企業向けコーチングを自社に取り入れるメリットや受けるべき人・注意点について

近年、企業向けのコーチングが今までになく注目されています。

それは、会社が抱えるグローバル化やダイバーシティの高まり業務上の「課題の個別性」がより高まったことがあります。

実際に、世界的優良企業の約35%のCEOや役員、日本でも上場企業の約12%の経営者や役員がコーチをつけています。

企業向けコーチングのメリットは、管理職の人材育成だけでなく、さらに一般社員のモチベーションを上げていくことが可能だということです。

今回は企業でコーチングを取り入れようと考えているのであればぜひ読んでいただきたい内容となっております。


1.企業向けコーチングにはどのようなものがあるのか

コーチングによって、コーチがクライアントに質問や傾聴を行うことで、クライアントは自分で考え、問題を解決する新しい視点に気づかせることで目標達成に向けて自ら変化し、前進できるようになります。

コーチングのポイントは「教えるのではなく、考え、気づかせる」ということです。

そのため、コーチングの基本スタイルは1対1になることが多いのです。
しかし、1対複数で行うことも可能です。その代表格が、企業向けのコーチング研修でしょう。

上級管理職向けには、エグゼクティブコーチングという完全個別形式のものがあり、期間も長めに設定されています。
例えば、月2回コーチングを実施し、8ヶ月ほど継続していくような長期間になります。

一方、一般管理職向けだと管理職向けコーチング研修といった、コーチ1人に対して30人ほどの集合研修の形式となります。
1回1時間ほどのコーチングを10回継続していくような設定です。

さらに、社員全員を対象に行うリーダーシップ研修目標達成研修のような集合研修の形式もあり、1回3時間程度で、目標管理についてといったひとつのテーマに絞ってコーチングを行います。

このように企業向けコーチングは、企業のニーズに合わせて臨機応変な対応を取ることが可能になっています。

2.企業でコーチングを導入する効果

2-1.社員の満足度の向上

企業向けのコーチングは、「コーチングの基礎」を学ぶことができ、多くの企業が実施しているコーチング研修や管理職向けコーチングでは部下とのコミュニケーションに役立てることができるようになります。

リーダーのコミュニケーションによって、組織のパフォーマンスは大きく変化することになるため、コーチングの基礎を身に付けることは非常に重要です。

実際に企業コーチングを受けることによってコミュニケーション能力が向上し、部下との1対1の対話を通じてモチベ―ションを高めることに成功している例が多いです。

企業コーチングを実施してしばらく経過した後のアンケートによると、社員全体の満足度が高まっている傾向が見られます。

これまでは上司と部下の1対1の対話の場が、真剣な話し合いの場になっていなかったために、単なる愚痴のはけ口になっていたり、上司側の一方的な説教になっていたりしたのかもしれません。

それがコーチングによって部下に質問を投げかることや傾聴を行うことで、問題解決について自分で考え、自発的な行動を促すことができるようになったと考えられます。
コーチングは再現性が高いので、コーチングの基礎を学び実践することで、効果を発揮することができます。
10回指示しても動かなかった部下が、たった一度の質問によって劇的に変化したというケースもあります。

上司に必要なコミュニケーション能力は、正確に指示するといった力だけではなく、いかに部下が自主的な行動できるようになるのかということも含まれるのです。

2-2.管理職を育成するスピードの向上

新しく部長に就任した、新しく執行役員に就任したといった場合、そのポストに見合った考え方や行動ができるようになるまでに長い期間が必要になるのが一般的です。

だからこそ企業側としては、新しい管理職に就いた人間に、一日も早くそのポストに慣れ、フォロワーに認められ、信頼される存在になってほしいという願いがあります。

このようなロールマッチングを早期化することができるのも、企業コーチングの効果のひとつと考えられます。

コーチングによって内省が促され、自主性や自立性を高めることができます。
そうすることで、自分のキャリアと向き合い、今後の目標を達成するためにどのような行動を取るべきか考えることが習慣になります。

これは、ひとつ上のステージ立った時の考え方や行動がすでにできている状態といえるでしょう。
繰り返していくことで、管理職に必要な能力が身についていきます。

2-3.社員のやる気と行動力を向上させ、目標達成ができる

企業向けのコーチングでは、研修形式で一般社員全体のパフォーマンスを上げていくこともできます。

これは主に「目標管理に関する研修」になります。

一般管理職やリーダーという役割を担っていない社員は、とかく「目標に管理されている」という思考に陥りがちです。

仕事も「やらされている」という受け身の姿勢になっていて、これではモチベーションは高まりません。

コーチング研修においては、「目標は自分の成長のためにある」という認識をもってもらえるようにケーススタディーなどを用いて話をしていきます。

このようなコーチング研修を通して社員は、目標の達成のための考え方や行動管理を行えるようになるのです。

3.コーチングを受けるべき人

それでは一体どのような人が企業向けのコーチングを受けるべきなのでしょうか?

3-1.部下とどのようなコミュニケーションをとればいいのかわからない人

コーチングは、出来る限り多くの社員が受けた方が、組織への波及効果は大きくなりますが、その中でも人材育成やチームの成果を任されている管理職のビジネスパーソンは特に受講すべきでしょう。

ドイツの心理学者であるアルフレッド・アドラーは

「仕事で失敗をする人の90%以上が、仕事に対する知識やスキルの欠如ではなく、良好な人間関係を築けないこと」

と述べています。

部下のやる気だけでなく、部下の話に親身に耳を傾け、自分で解決できる能力を養うことのできるコーチングの力は、上司と部下の人間関係に良い影響を与えるうえで非常に重要です。

  • どういった会話を部下とすべきなのか
  • 褒めた方がいいのか、叱った方がいいのか
  • あまり干渉しない方がいいのか
  • もっと指示を出していけばいいのか

というようなことで悩んでいるのであれば、リーダーとして最も大切な役割に気付いていない証拠かもしれません。

一般管理職向けのコーチングを受け、育成の在り方、正しい部下への関わり方を学ぶべきでしょう。

3-2.プレイヤーとして大きな成果をあげたい社員

仕事で成果が出ないと、つい「会社のせい」「環境のせい」「顧客のせい」「商品のせい」と自分以外のことに責任を押し付けてしまいがちです。
しかし、それでは一向に成果を出すことは難しいでしょう。

こうした問題(言い訳)は自分ではどうすることもできないからです。結果として成果を出すことを諦め、愚痴を言うだけで終わってしまいます。

コーチングのコアである「自分が源泉」であるという考え方が、問題解決には最も重要です。

それは、自分の考えや行動であればいくらでも変えることができ、そこに問題があるのであれば、自分を変えることで問題を解決することができるようになるからです。

コーチングは「全ての答えはクライアントの中にある」という考え方を大切にしているため、

  • 自分には何が足りないのか
  • 成果を出すために必要な行動は何か
  • もっと別な視点はないのか
  • 成果を出している人たちの考え方はどうなっているのか

といった気づきを得ることができます。

「自分が源泉」という考え方が身に付けば、「現状を改善するために何をすべきか」「目標を達成するためにどういった行動を取るべきなのか」と自分自身で考え、自発的に動くことができるようになります。

そして、モチベーション高く業務に励むことができ、失敗を反省として次に活かすことができるようになるため、大きな成果をあげることができるようになるのです。

3-3.プレイヤーとして大きな成果をあげてきた人

これから成果を上げてきた人だけでなく、これまでプレイヤーとしてバリバリ成果を出し続けてきて自分の仕事に自信があるという人も、実はコーチングは受けてみるべきです。

成果を出してきた人は自分のやり方に自信があり過ぎるために、部下への接し方が指示型に偏ってしまう傾向があります。

「もっとこうした方がいい」「成果を出すためには、これはやめてこうしよう」といったように有効な提案はどんどん示すことができますが、部下の育成という面ではあまり良い影響がありません。

上司の指示待ちで、受け身の姿勢になるように育っていってしまうからです。

部下を育成するためには、コーチングのように内省を促す接し方が重要になります。
そのためのコミュニケーションの方法をコーチングで学んでみるのがいいでしょう。

そうすることで、自分自身もさらに上のステージを目指せるように成長することができます。

まとめ

人材を育成するという面において、まさに企業向けコーチングは最適です。

管理職のコミュニケーション能力の向上だけでなく、社員の自主性を高め、組織全体のパフォーマンスを上げていくことができます。

さらに、企業向けコーチングを受けることによって、社内のムードはポジティブなものになっていきます。

前向きに自分を変えていくだけでなく、外部の成功者や実績のある人の話を聞いて刺激を受けたり、ケーススタディーをしてビジネスパーソンとしての自覚も芽生えていくことでしょう。

停滞気味の社内ムードを感じたり、後継者になるようなリーダーがなかなか育たないといった問題を抱えている企業は、ぜひ企業向けのコーチングを試してみてください。
そして、一度で大きな成果を期待するのではなく、継続して地道にコーチングを受けることで、これまでの問題を解決する力が生まれてくるはずです。

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