離職防止のためにやるべき取り組みと具体的な3つの事例を紹介

企業にとって、離職者が出るということは、大きなデメリットが発生します。そのため、離職者を出さないために様々な取り組みが必要になります。

この記事では、離職防止のための取り組みや事例についてお伝えします。


離職防止のための取り組み

改善のために意識すべき点については、以下の3点になります。

1)仕事のやり方や働き方改革など、現在の働き方を理解する
2)従業員満足度の向上の必要性を理解する
3)離職者が出ることのデメリットを理解する

いずれも非常に大切な内容なので、以下で詳しく見ていきましょう。

1)仕事のやり方や働き方改革など、現在の働き方を理解する

現在の若手社員が仕事に対して求めるものは、やりがいや出世・年収という以前の価値観とは異なり、休日・休暇の多い会社、評価制度、勤務体系、住宅手当など福利厚生の良い会社というように、ワークライフバランスの取れる会社を希望する傾向が強くなっています。

また、共働きの増加に伴い、女性社員の場合は、育児休暇制度・在宅勤務・テレワークの導入などを求める傾向も強くなっています。そのため、それらの状況を理解し、要望に合わせた環境整備も非常に重要になります。

2)従業員満足度の向上の必要性を理解する

以前は、お客様に対して満足を提供する顧客満足度(CS=Customer Satisfaction)が経営において非常に重要とされていました。

しかし、昨今の人手不足や優秀な人材の確保の中、自社のサービスを提供する上で、「サービスを提供する側」の満足度が非常に重要とされてきています。

また、新たな流れとしては、もはや顧客満足は当たり前であり、リピーターの獲得や、ライバルと圧倒的に差をつけるためには、新たに顧客感動(CD=Customer Delight)というものが必要であるとも言われています。

顧客感動のためには、お客様の求めるもの(期待値)を理解し、その期待値を大きく超えるサービスを提供することで、お客様の満足を越え、感動を提供することができるというものです。

これらを達成するためには、従業員満足度(ES=Employee Satisfaction)と言われ、企業内で働く従業員の業務内容や職場環境、人間関係などに対する満足度が自社のサービス提供にも大きな影響を与えるということなのです。

自分の仕事に不満を持っている従業員が、お客様満足、さらにはその際の大きな労力を必要とされる、顧客感動を提供できるはずがありません。

つまりは、従業員満足(ES)なくして、顧客満足(CS)・顧客感動(CD)なし!ということが主流になっているため、この従業員満足(ES)の向上のための環境づくりや取り組みは非常に重要になります。

3)離職者が出ることのデメリットを理解する

離職率が高くなることのデメリットとして、慢性的な人手不足が起こり、人手不足の状況下で仕事をこなす必要が発生することが挙げられます。

これにより、残業の大幅増加・休日出勤・作業負荷の増大・ストレスの増加などにつながり、結果として既存社員の連鎖的離職が発生し、会社にとって重要な社員を失うことにつながります。

また、コストの損失も大きなデメリットです。

給料が20万円の社員を採用しても、1年間400万円以上のコストが掛かると言われています。常に離職者を出している企業の共通点として、1人社員を採用し、その社員が一人前になって企業に利益をもたらすようになるまでに3年掛かるとすれば、1200万円以上のコストが掛かっているということを理解していません。

仕事を覚え、企業に利益をもたらすまでの期間に投資する金額を理解すれば、一人前になるまでの期間を短縮することになる教育や、教育した社員が定着するための環境整備がいかに重要であるかがわかると思います。

企業にとっては、離職者が出るということは、計り知れない損失であるということなのです。

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業種別の離職防止の成功事例を紹介

それでは、早期離職者削減のための、以下の3業種の成功事例をご紹介します。

1)IT企業の事例
2)宿泊業の事例
3)飲食業の事例

自社の業界とは違っても、必ず参考にできる部分がありますので、ぜひ全ての事例に目を通してみてください。

1)IT企業の事例

IT企業の場合、ITエンジニアなどは非常に需要が多く、慢性的な人手不足の状態です。そのため、スキルの高い人材については、スカウトやヘッドハンティングの対象となりやすい状態です。

反面、専門スキルは高いものの、対人スキルなどに問題があるケースも多く、入社したものの社内環境に対応できずに早期離職につながる例も見受けられます。

そのための改善事例として、下記のような取り組みを行いました。

①長期有給インターンシップを導入し、学生の段階から自社の環境を理解し慣れてもらう

入社してから、初めて社内環境を理解することになると、自分に合わないと感じた段階で、早期離職につながります。

そのため、学生の段階からインターンシップを通して、社風や職場環境を理解してもらい、自分に合っていると思う学生に入社試験を受けてもらうことで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

②学生に対してスキルアップの機会やコミュニティを作る

ITエンジニアの育成には、非常に時間が掛かります。そのため、学生の段階で無料の勉強会を開催し、スキルアップの機会を提供します。

その勉強会を学生に運営させ、コミュニティを作ることでITエンジニアを目指す学生との接点が増え、早い段階での優秀な人材確保につなげることができます。

③働き方の多様性に対応する

ITエンジニアの場合、機密事項の社外持ち出しなどの制限やルールを決めることで、リモートワークなども十分に可能になります。

最近では、シェアオフィスやコワーキングスペースなどで、クリエイティブな専門家の集まる環境なども増えてきています。そういった環境で仕事をすることで、刺激を受けたり、自己成長につながるケースもあり、それが自社のメリットになることもあります。

さらには、規制が厳しく離職してしまうということを避けることができます。中には副業も認めることで、離職することなくメリハリをつけた仕事を行なうことができ、人材の流出を防ぐことにもつながっています。

2)宿泊業の事例

宿泊業の場合は、宿泊・飲食業という括りで3年以内の離職率が50%近くになっています。そのため、離職者を削減することは重要課題であると言えます。宿泊業の離職につながるケースとしては、

①拘束時間が長く、休日が少ない
②やりがいを感じづらい

といった不満が多く出てきます。これらの問題に対して以下のとおり改善策を実施しました。

拘束時間が長く、休日が少ない

宿泊業の場合、朝食・清掃・夕食・チェックイン・チェックアウトという1日の流れがあり、ともすると15時間近く職場にいることもあります。

勤務時間の調整のため「中抜け」というものもあり、チェックアウトが落ち着いた後、チェックインが始まるまでの間に、一度休憩として自宅に帰ったりするケースもあります。

しかし、休憩があったとしても、あくまで勤務日ということで、休日のように気を休めることはできません。

こうしたことが、働き出してから辛くなり離職につながるケースは非常に多いです。

改善策として、週休3日制の導入を行ない、1日の拘束時間は12時間(休憩含む)位にはなりますが、その分1週間に3日の休日があるため、拘束時間が長く、休日が少ないという問題を一挙に解消し、メリハリをつけた仕事ができ、離職者の削減につながっています。

また、繁忙期・閑散期のある宿泊業については、福利厚生の一部として、年間10日間の連続休暇の取得制度も設定。これによりサービス業では難しいとされる国内外への旅行や、気分転換などに時間を使うことができ、若年者や既婚者の社員にとって非常に好評な結果となりました。

やりがいを感じづらい

例えば、ビジネスホテルなど、お客様と関わる際にルーティンの要素が強く、仕事を継続していく中でのやりがいを感じづらいということがあります。また、勤務パターンが複雑であり、中には数日間、顔を合わせないスタッフなども多くなります。

そのため、社内コミュニケーションツールを導入することで、業務やコミュニケーションの効率化・円滑化はもちろんのこと、新しいスタッフの自己紹介が見れたり、お客様の声の共有化や自社の社員への感謝などをポイントなどで見える化することができます。

その結果、スタッフ間での一体感が増し、社員の自己効力感を高めることにもつながり、やりがいを創出することにつなげています。

3)飲食業の事例

飲食業の場合も、宿泊・飲食業という括りで3年以内の離職率が50%近くになっています。

その中でも飲食業の場合、店舗数が約67万社程あり、経験者であれば容易に転職することも可能で、離職者が多く発生してしまっています。そのための改善事例として、下記のような取り組みを行ないました。

キャリアプランを明確にし、将来的な不安を軽減させる

飲食業は営業時間が長時間になることや、週末や土日に働くことが多く、非常に過酷な業種です。反面、お客様との距離も近く、お客様が喜ぶ姿や楽しさを生で感じることもでき、やりがいのある仕事でもあります。

こうした特徴から、仕事を覚えてルーティン化してくると、過酷さがやりがいを超えてしまうことで一気にモチベーションが下がり離職につながってしまいます。

そのため、入社時に本人の働く目的・目標を明確にし、それに合ったキャリアプランを提供することで、ワーカーから、チーフ・マネージャーに昇格を目指すというように、自分自身の目標が明確になります。そのことで、本人のやりがいにつながり早期離職の防止となっています。

店舗運営の問題点の解決サポートを行う

飲食業の場合、どうしてもパート・アルバイトに頼る部分が多くあります

しかし、現在はパート・アルバイトも非常に集まりづらい状況であり、その部分を店舗任せにすると、人手不足を補うために社員の残業や休日出勤も非常に多くなります。

そのため、アルバイトが集まりやすい環境や、待遇面の改善、人員確保のための施策を考え、店舗に従業員が集まるようなサポートを行う必要があります。

具体的には、外国人留学生の採用、大学生アルバイトのやりがいの創出(インセンティブの導入)、大学生アルバイトの退職のタイミング(就職活動時)での退職防止策(会社側で就職サポートの専門家の配置)などの後方支援を行うことで、社員がお客様を中心とした店舗運営に集中できることで早期離職の防止となります。

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離職防止に取り組む時の注意点について

今後、離職防止に取り組む際には、下記の点に注意していただきたいと思います。

  • 離職につながる原因を理解する
  • 固定観念を捨てて、柔軟に考え改善のためのチャレンジを行う

以下で詳しく解説していきます。

1)離職につながる問題点を理解する

問題点とは、現状とあるべき状態のギャップのことを指します。そのため、あるべき状態=従業員が求めているものと、現状=今の従業員の置かれている環境とのギャップが問題点になります。

自社の問題点が何かを明確にし、その改善策を考えて実施することで、ギャップが埋まることになり、問題点が少なくなり結果として離職者が減少することになります。 

2)固定観念を捨てて、柔軟に考え改善のためのチャレンジを行う

例えば、昔からこうやっている!そんなことはこの業界では無理だ!そんなことできるはずがない!と言っていては、現状を大きく変えることはできません。

ITやAIなども進化し、コミュニケーション手法も、SNSやオンライン通話など、以前は無かった手法などもたくさん出てきています。

現場の声を聴き、それを実現する方法を考えて積極的にチャレンジすることで、新しい改善策が生まれる可能性があります。環境に適応できなければ、衰退するしかありません。そのため、専門家の力なども借りながら、現状を打破する方法を見つけていただきたいと考えます。

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