
社会人としてビジネスシーンで活躍するためには、専門的知識やスキルに精通していくだけではどこかで必ず行き詰まってしまいます。
仕事で成果を出している人は、自己鍛錬や自己成長を意識したり、周囲の人たちと信頼関係を築いていくことの重要性を知っています。
あなたが今後もっと成果を出していきたい!と考えているのであれば、ビジネスに心理学を上手く取り入れることをおすすめします。
今回はビジネスで使える心理学と、活用における注意点についてお伝えしていきますので参考にしてみてください。
この記事の目次
1.なぜビジネスにおいて心理学が効果的なのか?
国際競争が激化し、同じような商品やサービスが様々な会社から提供できるようになった現代において、差別化していくことが難しくなってきているというのはご承知のとおりかと思います。
また、ただ会社にいて仕事をすればいいのではなく、働き方改革の影響もあり労働生産性を高める必要性も注目されています。
心理学を活用して自分自身を見つめ直すことで、今まで気づかなかった本当の自分や、周囲との信頼関係の構築のため方法を見つけ出し、実際にどのような考え方や行動が必要になるのかがわかります。
そう、心理学をビジネスで活用することは、自分自身を知り、自分を成長させるためことにもつながるのです。
また、心理学を活用することで以下のようなことが見えてきます。
・どうすれば前向きにチャレンジすることができるようになるのか
・どうすれば相手と良好な信頼関係を構築できるのか
・若手育成の際にどのような意識が大切になるのか
・相手の立場に立ったコミュニケーションとはどのようなものなのか
心理学を取り入れることで、このように人間の心や行動の仕組みを知り、自分自身を客観的に見つめることができるようになり、本当の課題点や問題を解決する方法もはっきり見えてきます。
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2. 心理学をビジネスに取り入れる方法
2-1.集中力を高める「マインドフルネス瞑想」
どんなに頑張ろうと思っても、精神的に疲労している状態だと力を発揮することはできません。
「あれもしなければならない」「これもしなければならない」「こんな失敗をしたらどうしよう」「何か抜けていることはないか」
このように仕事では様々なことを考えなければならないので、脳は疲弊していきます。
仕事のパフォーマンスを上げるためにも、脳をゆっくり休ませることは非常に大切です。
脳や心を休ませるのに効果的な方法がマインドフルネス瞑想です。
マインドフルネス瞑想は、マサチューセッツ大学医学部教授のジョン・カバット・ジンが開発し、その後発展を遂げ今ではgoogleやfacebook、ナイキなどの大企業が取り入れるほどメジャーなものになりました。
瞑想とは言っても宗教的な要素は一切ありません。
マインドフルネスを行うことで副交感神経が優位になり(リラックス状態になり)、ストレスが軽減され、免疫力が向上します。
そして集中力が高まり、さらに思考が整理されクリアになるので、洞察力や直観力、創造力が高まるのです。
・リラックスした態勢になる(座っても横になってもOK)
・鼻から吸って4つカウント
・息を止めて4つカウント
・口からゆっくりと息を吐いて8つカウント
息を吐く時間を長くすることでリラックス状態を作り出すことができます。
ポイントは、余計な事は何も考えず、今に集中し、ただ呼吸に意識を向けることです。
雑念が浮かんでも、呼吸に意識を戻しましょう。
5分間繰り返すだけでも効果があります。ですので、忙しくても朝出社前は寝る前に時間を取ることができるはずです。
忙しいからこそ脳や心を休ませて、集中力を高めるようにしましょう。
マインドフルネスについては以下の記事でも詳しく紹介していますので、もっと知りたい方はこちらもご覧ください。
●有名企業も行うマインドフルネスの驚くべき効果と具体的な方法について
2-2.前向きに物事を捉える「リフレーミング」
リフレーミングとは、フレームを変える、つまり、物事を違う方向から見て、別の価値観を見出し、ポジティブな思考にするための方法です。
リフレーミングは、カリフォルニア大学サンタフルーズ校言語学部助教授だったジョン・グリンダーと当時心理学部の生徒のリチャード・バンドラーによって開発されました。
例えば、「私は積極的に話しかけるのが苦手だ」と感じている場合、あまりにも自分を追い込み過ぎると、自己否定もまた強くなってしまい、さらにコミュニケーションが苦手になっていきます。
ここでリフレーミングによって別の視点から見てみると、「私は冷静に相手を観察することができる」という側面があることに気がつきます。
それもまた信頼関係を構築するには大切な要素です。短所も見方によっては長所になるのです。
↓
実は相手を観察することに長けている
また、「失敗すると恥だ」と思っていてなかなか行動に移せないのであれば、「失敗は自分の改善を見つけるチャンス」とリフレーミングすることで、自己成長にも繋げていくことができます。
↓
失敗は成功のチャンス
「あの人は自分に厳しい」という思いがあってネガティブな気持ちになるのであれば、自分の思い込みを一端捨て、相手の価値観に気づくうえでもリフレーミングは大切です。
「妥協することなく自分を成長させるためには大切な指摘」という見方もできます。すると相手の長所を理解することで、相手を信頼する気持ちも強まり、人間関係に良い循環が生まれてきます。
このようにリフレーミングによって、自分の価値を再認識し、今まで以上に前向きになり仕事に向き合うことができるのです。これはただのポジティブ思考とは違います。
2-3.良好な人間関係を構築する「傾聴」
相手との信頼関係を構築するために欠かせないのが、相手の話を全身で聴くという「傾聴」です。
その字のとおり、耳だけで相手の話を「聞く」のとは違います。
傾聴は相手を見つめ、うなずき、時には相づちを入れながら、全身で相手を受け止めます。
そうすることで、相手は「自分の話をしっかり聴いてくれている=承認欲求が満たされる」状態になり、信頼する気持ちが高まっていくのです。
相手が自分を受け止めてくれたら、安心してどんどん本音で話せるようにもなります。さらにその本音に対しても傾聴することで、より信頼度は増していきます。
傾聴は職場の上司や同僚、後輩に対してだけではなく、取引先の会社や顧客に対しても非常に効果的です。
ポイントは「とにかく相手の考えを否定したり、反論することなく、ひたすら聴く」ということです。
2-4.育成に使える「ピグマリオン効果」
ハーバード大学教授でアメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタール氏が提唱したのが、相手への期待を示すことで相手のやる気を高めることができるという「ピグマリオン効果」です。
ローゼンタール効果とも呼ばれます。
これは主に若手社員や部下の育成に活用することができます。
例えば上司が部下に対して、「お前はダメなやつだ」と思っていたらどうでしょう?
きっと部下も「自分はダメだから結果を出すことができない」と思ってしまうはずです。
ピグマリオン効果は、相手に対して「成果をあげる力を持っている」と期待することでやる気を高めます。
「君ならできる」ということを部下に伝えていくことで、
- 上司は部下が、もっと力が発揮できるように気を配るようになる
- 部下は上司の期待に応えようと努力するようになる
というふたつの効果が期待できます。
2-5.チームワークを向上させる「ミスコミュニケーション対策」
ビジネスで成果を出すためには、個人のスキルアップだけではなく、チームワークの向上が重要です。
チームワークには信頼関係が不可欠ですが、互いに意思疎通がしっかりできている状態を維持することも必要です。
「相手はこう言いたかったに違いない」
といった信頼関係による思い込みだけで行動していると大きなミスを引き起こす可能性があります。
それが「ミスコミュニケーション」です。
ミスコミュニケーションが発生する原因は、「これだけ言えば伝わるだろう」という伝える側の思い込み、
または、「おそらくこれを指示しているのだろう」という聞き手の思い込みです。
人は、わずかな実例だけで、「一般的にはこうだ」とか、ちょっとしたことで「あの人はこういう性格だ」と決めつけてしまう一面があります。
心理機能にそういった仕組みがあることを知っておけば、情報を定量化して伝えたり、記録を共有するなどしてミスコミュニケーションを防ぎ、明確に相手に伝わる状況を作り出していけるのです。
情報がしっかりと共有され、思い込みによるミスが減っていくことでチームはさらに一丸となっていきます。
3.ビジネスで心理学を活用する際の注意点
心理学をビジネスに応用していくことは、とても効果的ですが、注意しなければならないこともあります。
心理学を学んで、「なるほど、人の心理にはそういった一面もあるのか」と納得して、今回ご紹介したテクニックを実践したとしても、すぐに成果に表れるものではないということです。
例えば、傾聴で相手からの信頼を高めても、1週間後に傾聴をやめてしまえば逆に不信感を与えることになります。
「やるからには徹底してやり続ける」ことが、大切ですし、だからこそ本当の成果に繋がっていきます。
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まとめ
今回はビジネスに使える心理学をご紹介しました。「過去と他人を変えることはできないが、未来と自分はいくらでも変えられる」ということがポイントです。
周囲に対してどれだけ不満があっても、まず目を向けるべきは自分自身です。
「自分の意識を変えること」「相手に対する自分の行動を変えること」で、相手にも良い影響を与え、成果をあげていくことができるようになります。そのためにも習慣化されるまでテクニックを使い続けてください。