目標があることは素晴らしいことです。
しかし、実際にはそれを達成することができる人は非常に限られています。
なぜなら、目標の立て方自体が間違っていたり、達成するために正しい方法を行っていないからです。
人の脳は現状が変わることに対して拒否反応を起こします。そのため目標を設定してもすぐに挫折してしまうものです。
そのため、間違ったやり方でもいつまでたっても目標達成をすることはできません。
もし目標を達成できずに困っているという方は、この記事で参考にして紹介する方法を試してください。驚くほど目標の達成率が上がるはずです。
この記事の目次
1.間違った目標設定とは?
目標達成ができない人は、そもそも、あなたの目標設定が間違っているかもしれない、ということを疑う必要があります。
目標の達成ができない人にもっとも多いのは、「目標設定を正しくしないこと」です。
目標の設定を適当にしてしまうと、達成率は大きく下がります。なので、これから目標を設定するときは、最低限次の3つには気をつけるようにしてください。
- 抽象的な目標を設定する
- 高すぎる(低すぎる)目標を設定する
- 本当にやりたいこと「以外」の目標を立てる
こうした目標設定を立ててしまうと、達成が難しくなってしまいます。
それぞれ詳しく解説します。
1-1.抽象的な目標を設定する
あなたはどのような目標があるでしょうか?
多くの方は以下のような目標設定をすることが多いです。
・出世したい
・会社を大きくしたい
・人間関係をもっと良くしたい
・もっと痩せたい
・自分を変えたい
・今より幸せになりたい
こうした目標は無いよりはいいでしょう。確かに、今目指すべき目標を作っておくことは大切なことです。
しかし、目標の実現をより確実なものにするためにはもっと良い目標を持つことが重要です。
たとえば「お金をもっと稼ぎたい」という目標である場合、いくら稼げているのがいいのでしょうか?
100万円?1,000万円?それとも1億円でしょうか?
目的地が違うと辿り着くための手段が違います。
あなたが北海道に行くのとニューヨークに行くのとでは、乗る飛行機が違いますよね?
距離が違うと、それに必要な燃料が積める機体じゃなければ到達することができません。
同じように、将来100万円稼ぐのと1億円稼ぐのでは、当たり前ですが、今取るべき行動がまったく変わってきます。
もっと痩せたいと考えている人であれば、なんとなくあと5kg痩せたいと思っている場合と、1ヶ月以内に5kg痩せたいと思っている場合でも同様にやるべきことが変わってきます。
このように、抽象的な目標を設定しまうと、本当に達成すべき目標のための行動がわからなくなってしまい目標達成が難しくなってしまうのです。
1-2.高すぎる(低すぎる)目標を設定する
良い目標とは、自分が110%の力を発揮して初めて達成できるような目標です。
反対に、実現は100%無理だと思うような無茶な目標や、簡単に達成してしまうような目標は達成が難しくなってしまいます。
例えば以下の理想的な目標と理想的でない目標を見比べてみてください。
3ヶ月後に、売り上げを20%アップさせる
6ヶ月後に、TOEICを200点アップさせる
理想的でない目標①(非現実的な目標):
1ヶ月後に、売り上げを倍にする
1ヶ月後に、TOEICを200点アップさせる
理想的でない目標②(容易に達成できる目標):
1年後に、売り上げを10%アップさせる
1年後に、TOEICを100点アップさせる
理想的な目標は必死で頑張ることで達成する可能性がある目標ですが、理想的で無い目標は達成が明らかに難しい、もしくは容易に達成できるものとなっています。
高すぎる目標はそれを達成した自分をイメージすることができません。
達成イメージが伴わない願いは「どうせ無理だ」と脳が拒絶してしまい、実現することが難しくなります。
また、容易に達成できる目標は現在の延長で達成できてしまうことも多いため、今の行動を変えようとしなくなります。
目標というのは低すぎても高すぎてもモチベーションが上がらなくなってしまいます。
「頑張ったらできるかもしれない」と思えるような目標を設定するのが大切なのです。
1-3.本当にやりたいこと以外の目標を立てる
「とにかく目標を立てないと!」と思って、適当に目標を立ててしまっている人もいるのではないでしょうか。しかし、そうした目標も避けるべきです。
心から「やりたいっ!」と思えるような目標でなければ、モチベーションを上げることが難しくなってしまい、何かトラブルがあっただけで挫折してしまいます。
よくありがちなのが英語の勉強を目標にするケースです。
「今年こそは!」と英語を話せることやTOEICで点数を取ることを目標にしている人も多いと思いますが、それって本当に達成したい目標でしょうか?
「なんとなく英語ができたらいいなぁ」と思っているくらいでは、仕事が忙しくなると必ず「時間がない」と言い始め、勉強をやめてしまいます。
そして、「今年もダメだったなぁ」と自己嫌悪に陥ってしまうのです。
このような失敗が続くと、「自分はダメなやつだ」と自信をも無くしてしまう可能性があり、さらに目標達成が難しくなってしまいます。
他にも、「ダイエットをする」「資格を取る」といったありがちな目標ですが、もう少し先の未来まで想像し、目標達成をしたらどれほど未来や人生が変わるのかを真剣に考えてみてください。
- 英語の勉強をし、2年後に大学院留学して専門分野を学ぶ
- 痩せることでこれまで諦めていた服を着て自信を持って街を歩く
- 資格を取って来年転職し、その業界で活躍する
このように、目標を達成した将来の自分を「リアルに」イメージしましょう。
「どのような困難があってもやりきりたい、やり切ることに価値がある」と思えるような、自分が本当にやりたいことだけに目標は設定するようことが実現のためのポイントです。
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2.目標はSMARTに設定する【動画解説あり】
具体的な目標の設定方法については、ジョージ・T・ドラン氏の「SMARTの法則」が有名です。
これでは、目標を実現することは難しいでしょう。
発表されてから35年以上経過していますので、現代風に変化している部分もありますが、いずれにせよSMARTの法則は目標を決めるのに有効であることは間違いありません。
目標設定のポイントは、
- Specific(目標が具体的か)
- Measurable(設定した目標は測定可能か)
- Achievable(現実的に達成可能か)
- Result-oriented(達成したい成果に基づいた目標であるか?)
- Time-Related(期限が設定されているか)
の5つになります。
日本球界からメジャーリーグのエンゼルスに移籍した大谷翔平選手は、高校生の頃に81マスの目標達成シートというものを使用していたのは有名な話です。
81マスの中心には「ドラ1(ドラフト1位)、8球団」と書かれており、さらにその目標を達成するために「スピード160km/h」や「コントロール」、「人間性」、「メンタル」といった目標が書かれています。
さらにそれらの実現のために何が必要なのか全部で81個書かれているのです。
つまり大谷選手は高校卒業までという期限の中で、具体的で測定可能な目標設定をしていたのです。そこには投手としてチームに貢献することを意識した内容も多く書かれています。
目標設定が具体的に示されれば示されるほど、今何をすべきなのか、次に何をすべきなのかがはっきりとしてくるのです。
あなたに「もっと稼ぎたい」という目標があるのであれば、SMARTの法則を用いて設定すると次のようになるでしょう。
・Measurable(設定した目標は測定可能か)→今400万を600万にするので測定可能
・Achievable(現実的に達成可能か)→それくらいであれば可能である。
・Result-oriented(達成したい成果に基づいた目標であるか?)→そうである
・Time-Related(期限が設定されているか)→5年後までに
こうした目標とは逆に、「年収を上げる」「去年より実績を上げる」「幸せな家庭を築く」といった目標は具体的でなく、計測も難しいため、確実に目標を達成する場合にはベストな目標ではないと言えます。
例えば「幸せな家庭を築く」という目標があるのであれば、いつまでに幸せな家庭を築きたいのかを明確にする必要があります。また、何を計測可能な指標とするのか?
「子どもがいること」が幸せなのか?「家族で年1回海外旅行に行けること」が幸せなのか?
何が幸せなのかを明確にしなければ、目指すことが難しくなります。
逆に言えば、何が幸せなのかを明確にすることで、目指すことは簡単になります。
また、「歌手になる」という目標があるのであれば、例えば2020年12月までにオーディションに合格し、事務所に所属してCD1枚出す、というように具体的に期限を決め、目標を数値に落とし込むのです。
具体的に立てられていない目標は途中で挫折しやすいです。その分、具体的に立てた目標は達成しやすいとも言えます。
いつか1000万稼ぎたい、いつか幸せな家庭が持てればな、いつか歌手になりたいという目標だったとしたら、「いつか達成できればいいや」となってしまい、今を変える行動につながりません。
私も会社員時代に「いつか独立したい」と考えていたので、独立までに結局7年かかりました。
「具体的な目標が大切なことにもっと早く気づきたかった」それが今でも心残りになっているのです。
世界で最も多くの読者を持つ自己啓発書作家のオグ・マンディーノも
達成計画や期限なしの目標を設定することは、目標自体を設定しないにも等しい。
と述べているように、曖昧な目標は意味がありません。
このようにSMARTの法則に基づかない目標は達成することは難しいというのはお分かりいただけたかと思います。
言い換えればこれを抑えておくことで相当質が高く、実現性の高い目標となると言えるのです。
※SMARTの法則については動画でも解説しています。
目標を具体的に設定できれば、次は目標を行動に落とします。
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3.目標を達成するために必要な3つのこと
ここからは、目標を達成するために必要なことについて解説します。
ここで解説する、以下の3つを実践すればどのような目標も達成できるようになるはずです。
- 今からできる行動に落とし込む
- 記録を取る
- 振り返って改善する
それぞれ、順番に見ていきましょう。
3-1.今からできる行動に落とし込む
どれだけ完璧な目標を立てても、行動できなければ意味がありません。そのため、何をすれば目標を達成できるのか「行動」を明確にする必要があります。
その際、大切なのは今日から取り組めるくらい具体的に行動を決めることです。
悪い例:営業について勉強する
良い例のように、何をすればいいのか明確になっていれば、自然と行動できます。
しかし、悪い例のように行動が抽象的だと、何をすればいいのかわかりません。その結果、行動ができず目標の達成に失敗してしまいます。
なので、今からすぐに取り組めるくらい行動を具体的にするのが大切です。
その際、行動によって得られる成果を予想しておくと、「2-4.振り返って改善する」がより効果的にできます。
3-2.記録を取る
目標と、達成するために必要な行動を決めたら、進捗を記録するようにしましょう。
具体的には、次のような表を作って、毎日状況の確認をするのが効果的です。
12月7日 | |||
やるべき行動 | 行動目標 | 進捗 | 今日やったこと |
---|---|---|---|
本を5冊読む | 12月30日までに、5冊読む | 2冊読み終えた | ・今日は100ページ読んだ。 |
このように、目標に対する進捗を記録するとこで、目標達成までどれくらい近いでいるのかが明確になりモチベーションが上がります。
また、うまく目標を達成できないときに、次に解説するように問題点を洗い出すことも可能です。そのため、行動の記録はできるだけ細かく取るようにしましょう。
3-3.振り返って、改善をする
場合によっては、やると決めた行動では目標を達成できない可能性があります。そうした場合、現在の行動が目標の達成に効果的なのかどうか判断する必要があります。
最低でも週1回は振り返りの時間を作って、目標の達成具体を確認してください。
そして、このまま同じ行動を続けるべきなのか、新しい行動をするべきなのか判断しましょう。
大きく分けて、改善すべきなのは次の2つのケースです。
- 行動ができていないケース
- 行動が効果的でないケース
(1)行動ができていないケース
全く行動ができず目標を達成できていないと言ったことはよくあります。
もし行動ができていないなら、なぜ行動ができていないかを明らかにするのが重要です。
例えば、次のようなケースをみてください。
12月20日 | |||
達成すべき目標:12月30日までにTOEICを200点アップさせる | |||
目標の達成状況:TOEIC模試を受けれていないため不明 | |||
やるべき行動 | 行動目標 | 進捗 | 今日やったこと |
---|---|---|---|
本を5冊読む | 12月30日までに、5冊読む | 達成:0冊 | ・なし |
リスニングをする | 毎日5分 | 達成:できず | ・なし |
このようなケースでは、「そもそも、行動する時間が取れていない」という原因が考えられます。
どのようなを目標を達成する場合でもそうですが、とにかく時間を確保するのが最優先です。
普段無駄に過ごしている時間がないかどうか、振り返ってみてください。電車の待ち時間など、ちょっとした移動時間などでもやれることはあります。
(2)行動が効果的でない
また、行動はできているのに目標が達成できないというケースもあります。
このような場合は、効果の少ない行動を減らして、効果的だと思える行動を増やすのが大切です。
次のケースを見てください。
12月20日 | |||
達成すべき目標:1ヶ月以内にTOEICを200点アップさせる | |||
目標の達成状況:12月15日の模試で50点アップ | |||
やるべき行動 | 行動目標 | 進捗 | 今日やったこと |
---|---|---|---|
英語の本を5冊読む | 12月30日までに、5冊読む | 達成:5冊 | ・なし |
リスニングをする | 毎日5分 | 達成:できている | ・リスニング5分 |
このケースでは、「本を5冊読む、リスニングを毎日5分する」という行動をしっかりとできています。
しかし、目標の達成状況を確認すると、200点アップの目標に対して、50点しかアップしておらず、このままでは達成ができない可能性が考えられます。
このように、行動しているのに本来の目標を達成できないというような場合は、行動が効果的でない可能性があります。
このような場合は、より効果的だと思える行動を増やして、効果の少ない行動を減らすのが大切です。
今回のケースで言えば、英語の本を読むよりもリスニングに時間を当てた方が良い可能性があります。
どの行動が結果に効果的かは、やってみなければわかりません。そのため、「こっちの方がいいのでは?」と思ったことがあれば、記録を取りながらチャレンジを繰り返すようにしましょう。
もし、現在行っている行動で目標の達成が近づいているなら行動を変える必要はありません。
しかし、これまでの行動で目標が全く近づいていないと考えられる場合は、行動を改善する必要があります。
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4.モチベーションを維持するためにできること
ここまでで目標達成に必要なことは紹介しました。
しかし、どんなに理想的な目標を立て行動したとしても、目標の達成までには様々な困難に出会うでしょう。そのため、途中でやる気を失ってしまったり、心が折れてしまうこともあるかもしれません。
そこで、最後に、そのようなときに備えてモチベーションを維持するためにできる3つのことを紹介しますので必ず目を通してください。
4-1.達成したときのメリットを考える
モチベーションが下がっていると感じたときは、目標を達成したときのメリットを考えるようにしましょう。
例えば
- 今よりも収入が良くなる
- 周りの人から尊敬される
- 自分に自信を持てる
など、 今取り組んでいる目標を達成できれば「自分にどのような良いことがあるか」を考えることでやる気が溢れてくるはずです。
こうしたことをイメージし、目に見えるところに貼ったりすることも効果的です。
4-2.目標のステップアップを心がける
頑張っているのに目標が達成できないと、だんだんやる気を失ってしまいます。
もし、目標の達成が全くできず悩むようであれば目標を小分けにしてみるとよいでしょう。
変更後の目標:テレアポを月100件かける。
いきなり新規契約は難しいかもしれません。しかし、テレアポをするのであれば行動するだけなので目標を達成しやすくなります。
このように、目標を細分化して、小さい目標を段階的に達成していくことで、モチベーションの低下を防ぐことができます。
3-3.人を頼る
最後に、人に頼ることも大事だと忘れないようにしましょう。
頑張り屋の人は自分1人で目標を達成しようとしますが、困難な課題を自分一人で達成しようとすると、どうしても挫折しそうになることがあります。
そのような場合、似たような経験をしたことがある人や相談に乗ってくれる人に頼ってみましょう。
基本的にあなたが成長することは、周りの人にとっても良いことのはず。挫折しそうだと感じたときは積極的に人を頼るようにしましょう。
また、人を頼るという意味ではコーチングを受けることも効果的です。
コーチングはあなたの目標や課題に対してアプローチを行っていくものであり、半年や一年という期間をかけてモチベーションを維持しながらゴールに向かってコーチと伴奏していきます。
コーチングを受けることでこれまで気づかなかった解決策や考えられなかった行動が取れるようになり、一人で目標に向かって走っていくよりも早く目標達成に近くことができるのです。
コーチングについては、コーチングとは何か【図解付き】でわかりやすく解説しますで詳しく紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。
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目標やゴール、夢、ビジョンの違いについて動画で解説!
今回は目標設定について解説しましたが、「そもそも目標やゴール、夢、ビジョンの違いって何?」という方向けに動画で解説していますので、興味のある方はこちらもご覧ください。
※目標達成には決めたことを習慣化することも非常に重要です。合わせて以下の記事もご覧ください。
● 三日坊主は今日で終わり!絶対に習慣化するために必要なこと