポジティブな言葉を使用していくべきです。
「最高だ」「楽しい」「幸せだ」「素晴らしい」といった言葉もどんどんと取り入れていきましょう。
2-3.継続的に行うことが重要
アファメーションは1日2日やったところでは効果はありません。継続することが大切です。
アファメーションを始めて、表情や行動が変わってくるまでに1週間、ブレーキをはずせるようになるのに2ヶ月、願い事を叶えるほどのセルフイメージまで高めるのに1年、そして実際に願い事を叶えるのに3年の月日はかかると考えておいた方がいいでしょう。
3年と聞くと「そんなにかかるの?」と落胆される方もいるかもしれませんが、自分が心から叶えたい願いであるならばそれぐらいの時間を費やすことは決して長い期間ではないでしょう。
もちろん、願いの大きさによってはこれよりも短くて良い場合もありますが、いずれにしてもめげずに続けることが重要だということです。
この期間の中で、少しずつ自分が変わっていくことに気づけるはずです。
そして自分が変わることで環境も大きく変わっていきます。
良好な人間関係が構築されるようになったり、周囲の人から頼りにされたりするようになります。
願いが叶うまでに変わる様々なことをぜひ実感してみてください。
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まとめ
アファメーションは自分に対する肯定的な宣言により夢を実現させるものです。
慣れないうちは違和感があるかもしれませんが、その効果は非常に大きいものです。
決して諦めず、アファメーションを継続していきましょう。