
どのような人でも
「今日はなんだか気が乗らない」
「仕事に行きたくない」
「何もやる気がおきない」
というような無気力な時はあるでしょう。
とはいえ、そう簡単に会社を休んだり一日中寝て過ごしたりできるわけでないので、自分をなんとか励ましながら出勤していくことがほとんどではないでしょうか?
しかし、そのような無気力な状態が長期間続くようだと問題です。
自分で改善できる状態もあれば、病気が原因になっている可能性もあります。
どちらにせよ放置せずに、早い対処を行い克服する必要があるでしょう。
今回はやっかいな無気力の原因と対処法について詳しくお伝えしていきます。
この記事の目次
1. 無気力の主な原因は心身の疲労
まずは無気力の原因について解説していきます。あなたの現状に照らし合わせてご覧ください。
無気力の原因としてまず挙げられるのが、身体や心の「疲労」です。
まず身体の疲労についてですが、肉体を酷使する重労働だけでなく、毎日の長時間通勤や長時間パソコンを見つめながらのデスクワークであっても身体の疲労が溜まっていきます。
疲労するのは体力だけでなく、ストレスによって「心」も疲弊していきます。
ストレスを感じるのは職場だけではありません。
引越しや親の介護、転職といった環境の変化が、知らず知らずのうちに過剰なストレスになっていることもあります。
他にも子育てが終わり、やるべきことがなくなってしまった喪失感からストレスを感じることもあるのです。
疲れは休憩をとったり、睡眠をとったり、栄養を摂取することで回復していくことができます。
しかし、あまりにも疲労が蓄積するとストレスホルモンに対抗する「コルチゾール」という物質が枯渇してしまい疲労困憊の状態になってしまいます。それが無気力の原因です。
無気力な状態は、限界ギリギリまで疲労が蓄積しているという身体的・心的なサインです。
つまり、「怠けたい気持ち」から無気力になるのではなく、「頑張り過ぎた」ことが無気力に大きな影響を与えていることになります。
なお、うつ状態による無気力も考えられますので、その際は自分の努力だけでは改善できないので、心療内科などの専門機関での治療が必要になってきます。
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2.無気力への対処法
2-1.疲れを癒す
無気力の原因は主に積み重なった疲労であることとお伝えしました。
ですので、自分でできる無気力の対処法として重要になるのが疲れを癒すことです。
仕事によって疲れが溜まっている場合、有休を取得してのんびり旅行などに行くのも効果的です。
とはいえ定期的に行うのは難しいでしょうから、日常でできることから始めるてみましょう。
最も手軽なのが、「しっかりと眠る」ことです。
「そんなこと?」と思われるかもしれませんが、睡眠は非常に重要です。
残業だけでなく、寝る前にスマホを触ったりテレビを見て睡眠時間が少なくなってしまったり、睡眠の質が低下しているようであれば要注意です。
もし夜しっかり睡眠を取ることが難しいのであれば意識的に昼寝をする時間を取ってみましょう。
昼寝は疲労感を軽減させ、集中力を高めることに効果的で、大企業でも仮眠の時間を設けたり、仮眠スペースを設置したりしています。
カリフォルニア大学の心理学者、サラ・メドニック氏は、20分間の仮眠は8時間分のスタミナを回復することができると提唱しています。
良質な睡眠は、疲れを癒し、無気力な状態を改善する効果があるのです。
2-2.生活習慣を見直す
無気力な状態を改善していくためには、睡眠時間を含めた「生活習慣」をしっかりと見直し、規則正しい生活を過ごしていくことも大切です。
「何をまた当たり前のことを?!」と思われたかもしれませんね。
しかし、きちんとした生活習慣を送っている人というのはとても少ないのが現実です。
人はストレスを受けると対応するために副腎からコルチゾールという物質が分泌されるとお伝えしました。
しかし、悪い生活習慣を送ることはこのコルチゾールが過剰に分泌されてしまいます。
そうすると副腎にも負担をかけてしまい、疲労につながることで、結果的にストレスが蓄積されてしまうのです。
そうならないためにも以下の生活習慣を実施するようにしましょう。
・早寝早起きで7時間睡眠 ⇒ 身体をリラックスさせる副交感神経が働き、疲労を癒す。
・朝起きたら太陽の光を浴びる ⇒ 夜休むために分泌していたメラトニンというホルモンをストップさせる働きがある。
・朝起きたら1分~2分の深呼吸をする ⇒ 寝ている間は呼吸が少なく低酸素状態になっているため。
・野菜はしっかりと食べる 発芽食品が効果的 ⇒ 活性酸素を除去することのできる抗酸化力の強い食品。活性酸素が蓄積すると脳疲労になるため。
・牛肉よりも鳥ムネ肉を食べる ⇒ イミダゾールペプチドという疲労回復物質が、牛肉や豚肉に比較して2倍以上多く含まれているため。
・ジャンクフードなどを控える ⇒ 保存剤や添加物などがどんどん蓄積されていくと、その排除にエネルギーを消費してしまうため。
このように自分の生活習慣を省みて、改善していくだけでも、無気力な状態から抜け出すことはできます。
2-3.適度な運動を行う
2017年にアメリカのスクラトン大学は、一日一回の運動であっても、脳にある海馬のBDNFが増加するという研究結果を発表しています。
BDNFは脳細胞にあるシナプスを増やし、結果として思考がクリアになり、ストレス解消や疲労感解消に貢献してくれる物質です。
長時間の運動は身体疲労の原因になってしまいますので、短時間の運動がいいでしょう。
ストレッチや軽いジョギングでも構いませんが、高負荷の運動をほんの短い時間に限定して全力でやる「HIIT」(High Interval Intensive Training)が効果的です。
方法としては、20秒太もも上げをしてから10秒休むことを、8回繰り返して合計で4分間激しい運動をします。
有酸素運動は活性酸素を生み出すので、抗ストレスホルモンであるコルチゾールを消費することになりますが、HIITであれば短時間のためにコルチゾールはほとんど消費されません。
2-4.まずやってみる
また他にも無気力の対処法として、「まずやってみる」ということも挙げられます。
「やりたくないなー」「面倒くさいなー」と感じることも、実際にやり始めてみると思ったよりも集中できたという経験はないでしょうか?
デスク回りの掃除などがその典型でしょう。
やり始めるときちんと整頓されていくのが気持ちよくなってきて、いつの間にかやる気になっていたりします。
これは、嫌々でも手を動かしてみることで脳の側坐核が刺激され、やる気を高める効果のあるドーパミンの分泌を促しているからです。
「作業興奮」とも呼ばれています。
軽度の無気力状態であれば、この作業興奮を利用することで改善することも可能です。
2-5.小さな目標に分けて取り組む
目標が大きいほど、人はやる気になりそうですが、決してそうではありません。
あまりにも大きな目標だと何から手をつけていいかわからず、無気力な状態に陥ってしまうのです。
タスクについても同様で、やるべきことが多過ぎるプロジェクトなどはそのまま取りかかってもなかなかやる気にはなりません。
実際にやってみても、まったく終わりが見えず、進捗状況も実感が湧かないので、どんどんやる気が低下してしまうという経験がある人もいるかと思います。
ですので大きな目標を小さな目標やタスクに分けて取り組むということをやってみましょう。
小さなタスクであれば、始める前に負担を感じることもなく、完了した後にしっかりと達成感を味わうことができるのです。
こうした成功体験を少しずつ積み上げていくことで自信がつき、よりやる気を高めることができます。
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3. やってはいけない対処法
3-1.生活習慣の乱れや寝不足になるような行為
無気力な状態の際にやってはいけない対処法があります。
基本的には無気力の対処法でご紹介した内容に逆行することは、NGです。
例えば、何もやる気が起きないという際に、ただぼーっとテレビを観続けたり、眠れないのでネットサーフィンをしていたり、スマホで動画を観ているようだと生活習慣の乱れに繋がります。
特に就寝前に脳へ強い刺激を与えることは、質の良い睡眠の妨げにもなるのです。
寝不足になれば自然と無気力な状態が悪化していきますので、悪循環です。
3-2.無理にやる気を出そうとし過ぎない
無気力な自分を責めてしまい「なんとかしないと!」と思っても、それでもまったくやる気にならない場合があります。
もしかするとホルモンバランスが崩れていたり、過剰なストレスによって病気になっている可能性もありますので、「無理にやる気を出そうとし過ぎない」ことも大切です。
無理をし過ぎるとストレスは増加していきますし、疲労も倍増していきます。
反動が大きく、無気力な状態から抜け出せない自分自身を責めて追い込むことにもなりかねないので注意が必要です。
無気力な状態が続くようであれば、専門機関に相談しましょう。
3-3.飲酒は逆効果
ストレスが蓄積しているから、寝る前にお酒を飲むという習慣があるかもしれませんが、実は寝る前にアルコールを摂取すると眠りが浅くなり、さらに肝臓でアルコールを除去するのにエネルギーが使われるので身体的な疲労に繋がります。
仲間と楽しみながらの飲酒であればストレスのいい発散になりますが、ストレスの原因を忘れたいがためにひとりで深酒するのはよくありません。
睡眠の質も低下し、疲労が増し、ストレスの原因も何も解決されずに翌日に向き合うことになるので、逆に無気力状態が悪化してしまいます。
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4.無気力状態で考えられる病気
上記のことをやっても無気力が治らないこともあるかもしれません。
その場合は「うつ病」などが考えられます。うつ病になる手前の段階としては「抑うつ状態」があります。
どこからがうつ病で、どこまでが抑うつ状態なのか境は難しいですが、より深刻な問題になっている状態がうつ病だといえます。
【抑うつ状態・うつ病の症状】
・何をしていても楽しくない。
・眠れない。
・食欲がない。
・自己否定的になる。
このような状態が2週間以上続くのであれば、心療内科に相談してみましょう。
他にも、頑張り過ぎた反動で無気力になってしまう「無気力症候群」や、ホルモンのバランスが崩れて無気力になってしまう「更年期障害」、自律神経のバランスが崩れている「自律神経失調症」などがあり、自分で対処することが難しいので専門機関への相談をおすすめします。
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まとめ
比較的軽度の症状であれば、生活習慣を改善していくことで疲労に強い身体を作り、無気力な状態から抜け出すことができます。ぜひ「睡眠」「栄養」「運動」にはこだわってください。
ただし長い期間、無気力な症状が見られる場合、うつ病などの病気を発症している可能性がありますので、なるべく早く専門機関の診察を受けることが重要です。
症状については、目に見えないため周囲からは気づきにくいですから、自分の状態を自分でしっかりと確認して、限界を迎える前に対処するように意識しましょう。
早い段階で対処していけば、それだけ早く完治することができます。