
グローバル化や技術革新だけではなく、コロナ禍の影響によってビジネスシーンの変化は加速しています。
これまでには考えられなかった不透明な課題が増え、企業のビジョンの見直しや、新たなチャレンジを迫られていく時代です。こうした状況だからこそエグゼクティブコーチングを受ける経営者やマネージャも同時に増えています。
リーダーに求められる要素には以下のようなものがありますが、こうした力を養っていくためにもコーチングは適しているといえます。
・周囲から信頼を獲得する
・成果を出すために組織がどうあるべきかという視点
・周囲への影響力があり、組織を牽引する力
・理想の組織作りのために、自分がどうあるべきかを客観的に見る力
・目的達成のために決断する力
本記事では、エグゼクティブコーチングはどういったニーズにマッチしているのか、そして効果とコーチの選び方について紹介します。
この記事の目次
1.エグゼクティブコーチングの対象とコンサルティングとの違い
1-1.エグゼクティブコーチングを受けるべき人
エグゼクティブコーチングの主な対象は、会社の業績に対して影響力と責任がある「経営者」や「経営幹部」といったエグゼクティブ層になります。
また、会社の未来を担う次世代のリーダー育成のため、「有望な若手社員」にもエグゼクティブコーチングを受けさせるケースも増えてきました。
どちらにせよ、会社を背負って立つ人材こそ、一般のコーチングではなく、エグゼクティブコーチングを受けるべきでしょう。
コーチングでも自己実現や自己の目標を達成できるようになりますが、会社や組織の課題を解決するためには、よりリーダーに求められるものを満たすためのコーチングが必要になるのです。
ちなみに、現代のアメリカでは、CEOの3割以上、シニアエグゼクティブの5割以上が外部に依頼してこのようなコーチングを受けていると言われており、社会の変化により今後さらに増えていくことが予想されます。
1-2.コンサルティングとのの違い
経営者のサポートをするといった役割で、エグゼクティブコーチングとコンサルティングがよく混同されがちですが、両者はアプローチの方法がまったく真逆です。
大きな違いはクライアントの成長、人材育成の面にどれだけ関わることができるのかでしょう。
コンサルティングは、コンサルタントが専門の知識や経験から具体的なアドバイスを行います。「組織改革をこう行っていった方がいい」「新しくこういったマーケティングを採用すべきだ」ということをコンサルタントが独自にアドバイスし、問題を解決していきます。とにかく結果を出すことだけが目的です。
一方でエグゼクティブコーチングは、発問などによって気づきを与え、クライアントを成長させながら問題解決を目指します。コーチングでは答えは本人の中に存在するので、それを引き出すことが大きな役割です。
コンサルティングは新しい問題が起こったら、その問題解決のため、また新たにコンサルタントに依頼することになり、依存した状態に陥ってしまいます。
しかし、コーチングはクライアントに新しい問題を解決する力をつけますので、クライアントは以前の経験を活かし自走していくことができるのです。
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2.エグゼクティブコーチングの効果・必要性
2-1.精神面の安定と思考の整理
それではエグゼクティブコーチングには具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか?
精神の安定
まず「精神面の安定」が挙げられます。実は経営者ほど孤独です。
これは、立場が上になればなるほど、言動に対しての周囲からのフィードバックが少なくなっていくことと関係しています。新人や若手の頃は、先輩社員や上司がいろいろな相談に乗ってくれたり、それに対して意見を述べてくれますが、経営者だと逆に弱い部分を周囲に見せられなくなるので孤独感が増していきます。
会社の意志決定をする際にメンタルのコンディションが悪く、プレッシャーや不安に押しつぶされてしまっては、誤った決断をしてしまうリスクが高まります。そのため、エグゼクティブ層には特に良好な心理状態が重要になるのです。
コーチはそんな環境において良き相談相手になってくれます。自分の気持ちを理解してくれる人が近くにいるというだけでも、メンタル面はまったく違います。
思考の整理
同時に「思考の整理」もコーチングでは効果的です。自分ひとりでは考えが堂々巡りになってしまいがちですが、コーチに相談することでそういった問題も解決していきます。
これは、コーチングの中で不安や悩みを顕在化し、客観的に自分を見つめる機会を作ることによってもたらされます。フィードバックの機会を自ら増やすということにもなります。
自分の問題点や組織の問題点を言葉にすることで冷静に見つめ直し、明確にすることに役立ちます。この対話における「壁打ち」によって、コーチングではクライアントの思考が整理され、問題を解決するための気づきを得ることができるのです。
本当の問題点や、本当に変えていくべき点などが明確になった時点で、課題は半分解決したといえるでしょう。このようにクライアントの内にこそ答えが眠っているのです。それを引き出すのがコーチングになります。
2-2.リーダーとしての資質を磨く
クライアントはコーチとの対話の壁打ちの中で、「組織がより良く変わっていくためには、自分がどう変わるべきなのか」に気づいていくことができます。
「なぜ、あいつは指摘されないと仕事をしないのか」と相手に問題のすべてをぶつけていた状態から、「自分がどう接すれば、部下が自発的に動けるようになるのか」と自分を変えることに視点が移るのです。
相手を変えることは難しいですが、自分を変えることは時間こそかかりますが可能です。そして自分が変わってこそ、相手を変えることができます。こういったリーダーの変化が周囲を巻き込み、組織の雰囲気はどんどん良くしていきます。
コーチングを通じて、組織をまとめ、しっかりとした理念を掲げて良い方向へと引っ張っていくリーダーとしての素質を磨いていくことができるわけです。
2-3.組織への好影響により成果が変わる
コーチングを受けていくことによって、相手の話を丁寧に聴くことの重要性や、頭ごなしに命令するのではなく、発問によって問題解決していくやり方がリーダーに浸透していきます。
すると、部下に対しても同じような接し方ができるようになり、部下の可能性を引き出したり、信頼を高めていきます。
自分の意見を主張できるような風通しの良い組織は、現場の声を迅速に全体に反映することができます。また、新しい挑戦が失敗に終わっても、そこから成功に繋がる要素を全体で共有しやすくなります。
このような仕組みこそ、外部の変化に柔軟に対応できる組織です。リーダーがコーチングを受けることで、組織に好影響を与え、それが成果に繋がっていきます。
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3.エグゼクティブコーチングの費用
通常のコーチングが1時間あたり2万円前後が相場です。これに対してエグゼクティブコーチングの費用の目安は、1時間5万円前後が多いです。これはオンラインなのか対面なのか、またサポート内容によっても変わってきますので、参考程度にしていただけるとよいでしょう。
てエグゼクティブコーチングは、通常のコーチングよりも高いスキルが求められるため費用は高く設定されています。
コーチとクライアントが信頼関係を築き、クライアントが本音で話をし、そこから様々な気づきを得るのに時間がかかりますので、1回や2回といった単発でエグゼクティブコーチングを受けるのは効果が低く、もったいないです。
長い期間継続して受けていくことで費用こそかかりますが、成果が出てくるということは知っておいてください。
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まとめ
目まぐるしく変化していく今後のビジネスシーンで生き残っていくためには、エグゼクティブ層に新しい視点をもたらし、組織全体が変化に対応できる力をつけていくことが必要です。
そのためにもエグゼクティブコーチングを有効活用してください。将来のため、こういった分野にしっかり投資していくことができる会社こそが、さらに発展していく時代になっていくでしょう。