どうしても合わない部下がいると、ついその部下のことを「嫌い」と感じてしまうものです。
上司である以上、どのような部下であっても他の人と違った扱いをすることは許されません。とはいえ、どうしても「こいつは嫌いだ」と思ってしまうことはあるでしょう。
そのように嫌いな部下に対して対処するためには以下の「5つの行動指針」を行うことで、きっとあなたの考えも変わるはずです。
- なぜ部下が嫌いなのかを考える
- 態度に出さない
- 共通点を見つける
- 課題に意識を向ける
- 学びの機会だと考える
部下が嫌いだと感じている方は、本記事を参考にしていただき、ぜひ関係改善に努めてみてください。
この記事の目次
1.部下を嫌いになるのは悪いことではない
「部下を嫌いになるのは上司としていけないことだ」と思っている人もいるかもしれません。しかし、部下を嫌いになるのは悪いことではありません。
どのような人間にも、好きな人と苦手な人はいます。これは、お互いの性格や特性によるものなので、どちらが悪いというものではありません。
もちろん、上司も神様ではないので人を嫌いになることもあるはず。それがたまたま部下であっただけなので、部下を嫌いになってはいけないと思い詰める必要はありません。
ただし、上司であるからに嫌いな部下だからといって他の人と異なる扱いをしてはいけません。絶対に同様に接する必要があります。
では、嫌いな部下に対してどのように接していけば良いのでしょうか?以下で詳しく解説します。
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2.嫌いな部下を上手に対処するための5つの行動指針
ここからは、嫌いな部下に贔屓したりせず、正しく対処するために知っておくべき5つの行動方針をお伝えします。
- なぜ部下が嫌いなのかを考える
- 態度に出さない
- 共通点を見つける
- 課題に意識を向ける
- 学びの機会だと考える
今後、嫌いな部下に対してはこれらを守り接するようにしましょう。それぞれ、具体的に説明していきます。
2-1.なぜ部下が嫌いなのかを考える
まずやるべきことは、「なぜあなたは部下のことが嫌いなのか」を考えてみることです。
部下が嫌いな理由を理解することができれば、部下に対する嫌悪感が和らぐことがあるからです。
例えば、「部下の仕事があなた以上に早い」という場合、なんとなく毛嫌いに感じる人も多いのではないでしょうか?
「自分は上司なのに…」と焦ってしまうかもしれませんね。
しかし、部下はスピードは早いけど、ミスが多い可能性があります。逆にあなたは、スピードはゆっくりだけどミスが少ないという長所があるかもしれません。
このように、相手の長所は長所として認めつつ、自分の長所は別のところにあると考えることで、自分の力不足を感じなくなります。
その結果、部下へのネガティブな気持ちが薄まるようになるので、ぜひ試してみてください。
また、「部下の態度が気に食わないから嫌い」ということもあるでしょう。
このようなときは、「なぜ、自分は部下の態度が気に食わないと思うのか」の理由を考えましょう。
例えば、「自分を裏切った友人に似ている」「仲の悪い息子に似ている」「昔の自分を思い出す」など、改めて考えてみると部下に原因がある訳ではない可能性があります。
このように、まずは自分が部下を苦手な理由を突き止めてみることです。そして、必要であれば改善策を考えるようにするにすることで嫌いな気持ちを和らげることができるのです。
2-2.態度に出さない
次に、自分が部下を嫌っていることを態度に出さないことも重要です。もしあなたがあからさまに嫌っている態度を出しているのであれば要注意です。
自分が嫌っている雰囲気は、すぐに相手に伝わってしまいます。その結果、相手もあなたのことを嫌いになる、という悪循環に陥ってしまうこともあります。
さらに、あなたが部下を嫌っていることが周囲の人にまで伝わってしまうと、職場全体の雰囲気が悪くなってしまう、なんてことも起こりえます。
そのような事態を防ぐためにも、たとえあなたが部下のことが嫌いでも絶対に態度には出さないように心がけなければなりません。
2-3.共通点を見つける
もし、部下に対する嫌いな気持ちを少しでも和らげたいのであれば、共通点を探してみることが効果的です。
人は自分に似ている人には、無条件に好意的な印象を持つものです。
「出身地が同じで話は盛り上がり、その人に親近感を覚えた」というのは多くの方が経験しているのではないでしょうか?
このように、共通点も見つけるということは人との関係を構築する上でとても重要なことなのです。
例えば、
- 出身地
- 趣味
- 好きなスポーツチーム
- 学生時代の部活
- 行ってみたい国
- 尊敬、注目している人
など、考えようと思えばいくらでもあるはずです。
もし、嫌いな部下との関係を少しでも改善したいなら、このように共通点を探してみて話してみるだけでも驚くほど関係が改善される場合があります。
2-4.課題に意識を向ける
嫌いな部下が何かミスをしたとき「またアイツかよ」と思ってしまっていませんか?
人間はその人のことが嫌いになってしまうと、何をしてもイライラしてしまうものです。
しかし、問題の原因を「その人」に求めると問題は改善しません。それどころか「責められた!」と部下が思うことによって、どんどん深刻な人間関係の問題に発展してしまいます。
そのように悪化させないためにも、何か仕事で問題が起きたときは原因を「個人」に求めるのではなく、「課題そのもの」の解決だけに意識を向けるようにしましょう。
例えば、あなたの部下のAさんが担当している仕事が遅れているときを考えてみましょう。
このような場合に、「Aさんの仕事スピードをどうすればあげられるか」と考えるのは、個人の責任を追求していることになります。
課題に目を向けるとは、「どのようにすれば、仕事の遅れを取り戻せるか」と考えることです。
今回の例では、解決しなければならない課題はAさんの仕事のスピードを上げることではなく、プロジェクト(仕事)の遅れを取り戻すことです。
つい嫌いな部下個人に対して責任を考えがちですが、「本当の問題はなにか?」と考え、仕事の課題と個人の問題を切り離して考えることが重要なのです。
2-5.学びの機会だと考える
最後に、嫌いな部下を持つことは「学びの機会」だと考える姿勢を持ちましょう。
これまでの人生でも、「苦手だな」「嫌いだな」と思う人は何人もいたと思います。それは今後も変わりません。
もし、苦手な部下を克服できるようになれば、あなたは同じような人に出会ったときにストレスを感じなくなります。しかし、そのままにしてしまうとこれからの人生で嫌な人が出てくるたびに、あなたはストレスを抱えることになります。
何事も、ものは捉えようです。あなたが「嫌だ嫌だ」と思っていても何も変わりません。逆にストレスが溜まってしまい、部下との関係が悪化するだけです。
人には超えられない試練は与えられない、と言われます。あなたが部下のことを「嫌い」と感じるのは、それを乗り越えることで成長するチャンスが与えられているということなのです。
ぜひ、今の状態を嫌いな部下を克服する学びの機会だと捉えてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
部下が嫌いなときの対処方法について紹介しました。
嫌いな部下へ対策するためのポイントは以下の5つです。
- なぜ部下が嫌いなのかを考える
- 態度に出さない
- 共通点を見つける
- 課題に意識を向ける
- 学びの機会だと考える
部下を嫌いになるのは、悪いことではありません。しかし、好き嫌いで評価を変えてしまうのは絶対に避けなければなりません。
多くの人は、嫌いな部下をうまくマネジメントできません。その結果、チームワークが悪くなることもあるでしょう。
逆に言えば、嫌いな部下を上手にマネジメントできるようになれば、それはあなたの貴重なスキルになると言うことです。
最初は苦しいかもしれませんが、後々の人生において必ず役に立ちます。ですので、もし現在嫌いな部下がいるならチャンスだと思って努力してみてください。
そのような努力を続けることで、誰にも負けない理想の上司になることができます。