社員や部下のモチベーション管理のために大切なこと

企業としてはモチベーションの高い社員が増えてほしいと切望しますが、実際のところは指示されたから行動するといった受け身の姿勢でモチベーションも高くない社員も多いことでしょう。

一方、テキパキと進んでアイディアを出したり、積極的にプロジェクトに関与したりなど、モチベーション高く活躍する社員もいるものです。

では、社員や部下のモチベーションを上げるためにはどうすればいいでしょうか?

今回は「モチベーション管理法」についてお伝えし、社員のモチベーションを管理する3つの方法も解説します。

1.モチベーションと「やる気」は違う

よく耳にするモチベーションという言葉ですが、そもそもどのような意味かご存知でしょうか?

モチベーションを「やる気」と混合している方もいますが、異なります。

やる気はモラールと言い、士気のことです。モチベーションは「動機づけ」のことを指します。

モチベーションが常に高い状態をキープしている社員もいれば、低い状態が続いている社員もいることでしょう。

モチベーションが高い社員は、早くに出勤して仕事の準備をしたり、会議の際にも進んで意見を述べたりします。
一方で、モチベーションが低い社員は就業時間中にも気がそぞろであったり、会議においても進んで意見を述べない節もあります。

これらの違いは内発的動機づけと外発的動機づけが関係しています。

以下ではそれぞれについて詳しく解説していきます。

2.外発的動機づけと内発的動機づけ

2-1.外発的動機づけ

外発的動機づけとは、組織や上司による強制命令や報酬、懲罰や評価などによる行動を指します。
評価や報酬などは目に見えてわかるので、わかりやすい利点があります。

  • 売り上げが100万円達成ならインセンティブが〇万円
  • プロジェクト成功で昇進昇格
  • 規約を守らない場合には懲罰の対象

などは非常にシンプルです。

アメとムチの話で、社員はムチを避け、アメを得るために行動を行うことができます。

一方で、自らの意思ではなく上司や組織による動機づけのため、モチベーションとしては低いと言うデメリットもあります。

2-2. 内発的動機づけ

もう1つの内発的動機づけとは、「成長したい」「世の中の役に立ちたい」「良い製品を世の中に広めたい」などの自らのこころの中から沸き起こる動機を指します。

内発的動機づけに基づいて行動する場合には、ボーナスやご褒美などにも関係なく、自らの意思で行動していきます。

外発的動機づけが懲罰や報酬などの指示や評価を得るための行動である一方で、内発的動機づけは自らの積極的な意思によるものです。
指示に従っての行動と自由意思に従っての行動では、自由意思で自らの動機づけの方が高いモチベーションを持ちます。

すべての従業員がモチベーションが高い状態であればよいのですが、そうとは限りません。
その理由は内発的動機づけに基づく行動は、マズローの欲求五段階説においてピラミッド型の頂点である第5欲求に当たるからです。

第5欲求は「自己実現欲求」を指し、成長欲求に当たります。夢や目標の達成を望んだり、社会貢献をしたいと感じたりなどの高度な欲求です。

そして、モチベーションの源泉となる第5欲求に達するためには、それまでの第1から第4までの欲求を満たす必要があります。

第1欲求は「生理的欲求」を指します。
喉が渇いたときに水分が取れたり、トイレに行きたいタイミングで行くことができたりなどです。
その他、食事休憩や睡眠時間の確保などによって生理的な欲求は満たされます。

第2欲求は「安全欲求」を指します。
冷暖房が完備されて、適切な温度が保たれていたり、きちんと給料の振り込みがあったりなどによって、安全欲求が満たされます。

第3欲求は「愛と所属の欲求」を指します。○○会社のメンバーや○○チームの一員などの団体や組織に所属したい欲求です。また会社内に自分を受け入れてくれている人がいると実感できたり、孤独ではない状態によって、満たされます。

第4欲求は「承認欲求」です。
上司や先輩から褒められたい気持ちや認められたい気持ちを指します。具体的には賞与や昇格、表彰によって満たされます。

第1から第4までの欲求は欠乏欲求、第5欲求は成長欲求と呼ばれます。

第4欲求までが満たされていないと、成長欲求までは到達せず、内発的な動機づけを期待するのは厳しいとされています。

モチベーションを高く、自ら進んで成長を掻き立てる社員を増やしたいのであれば、第1から第4までの欲求を満たすことが肝心です。

これらを踏まえてモチベーションを管理する方法を次から見ていきましょう。

3.モチベーションを管理する3つの方法

3-1.衛生環境と労働環境の整備

モチベーションを管理する1つ目の方法は、「衛生環境と労働環境の整備」です。

多忙を極めている職場の場合には、お昼休みが十分に確保されておらず、パソコンを片手におにぎりやパンを口に入れ、済ませているケースもあります。
この状態では第1欲求である生理的な欲求を十分に満たせていません。

忙しかったとしても、ちゃんと休憩時間を設け、お昼休憩を取ることが大切です。食事をきちんととり、休息を得ることで、欲求を満たすことができます。

職種によっては、自分のタイミングでトイレに行けないケースや残業が過剰で睡眠時間が欠如しているケースも耳にします。これらの状態も生理的な欲求が十分に満たされません。

オペレーターや技術職であっても、自身のタイミングでトイレに行けるように労働環境の見直しを図ることが大事です。

残業時間が多い場合においても、睡眠時間が大幅に削れないように作業を分担させたり、勤怠管理を徹底して一定時間を超過したら帰宅させるなどの処置が求められます。

ごく一部の会社においては、給料の支払いが遅延したり、給料の内訳が不明確であったりすることも耳にします。
この場合には従業員はきちんと給料が手に入るか不安を抱え、安全欲求が脅かされます。

中小企業であったとしても、労働環境をきちんと整備してしかるべきタイミングで滞りなく支払いをし、クリアな給料の内訳とすべきです。きちんと整えることで、安全欲求が満たされます。

3-2.孤立化を防ぐコミュニケーション

2つ目の方法は「孤立化を防ぐコミュニケーション」です。

生理的な欲求や安全欲求が満たされていたとしても、会社内に親しい間柄の人が誰もいなかったり、社内の派閥ができて険悪だったりすると、愛と所属の欲求が脅かされます。

会社に馴染めない人がいる場合には積極的に声をかけ、相談役を引き受けたり、社内にいち早く馴染めるように飲み会を開いたりなどの工夫が必要です。

1人でも親しい人がいることで、会社に受け入れられていない不安感が緩和されていきます。進んでフォローをしましょう。

また、同年代がいないことで気軽に相談できずに孤独感を感じることがあります。できるだけ親睦を深め、仲がいい人が作れるように手を打ちましょう。

3-3.必要な人物だと感じさせる褒め方

3つ目の方法は「必要な人物だと感じさせる褒め方」です。

愛と所属の欲求が満たされることで、賞与や昇給、キャリアアップにも前向きになり始めます。
しかしながら、すべての人が賞与や昇格をすぐに得られるわけではありません。

すぐにできる手法として「組織にとって欠かせない人物だと思わせる褒め方」をすることが挙げられます。

「○○くんの精密な計画さは素晴らしい!だから××も安心して任せられる」「よくやった!××のプロジェクトの成功は○○くんの地道な努力とチームビルディングのおかげだ。これからも期待しているよ」などの言葉がけをすることで、承認欲求を満たすことができます。

人は褒められれば褒められるほど、期待にこたえたい欲求も強まります。「もっと貢献したい」「もっと成長して活躍したい」などの欲求が芽生えてきたら、成長欲求となり、モチベーションの高い社員として活躍できるようになります。

4.まとめ

モチベーションを管理したいのならば、社員の欲求がどのステージまで満たされているのかを見極めることがファーストステップです。

まだ愛と所属の欲求が十分に満たされていないのならば、飲み会を開いたり、個別で相談に乗ったりなどの行動が有効です。モチベーションを管理するために、3つの方法を実践してすべての社員のモチベーションを高くキープしましょう。

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